子どもはオトナ、とりわけ自分の母親にあたるメスが「歯磨き」を行っていると、ほぼ正面にすわって、その行動が終わるまで注目することがしばしばある。私たちはビデオカメラを用いて、そういうシーンを50例、7頭のメスを対象にして収録を行った。また対象条件として同一のメスが、単独で同じように行動するシーンを50例、記録し詳細に行動パターンを比較してみたのだった。
gCOE
Project
教育の起源を探る
正高信男
生物は遺伝的な多様性を発現することを通じて、様々な環境条件に適応した種を進化させてきた。そして進化の過程でやがて、さまざまな環境の変異に応じて、柔軟に適応できる個のレベルでの多様性が誕生することとなる。
もちろん多様な個体性というものが発達するためには、個それぞれが生活する環境の情報を取り込むことが不可欠である。通常、学習と呼ばれる過程がこれに当たる。そして個にどこまで可塑性にとんだ学習能力が備わっているかは、予め限定されている。この多様性を可能にする遺伝的基盤の進化を研究するため、野生霊長類が集団のレベルで行う道具使用行動が、世代から世代へ伝達されていくメカニズムの解明を行ってきた。
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"Free-Ranging Macaque Mothers Exaggerate Tool-Using Behavior when Observed by Offspring" by N.Masataka, H.Koda, N.Urasopon, K. Watanabe PLoS one 4(3) e4768
グローバルCOEプログラム「生物の多様性と進化研究のための拠点形成−ゲノムから生態系まで」は、京都大学大学院理学研究科生物科学専攻(動物学系・植物学系・生物物理学系)、京都大学生態学研究センター、京都大学霊長類研究所によって運営されています。
「生物の多様性と進化研究のための拠点形成−ゲノムから生態系まで」 Link
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