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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-24-G004

ボルネオでの野生オランウータン観察

報告者:小寺 郁実

期間:2012/11/19 - 2012/11/27

 ポケゼミ等で、飼育下の動物を観察する機会は何度かいただいた。しかし動物への理解を深めるためには、野生状態での観察をすることが不可欠である。今回、オランウータンを始めとする霊長類・その他動物の、野生での日常生活を実際に観察し、私たちもその周辺で生活することで、動物の野生でのあり方とその周辺環境を実感・理解するため、マレーシア・ボルネオでの観察実習を行った。

 実習は5日間行った。午前・午後は、豪雨の時以外は熱帯雨林に入りオランウータンやその他動物の観察を行った。日没後は、一部トラックに乗り、もしくは徒歩で、宿周辺の森の中と大通り周辺で夜の動物の過ごし方を観察した。今回の主目的はオランウータンの野生状態での観察だったが、実際に3組の親子と青年期の個体に出会えた。基本的に母親一人と子ども一人で行動することが多いが、特に1組の親子については、1日の最後の活動である就寝前の巣作りまで見ることができた。親と、1歳前後の子の日常生活を数十メートルの距離で観察し、彼らの関わり合い方、距離感を実感した。また、別のところから同じ個体を観察していた観察経験豊富なガイドからは、巣の中での親子の詳しい様子や、オランウータン全般の親子関係・夫婦関係についての実情を伺うことができ、私達の観察した親子の心の交錯ぶりを改めて推し量ることとなった。その他霊長類として、レッドリーフモンキーの集団の生活を、非常に近距離で観察することもできた。どの大人とどの子どもが親子関係なのかはわからなかったが、彼らは共同体単位で動き、オスもいて、子ども同士で遊ぶ姿も多く観察された。同じところで生活していてもその生活様式が全く異なる霊長類2種類を観察することができ、非常に有意義だった。また、訪問時期の熱帯雨林は非常に食料に乏しく、オランウータンやサイチョウなどの様々な種類の動物が、実をつけている数少ない木に集まり生活するのを観察し、彼らの生活環境の実態をひしひしと感じた。

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