English report
AS-HOPE 事業報告
事業番号:AS-23-019-2
野生ボルネオ・オランウータンの繁殖に関する研究
報告者:久世 濃子
期間:2012/2/12 - 2012/2/19
申請者は、2種3亜種に分類されているオランウータンの中でも、最も出産間隔が短い可能性が指摘されている亜種、Pongo pygmaeus morioの野生個体を対象として、初産年齢、出産間隔、乳児死亡率などの繁殖パラメーターを明らかにすると共に、これらのパラメータに影響を与える要因を特定することを目的に研究を行っている。申請者が2005年より継続して調査を行っているダナムバレー自然保護区では、2010年に出産して育児中の雌が1頭、2011年2月に第一子を出産した若雌が1頭、2011年5月に出産した経産雌が1頭、2011年11月時点で妊娠可能な雌が2頭いたので、これらの雌の追跡調査と出産及び子の生存状況に関するデータを収集するために渡航した。
2月13日にコタキナバルで、共同研究者であるサバ州野生生物局オフィサーのPeter Malim氏と面会し、今後の調査研究について打ち合わせした。2月14日~2月17日に調査地であるダナムバレー森林保護区に滞在し、現地調査助手とともに2日間、オランウータンの追跡を行うと共に、2011年12月~2012年1月に調査助手が収集した観察記録、ビデオ、写真を確認した。2010年~2011年5月に出産した母子3組については、母子ともに健康であることを確認した。また2011年に産まれたコドモ2頭の性別がようやく確認できたので、名前をつけた。2011年11月の時点で妊娠可能だった雌2頭については、健康だがまだ妊娠していないことを確認した。以上により短期間の調査であったが、雌の繁殖状況を確認するという調査の目的をほぼ達成することができた。2月18日にはサバ大学のHenry Bernard博士を訪問し、今後の調査計画について打ち合わせする予定だったが、。身内に不幸があったとのことで、急にキャンセルとなった。
2011年5月に生まれた子と母親
発情雌
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