English report
AS-HOPE 事業報告
事業番号:AS-24-023
第14回国際行動生態学会参加・発表および感覚生態学に関する情報収集
報告者:澤田 晶子
期間:2012/8/10 - 2012/8/19
ニホンザルのキノコ食行動における嗅覚・味覚の役割について幅広い分野から知見を得るため、今回の派遣を必要とした。ニホンザルは、手に取ったキノコをにおったりかじったりした後に捨てることがあり、食べる・食べないを判断するにあたり嗅覚や味覚が重要な役割を果たしていると考えられる。ゆえに、感覚生理学および学習心理学の研究成果が数多く発表される国際行動生態学会(International Behavioral Ecology Congress)に参加し情報収集を行なうことは大きな意義があると考えられた。
スウェーデンのルンド大学で開催された第14回国際行動生態学会に参加し、”Mycophagy among Japanese macaques: how do they avoid poisonous mushrooms?”と題した研究成果をポスター形式で発表した。当該学会は、哺乳類のみならず鳥類・爬虫類・両生類・昆虫研究者が一堂に会する貴重な機会である。とりわけ今回は行動生態学および感覚生理学の研究で有名なルンド大学での開催ということもあり、毒キノコ回避における味覚と記憶の役割について興味を示してくれる参加者が多く、活発な意見交換の場を持つことができた。中でも、ニホンザルは有毒種を多く含む特定のキノコ属を避ける傾向があるという我々の研究結果に対し、警告色と採食行動の専門家であるCandy Rowe博士から貴重な助言をいただけたことは、本研究を発展させていく上で非常に有益であった。また、学会最終日には動物行動学の世界的権威であるJohn Krebs博士によるHamilton lectureを聴講することができ、行動生態学を志す者として大いに刺激を受けた。
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