AS-HOPE 事業報告

事業番号：AS-24-S001

ユーラシア大陸における旧世界ザル類の進化に関する古生物学的研究

報告者：高井 正成

期間：2012/6/4 - 2012/6/17

　2001年からミャンマー中央部の新生代後半のイラワジ層を対象に霊長類化石の発見を主目的とした発掘調査を行った結果、2009年にグウェビン地域に於いてSemnopithecus属（ハヌマンラングール）と思われる旧世界ザル化石を発見することに成功した。このグウェビン地点の霊長類を含む化石動物相の記載と地質調査のため、現地を再訪問し、これまで見つかっていた化石種の同定作業を行う必要があった。

　指導学生の西岡佑一郎氏と共にミャンマー中央部のグウェビン村を訪問し、古生物学的調査を行った。現地の柱状図を作成し、ESR（電子スピン共鳴法）年代測定のためにウシ科動物の歯の破片をサンプリングした。またコロブス類化石が見つかっていたMgMg 1地点の堆積物を対象に水洗・篩い分け作業を行い、霊長類・齧歯類・兎形類などの小型哺乳類化石を多数発見した。続いてヤンゴンの考古局に移動し、これまでに見つかっていた哺乳類化石の整理と、今回の調査で新たに発見した化石の同定・計測・写真撮影などの作業を行った。

考古局保管の化石収納箱


現地地質調査と土砂の採取


土砂の水洗篩い分け

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