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所長挨拶所長に再任されましたのであらためてご挨拶申し上げます。 霊長類研究所は1967年に創設されました。以来「ヒトとは何か」を明らかにすることを目的として霊長類を総合的に研究しています。現在では「くらし」、「からだ」、「こころ」、「ゲノム」の広い観点から研究を進めています。組織は10分野2附属施設から構成されていて、フィールドからゲノムまでの多様な学際的研究を通して、ヒトとヒト以外の霊長類を相互に比較することで、ヒトの起源の解明にせまります。 研究所の持ち味は全分野においてオーソドックスな基礎研究を継続してきたことにあります。その礎を基盤にして新たな方向を目指すことも必要と考えます。iPS細胞や生殖・繁殖工学などの新しい技術や論理を視点に入れることによって、新しいモデルや試料の開発をおこない個体への負担を減らすことを工夫し、霊長類学の新展開を図ることも検討しています。研究所の大きな使命のひとつに共同利用研究があります。2010年度に共同利用・共同研究拠点として承認され、「霊長類学総合研究拠点」として教育研究を推進しています。2012年度の中間評価で高い評価をいただきました。拠点事業に参加してくださった方々の努力の賜物です。海外からの申請にも門戸を開いており、現在では11件を採択し、拠点の国際化を進めています。さまざまな分野の研究者が共同でおこなう研究を推進し、研究者ネットワークの国際的・学際的・人際的拠点を形成しています。 国際化戦略として2010年に国際共同先端研究センターを設置し、米・英・加からの教員を採用するとともに、大学院に国際コースを設けグローバル化を推進してきました。現在、所内に所属する海外国籍の方の比率が教員10%、大学院生30%、研究員43%となっています。大学院教育は理学研究科に所属し、霊長類学・野生動物系としておこなっています。昨年度(2013年度)リーディング大学院プログラム「霊長類学・ワイルドライフサイエンス」が採択されました。従来の大学院教育とは異なる視点をもって推進するもので、プログラムの出口は研究者にこだわらず「国際機関等の職員」「博物館・動物園・水族館のキュレーター」「一国アウトリーチ活動の実践者」を目指します。もちろん、研究所の使命である霊長類学の研究者養成は、これまで通り研究所の根幹の教育として揺るぎなく進めてまいります。 今後も霊長類学研究の発展に鋭意努力する所存です。皆様からのご意見ご支援をこれまで以上に賜わりますよう、よろしくお願い申し上げます。 平成26年4月1日
以前の所長挨拶
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