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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-22-G010

野生チンパンジーの観察と野外研究のためのトレーニング

報告者:徳山 奈帆子

期間:2010/12/22 - 2011/01/10

報告者は、群れ生活を行う動物の個体間の社会交渉について研究を行いたいと考えている。研究対象として、ヒトと系統的に近く、離合集散という、群れ生活を行う動物においては特異的な個体間関係をもつと考えられるボノボとチンパンジーを考えている。
個体間の社会交渉について研究を行うにあたり、観察条件や人慣れの程度など、調査地や調査対象群の選択は非常に重要であるため、実際に現地のチンパンジーを観察することが必要であった。また、修士・博士課程で長期の野外調査を行うにあたり、野外調査のトレーニングを受け、経験を積むことが必要であったため。

報告者は、カリンズ森林で、60頭程度からなるM群、隣接する20頭程度からなるS群と、大きさの異なる2群のチンパンジーを合計7日間観察した。野外研究のトレーニングとして、群れを発見後、個体追跡を行いながらフィールドノートに個体の行動を記録した。1時間の間に観察された個体数と個体名を記録するone hour party 法にて、その時間帯のパーティサイズ、構成を推定した。採食の際のワッジング、交尾行動、肉食行動、レインダンスといった、チンパンジーの様々な行動を観察することができた。
カリンズ森林では、ロエストモンキーの観察も1日行った。異なる2集団の出会いと、お互いに警戒音を発する場面を観察することができ、集団間の敵対的な関係が推測された。
調査期間中1日、クイーンエリザベス国立公園内の、チンパンジーの生息地である草原に囲まれた川辺林を訪問した。チンパンジーの直接観察はできなかったが、チンパンジーの生息環境の多様さを実感することができた。
今回の観察経験は、報告者が今後行う野外調査、テーマ設定に大いに役立つと思われる。







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