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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-23-025

野生チンパンジーの観察トレーニング及びサバンナで暮らす動物の観察

報告者:櫻庭 陽子

期間:2011/8/17 - 2011/8/26

 近年、飼育下動物に対して動物福祉に配慮した飼育の重要性が叫ばれている。特に高齢や病気などによってハンディキャップを持った動物の介護やリハビリについては特別な配慮が必要にも関わらず、あまり研究が進められていない。現在霊長類研究所には、脊髄炎によって四肢が不自由になり、リハビリをおこなっている1個体のオスチンパンジー(現29歳)が暮らしている。報告者本人の研究では、正常なチンパンジーとハンディキャップを持つチンパンジーの間にどれほど行動の開きが存在しているかを明らかにし、飼育下野生動物のリハビリの可能性について追求していくことを目的としている。まずは、飼育下チンパンジーと野生チンパンジーの行動学的指標(行動時間配分、行動レパートリーなど)を採取し、ハンディキャップを持つチンパンジーと比較することによって、段階的な評価基準を設けリハビリの効果を順次示していくことが可能になると考えている。 しかし報告者本人は野生のチンパンジーの観察をおこなった経験がない。そこで、50年以上に渡って野生チンパンジーの観察が進められているタンザニアのゴンベ国立公園において、野生チンパンジーの記録・観察技術の向上を図った。 また、動物園などで飼育されている動物の福祉向上のための知見を広げることを目的として、セレンゲティ国立公園において、サバンナで暮らす動物の観察もおこなった。

 ゴンベ国立公園で暮らす3つのチンパンジーの群れ、Kasekera群(60頭以上)、北群(26頭)、南群(13頭)の内、Kasekera群を2日間観察した。観察できた行動は、採食、休息、移動(木に登る・降りる、ブラキエーション、ナックルウォーク)、社会行動(毛づくろい、遊び、ディスプレイ、挨拶など)の基本的な行動のほかに、シロアリ釣り、ヤシの葉の茎(隋)を食べる、離合集散、母子交換での移動も観察できた。母子交換での移動では、GREMLINがGLITTERの子を、GLITTERがGREMLINの子を抱いて少しの間移動していた(GREMLINはGLITTERの母親である。)。今回観察できたチンパンジーは20個体であった。記録は主に一眼レフ(静止画)を用いたが、詳細な行動データを採取するには、ノートによる記述とビデオカメラによる動画が必要である。 セレンゲティ国立公園では、2日間で40種以上の哺乳類及び大型鳥類が観察できた。単独で行動するヒョウ、若いオスライオン、数頭~10頭で行動するライオン、ハイエナ、トピ、20頭前後で行動するゾウ、キリン、シマウマ、ハーレムを作るインパラ、ガゼル、数千~数万で行動するバッファロー、ヌーなど、群れの規模や形態が種によって異なることがよく理解できた。またヌーとシマウマ、ヌーとガゼル、キリンとシマウマ、ワニとカバなど、共生の様子も観察することができた。


セレンゲティ国立公園 ヌーとシマウマの群れ



ゴンベ国立公園 遊んでいるチンパンジーのコドモ



ゴンベ国立公園 採食するチンパンジーのコドモとオトナ


AS-HOPE Project<>