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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-24-G001

「霊長類を見るケニアの野外学校」への参加

報告者:柳澤 章広

期間:2012/7/30 - 2012/8/28

 霊長類の野外観察や講義、文献購読および霊長類学と保全生物学における重要な概念に関する議論を通じて、霊長類の行動学や生態学における重要な概念を確認し、霊長類の行動および生態学的データ収集法について学ぶ。野外学校ではフィールドワークのトレーニングと実践を行う。霊長類の個体数調査法、社会行動と生息場所利用、動物識別の訓練、特定個体の追跡観察によって、行動の時間配分を測定・分析する方法も学ぶ。

 野外学校は、タナ川国立霊長類保護区とライキピア高原そしてムギ牧場という3つの生態学的に異なる地域で実施された。タナ川霊長類国立保護区は海外地方に位置し乾燥した熱帯雨林生態系を有しており、希少な固有種であるマンガビーやレッドコロバスなどの霊長類を観察できた。ここでは各学生が研究内容を設定して課題に取り組んだ。ケニア中央部に位置するサバンナ生態系のライキピア高原では、ケニヤサファリクラブの動物保護区を訪問した。そこでボンゴやそのほかの霊長類・有蹄類を観察するとともに、それらのリハビリも観察した。さらに、スイートウォーターチンパンジー保護区では、保全と野生生物管理戦略について学習し保護されているチンパンジーを観察した。ムギ牧場では主に野生下の有蹄類を観察し、生息場所や個体数の調査を練習した。また系統的な植生の調査方法を学習し、GPSを使用して研究も実施した。

  動物観察以外にも自然保護という観点から民族文化保存戦略や生物多様性保護、発展途上国の経済について学んだ。期間中を通してこれらの議題に関して、いくつかの論文を参考にしてデスカッションを行うとともに講義を受け、発展途上国であるケニアでの人間と動物の共存について考えを深めた。参加していた多くは米国の学生であったが、ケニアやロシアの学生も参加しており、活発な文化交流もできた。さらに意見を英語で交わし合うことで語学学習にも大いに役立った。霊長類学を志す海外の学生とのつながりは今後の自分の研究を豊かにしてくれるものと信じる。
 期間中はラトガース大学のJack Harris教授やIPR,KWSのスタッフのサポートを受けた。ここに記し謝意を表します。


Tana River Red Colobus


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