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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-23-040

ウガンダ共和国カリンズ森林保護区に棲息する野生霊長類の寄生虫調査

報告者:江島 俊

期間:2012/1/4 - 2012/2/29

 申請者は霊長類消化管内寄生性蠕虫の系統関係を調べる研究を行っている。ウガンダ共和国カリンズ森林保護区では、6種類の昼行性霊長類が同所的環境に棲息しており、狩猟圧が低く、現地トラッカーの継続的な調査により人馴れしている。このような環境で霊長類の体内寄生虫分布を調べることにより、寄生虫の分布に影響を及ぼす生態学的要素を知ることが出来る。また本研究で得られる寄生虫の新しい分子系統学的知見は、霊長類と寄生虫の進化を考える上でも大変興味深い。

 2012年1月7日から2月26日の間、ウガンダ共和国カリンズ森林保護区に滞在し野生霊長類の消化管内寄生性蠕虫の調査を行った。調査対象宿主はカリンズ森林に棲息する昼行性霊長類6種(レッドテイルモンキー、ブルーモンキー、ロエストモンキー、チンパンジー、シロクロコロブス、アヌビスヒヒ)とした。調査の内容はまずトラッカーと共に対象の霊長類を追跡し、排便が見られたら直ちに糞便を採集した。得られた糞サンプルは当日中に重量を測定し、小型顕微鏡を用いて簡易沈殿法、ショ糖浮遊法による虫卵数計測を行い記録した。余った糞サンプルは50mlポリスチレンチューブに入れ70%エタノールで保存し、合計165サンプルを日本へ持ち帰った。一部の糞サンプルでは普通寒天培地法を用いてシャーレを日本に持ち帰り、孵化した幼虫からより詳しい同定を行い、またDNA解析用の材料とした。帰国後間もなくして調査中に得られたデータから、最も普遍的に見られた寄生虫3属の分布状況を社会生態セミナーにて発表した。今後エタノール入りのサンプルを用いてより詳細な虫卵観察及び虫卵数計測、更には虫卵と培養した幼虫から抽出したDNAより寄生虫の系統解析を行い、修士研究論文にまとめる予定である。


Anubis baboon appeared in human habitation


Fecal analysis


Oesophagostomum sp. from agar culture

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