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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-24-002

ゲノム比較・分子生物学に基づいた霊長類の嗅覚研究

報告者:松井 淳

期間:2013/1/28 - 2013/2/15

 申請者らは霊長類を含む哺乳類ゲノムデータから嗅覚受容体遺伝子を網羅的に同定し、その相同性比較解析から種特異的な遺伝子および普遍的に保存されていると考えられる遺伝子を同定した。嗅覚受容体は嗅覚に関わる器官のみに発現しているわけではなく、様々な臓器で体内の環境をモニタリングするセンサーとして働いていることも示唆されている。これらの嗅覚に関わる受容体がどんな物質を受容するのか分子生物学的な研究によって明らかにする必要があるために、嗅覚受容体の機能解析において世界的な研究者であるDuke Universityの松波博士の研究室を訪問した。さらに、最新のゲノム解析のために Shedlock博士、嗅覚器官の形態学的研究と分子進化研究のために Steiper博士の研究室を訪問する必要が生じた。

 Duke Universityの松波博士の研究室では、嗅覚受容体の機能アッセイについて最新の研究手法を見学した。また申請者の研究結果について意見交換した。Duke Universityに付属するDuke Lemur Centerでは匂いに対するキツネザルの行動学的研究を見学し、Dr. Dreaと旧世界ザルの鋤鼻器およびフェロモン感覚について意見交換した。 College of CharlestonのShedlock博士の研究室では、ゲノムにおける反復配列の解析について学んだ。また海洋生物学における分子進化研究について見聞をひろめた。City University of New YorkのSteiper博士の研究室では、哺乳類の嗅覚にかかわる器官の形態学的な研究による研究成果を、我々の研究とあわせて議論するために訪問した。進化霊長類学ニューヨークコンソーシアム(The New York Consortium in Evolutionary Primatology:NYCEP)の機関のひとつであるAmerican Museum of Natural Historyを訪れ霊長類の嗅覚器官の組織学的研究を見学した。派遣先研究機関では世界各地の研究者による数多くのセミナーが開かれ、それらに出席することで最新の研究にふれることができた。


Duke Lemur center


Olfaction of lemurs

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