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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-24-005-2

野生ボルネオ・オランウータンの繁殖に関する研究

報告者:久世 濃子

期間:2013/1/14 - 2013/1/21

 申請者は、2種3亜種に分類されているオランウータンの中でも、最も出産間隔が短い可能性が指摘されている亜種、Pongo pygmaeus morioの野生個体を対象として、初産年齢、出産間隔、乳児死亡率などの繁殖パラメータを明らかにすると共に、これらのパラメータに影響を与える要因を特定することを目的に研究を行っている。申請者が2005年より継続して調査を行っているダナムバレー自然保護区では、2011年に出産して育児中の雌が3頭、2012年7月に出産した雌が1頭、2012年7月時点で妊娠可能な雌が1頭いたので、これらの雌の追跡調査と出産及び子の生存状況に関するデータを収集するために渡航した。

 1月15日はコタキナバルにて、サバ州生物多様性センターとサバ州野生生物局を訪問し、ホルモン分析の為にオランウータンの尿サンプルを日本に持ち帰る許可に関する審査状況を確認したが、許可が出るのは3月以降になるだろうとの返答だった。 1月16日~1月20日に調査地であるダナムバレー森林保護区に滞在し、現地調査助手とともに3日間、オランウータンの追跡調査及び落下果実センサスを行った。2010年~2012年に出産した母子4組について、全ての母子が健康であることを確認した。未経産の若い雌1頭が新たに妊娠していることを確認した。また妊娠可能と推定されている経産雌1頭については、未だに妊娠していないことを確認し、雌の繁殖状況を確認するという調査の目的をほぼ達成することができた。  


妊娠した若雌


雌の膨張した大陰唇(妊娠の徴候)

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