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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-23-009

ゾウの触覚に関する行動学的研究

報告者:安井 早紀

期間:2011/7/15 - 2011/9/16

 派遣研究者は、ゾウの個体間交渉に興味を持ち、特に接触行動に焦点を当てて行動観察を行うことを希望していたが、国内の動物園は飼育頭数が少なく、複雑な社会行動に関する研究をするには限界がある。タイ国内には多くのエレファントキャンプがあり、多くのゾウがゾウ使いたちと共に生活しているため、詳細な観察が可能である。また、訪問したJosh Plotnik博士からゾウの行動やデータ収集の方法を学ぶことも可能であった。さらに、インドには世界でも数少ない野生のアジアゾウの行動調査が行われている調査地がある。訪問した研究者のSukumar博士は、長年野生ゾウの生態や行動などの研究を行ってきており、同博士の研究室には野生ゾウの研究を行っている学生もいるため、数少ない野生アジアゾウの調査地を訪れることも可能であった。以上のような理由から、タイとインドにおいて様々な調査地を訪ね調査地を視察すると共に、行動のデータを収集することを目的とした。

 まず、タイのゴールデントライアングルにあるエレファントキャンプを訪問した。ここでは約30頭のゾウがゾウ使いと共に生活しており、キャンプ内にある放飼場にゾウを放してもらって、個体間交渉の観察を行った。Plotnik博士からはゾウの行動や音声について学び、研究についての打ち合わせも行った。また、同博士が行っていた鏡像自己認知に関する実験や、協力行動に関する実験を手伝いながら、ゾウの行動を観察した。さらにスリンにある別のエレファントキャンプを訪れ、キャンプの責任者やゾウ使いたちと打ち合わせを行った。  インドでは、バンガロールにあるインド科学大学の生態学センターを訪問し、Sukumar博士や、同博士の研究室でゾウの研究をしている学生と話し合いを行った。その後チェンナイにあるアリグナル・アンナ動物園で観察を行った。放飼場が広く、園路からの観察には限界があったが、途中からは放飼場の中に入って近くで観察することができた。最後に、ムドゥマライ国立公園に行き、野生ゾウの観察を行った。国立公園内の道路からのみの観察だったため長時間の観察はできなかったが、比較的近い距離で観察することも可能であった。


Elephant camp in Golden Triangle


Wild elephants in Mudumalai

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