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訃報 西田利貞先生
昨日、6月7日、西田利貞先生の訃報に接しました。
東京大学助教授、京都大学教授を歴任し
財団法人日本モンキーセンターの所長をなさっていました。
この間、日本霊長類学会長、国際霊長類学会長、
プリマーテス誌編集長として、学界の発展に著しい貢献をなさいました。
野生チンパンジー研究の第一人者であり、
タンザニアのマハレ国立公園のチンパンジーの研究を
主導してこられました。チンパンジーの社会構造を解明したご研究は、
日本の霊長類学の金字塔といえるでしょう。
そうした先生のご業績に対して、
中日文化賞、ジェーングドール賞、リーキー賞などが授与されています。
京都大学霊長類研究所では、その運営委員を第9期から20期まで、
20余年間の長きにわたってつとめ、
研究所の運営について貴重なご助言を賜りました。
野生チンパンジー研究を現場で指揮し、多くの論文や著作をてがけ、
世界的第一人者であるとともに、後進の育成に努めてこられました。
西田先生の薫陶を受けた研究者は枚挙にいとまがありません。
享年70歳。逝くには早すぎる年齢です。
学問を志す者の手本として、
さらなるご活躍を期待していました。
ここに、西田利貞先生のご逝去を悼み、
霊長類研究所の所員一同を代表して、
謹んで哀悼の意を表します。
京都大学霊長類研究所
所長、松沢哲郎
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