English report
AS-HOPE 事業報告
事業番号:AS-22-001
ヒト脳機能マッピング学会大会で発表して情報収集を行うとともに、イメージング研究者に助言を求める。
報告者:倉岡 康治
期間:2010/06/05 - 2010/06/12
本研究の目的は、金銭的な報酬を得る上で他者が情報を与えてくれる場合、その情報が有益であるかそうでないかという経験によって、その他者に対する信頼度が変化するかを確認するとともに、その際の脳神経基盤を明らかにすることである。申請者はこの種の研究を初めて行ったため、解析法やデータの解釈において、著名なニューロイメージング研究者からの助言を得る必要性を感じていた。ヒト脳機能マッピング学会大会は脳機能イメージング研究で国際的に著名な研究者が一堂に集うため、有用な助言を得ることが期待できた。さらにバルセロナ大学の Camara 博士とRodriguez-Fornells博士はこれまでに報酬獲得に関わるヒト脳基盤に関する興味深い研究を発表しているため、本研究の解析を進める上で、是非議論を交わしたいと考えていた。今回はヒト脳機能マッピング学会大会がバルセロナで開催されたため、バルセロナ大学を訪問するとともに学会大会にも参加できる良い機会であった。そのために今回の派遣が必要であった。
ヒト脳機能マッピング学会大会に参加して、他者の信頼度の更新に関わる神経基盤の解明を目指す研究に関する成果発表を行った。本学会は、脳機能イメージング研究で国際的に著名な研究者が一堂に集う大会であり、最先端の研究成果や解析法などの情報収集を行うとともに、多くの海外の脳機能イメージング研究者と議論し、本研究の成果に対して助言を求めることができた。Camara博士とRodriguez-Fornells博士が今回報告したように、報酬に関連した腹側線条体の賦活が見られない点については、今回の研究成果は報酬そのものの獲得における脳活動を記録したものではないという説明で納得が得られた。一方で、今回は他者の視線を用いているため、心の理論との関係を議論すべきであるという指摘を受け、今後は心の理論に関連する脳領域(側頭頭頂接合部など)に関心領域を設定した解析の必要性を感じた。他にも、脳機能イメージング研究の新しい解析法を見聞きすることもでき、本大会への参加は非常に有意義であった。
16th Annual Meeting of the Organization for Human Brain Mapping
poster
AS-HOPE Project<>
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