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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-22-033

インドネシアの更新世の霊長類を含む哺乳類化石群集の解析

報告者:荻野 慎太郎

期間:2010/08/22 - 2010/08/28

インドネシア,ジャワ島およびフロレス島の新生代堆積物からは人類化石を含め、多くの哺乳類化石が産出する.また,予備的な報告では猿類化石も産出していることがわかっている.現在、国立科学博物館の海部陽介博士によりサンブンマチャン,サンギラン,ガンドン等の原人について研究が進められているが,共産する脊椎動物化石についてはまったく整理されていない状況である.これらの分類学的、形態学的研究を行うことにより,人類の生活していた動物相の詳細な検討が可能となる.動物相の解析は古環境を解析することが可能となるため,本研究は古生物学的・古霊長類学的研究の進展のみならず,人類学の分野においての貢献も期待される.本件において申請者は,個々の分類群が比較的広範囲に分布していた食肉類全般を直接観察し,種レベルの解析を行うことによって古環境の解析を試みた.また,ミャンマーや中国南部の東南アジアの化石霊長類とそれを含む動物相の解析が進む中、東南アジアの島嶼部における大陸との関連性を調べる必要性も今後高まることが考えられるため,予備的な調査を行う必要もあった.

インドネシア,ジャワ島の人類化石発掘現場から共産する哺乳類化石を収蔵するバンドン地質研究開発センターにおいて,種の同定ならびに標本観察を行った.
近年行われているジャワ島の発掘調査で得られた標本群は大まかな分類に止まっているため,人類が生息していた当時の古環境解析に有用なこれら哺乳類化石の同定・記載が行われる必要がある.サンブンマチャン,サンギラン,ガンドン等の原人と共産した哺乳類相のデータを収集し,今後はこれらをユーラシア大陸の化石と比較,検討する.
主として分担した食肉類標本の検討では小型種の分類がほとんど行われておらず,一部で霊長類との混同も見られた.また,後期更新世の標本の中に,これまで現生でしか知られていないテン類およびスカンク類が含まれていることがわかった.大型種では,ネコ類,犬歯ネコ類,ハイエナ類が識別され,ユーラシア大陸の哺乳類相と直接比較可能なことがわかった.


バンドン地質研究開発センターの標本収蔵庫の様子


ジャワ原人の頭骨標本と,研究対応者のFachroel Aziz博士

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