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京都大学霊長類研究所 年報
Vol.42 2011年度の活動
Ⅷ. 共同利用研究
1. 概要
平成23年度の共同利用研究の研究課題は以下の4つのカテゴリーで実施されている。
A 計画研究
B 一般個人研究
C 一般グループ研究
D 随時募集研究
共同利用研究は、昭和57年度に「計画研究」と「自由研究」の2つの研究課題で実施され、昭和62年度からは「資料提供」(平成14年度から「施設利用」と名称を変更、さらに平成20年度から「随時募集研究」と名称を変更)を、平成6年度からは「所外供給」(平成14年度から「所外貸与」と名称を変更し、平成15年度で終了)が実施された。さらに平成23年度からは「自由研究」を「一般個人研究」と「一般グループ研究」に分け、4つのカテゴリーとなり現在に至っている。それぞれの研究課題の概略は以下のとおりである。
「計画研究」は、本研究所推進者の企画に基づいて共同利用研究者を公募するもので、個々の「計画研究」は2~3年の期間内に終了し、成果をまとめ、公表を行う。
「一般個人研究」および「一般グループ研究」は、「計画研究」に該当しないプロジェクトで、応募者(研究所外の複数の研究室からの共同提案によるものは一般グループ研究)の自由な着想と計画に基づき、所内対応者の協力を得て、継続期間3年を目処に共同研究を実施する。
「随時募集研究」は、資料(体液、臓器、筋肉、毛皮、歯牙・骨格、排泄物等)を提供して行われる共同研究である。
なお、平成22年度から、霊長類研究所は従来の全国共同利用の附置研究所から「共同利用・共同研究拠点」となり、これに伴い、共同利用・共同研究も拠点事業として進められることとなった。
加えて、東北地方太平洋沖地震および関連事象により研究等の継続が困難になった方を対象に、震災関連募集枠も臨時に設定した。
平成23年度の計画課題、応募並びに採択状況は以下のとおりである。
(1) 計画課題
1.旧世界ザルの変異性と進化に関する多面的アプローチ
実施予定年度 平成21年度~23年度
課題推進者:高井正成,西村剛,江木直子,マイク・ハフマン
旧世界ザル類(オナガザル科)はオナガザル亜科とコロブス亜科の二つのグループからなるが、その形態・食性・行動パターンには大きな変異が存在する。こういった旧世界ザル類の多様性とその進化に関して形態学や同位体分析などの多面的な分野・手法を用いてアプローチする。
2.行動特性を支配するゲノム基盤と脳機能の解明
実施予定年度 平成23年度~24年度
課題推進者:高田昌彦,中村克樹,平井啓久,今井啓雄,郷康広
ヒトの精神・神経疾患に関連するリスク遺伝子の発現をマカクザル等で網羅的に検索し、自然発生的遺伝子変異モデルの探索と人為的遺伝子改変モデルの開発をとおして、行動特性を決定するゲノム、ゲノムが制御する脳機能、脳機能が規定する行動特性を明らかにする。
(2) 応募並びに採択状況
平成23年度はこれらの研究課題について、103件(246名)の応募があり、共同利用実行委員会(今井啓雄、古賀章彦、田中洋之、辻大和、宮地重弘)において採択原案を作成し、共同利用専門委員会(平成23年2月25日)の審議・決定を経て、拠点運営協議会(平成23年3月7日)で了承された。
その結果、102件(245名)が採択された。
各課題についての応募・採択状況は以下のとおりである。
課題 |
応募 |
採択 |
計画研究1 |
5件 |
( 7名) |
5件 |
( 7名) |
計画研究2 |
5件 |
( 12名) |
5件 |
( 12名) |
一般個人研究 |
63件 |
( 135名) |
62件 |
( 134名) |
一般グループ研究 |
8件 |
( 37名) |
8件 |
( 37名) |
随時募集研究 |
21件 |
( 48名) |
21件 |
( 48名) |
震災関連 |
1件 |
( 7名) |
1件 |
( 7名) |
合 計 |
103件 |
( 246名) |
102件 |
( 245名) |
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