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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-24-013

音響的手法を用いたアマゾンカワイルカの行動解析

報告者:佐々木 友紀子

期間:2012/10/16 - 2012/11/8

アマゾンカワイルカは、人間活動の影響から絶滅が危惧され、その行動生態を明らかにすることは急務となっている。しかし、水中に生息する彼らの行動を直接観察することは難しく、彼らの行動生態はよくわかっていない。本研究では、野生下のハクジラ亜目がエコーロケーションのために発するクリックスに着目し、彼らの水中行動を音声から解明することを目的とした。本目的を遂行するために、ブラジル・アマゾン河に生息するアマゾンカワイルカ野生個体群において音声・行動データの取得を行うことを必要とした。また、滞在期間中に野生動物研究センターとINPAが共同で開催したワークショップ(1st International Network Workshop on Tropical Biodiversity Conservation)で、本研究について発表し、現地の研究者と意見交換を行うことで、本研究をより発展させることができると考えた。

 16日にブラジル、マナウスに到着後、国立アマゾン研究所(INPA)でVera da Silva博士と研究打ち合わせを行った。23,24日には国際ワークショップに出席し、“Underwater behavior and habitat use of Boto (Inia geoffrensis) recorded by passiveacoustic methods”というタイトルで口頭発表を行い、現地のアマゾンカワイルカ研究者と有意義な意見交換をすることができた。特に、アマゾンカワイルカの混獲防止などの切迫した課題に対して、本研究の手法が現地で強く求められていることがわかり、今後の共同研究として発展させていく糸口ができた。25日からは他の日本からの参加者とともに、アマゾン河のアマゾンカワイルカ調査地やINPAの所有する実験林であるAdolpho Duckeの現地視察を行った。その後は、またINPAで研究打ち合わせと来年度に向けた予備調査を行った。アマゾンカワイルカ調査地の視察と予備調査では、音響データロガーを用いたアマゾンカワイルカのクリックスの録音に成功した。このデータについては現在分析を進めている。


国際ワークショップでの発表の様子


アマゾンカワイルカのクリックス録音の準備中の様子。
透明チューブの中に録音機器が入っている。

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