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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-22-026

飼育ボノボと野生ボノボを対象とした比較認知科学的研究

報告者:山本 真也

期間:2010/05/30 - 2010/09/05

 今後3年間のうちにボノボを日本に初導入する。そのための情報収集が主な目的であった。飼育下ボノボでの実験研究の情報を収集するために米国を、野生ボノボの行動調査をおこなうためにコンゴ民主共和国を訪問した。飼育下ボノボにかんしては、チンパンジーとボノボでの比較認知科学研究をおこなっている米国エモリー大学のフランス・ドゥ・ヴァール教授と同デューク大学のブライアン・ヘア博士を訪問するのが最善であると判断した。野生ボノボにかんしては、そもそもコンゴ民主共和国にしか生息していない。そのため、日本隊によって野生ボノボの長期継続調査がおこなわれている唯一のフィールドであるコンゴ民主共和国・ワンバ村を訪問した。派遣研究者は、これまでにチンパンジーを対象に野外と実験室の両方で研究してきた。ここでのテーマは、社会的知性(利他性・互恵性・他者理解)と文化(道具使用・社会学習)である。これらはチンパンジーとボノボで大きな違いがあることが示唆されている。チンパンジーとボノボがどのように違うのか、なぜ違うのかを明らかにするためには、野生ボノボの行動調査が必要不可欠であった。

 米国では、チンパンジーとボノボでの比較認知科学研究をおこなっているエモリー大学のフランス・ドゥ・ヴァール教授とデューク大学のブライアン・ヘア博士を訪問し、研究の意見交換をおこなうとともにボノボ実験研究のノウハウを学んだ。コンゴ民主共和国では、飼育下と野生の両方でボノボを観察した。ローラ・ヤ・ボノボサンクチュアリーでは、実際の飼育・実験の現場を見ることにより、今後日本に導入する際の体制について構想を練るとともに、共同研究の意見交換もおこなった。ワンバの森では、野生ボノボの観察をおこなった。

 ワンバでは、ボノボの社会関係と物質文化に焦点を当て、食物分配や母子関係、道具使用行動などのデータを収集した。報告者は、これまでチンパンジーを対象に野外と実験室の両方で研究してきた。ここでのテーマは、社会的知性(利他性・互恵性・他者理解)と文化(道具使用・社会学習)である。これらはチンパンジーとボノボで大きな違いがあることが示唆されている。これまでのチンパンジー研究から得た知見と今回得られた野生ボノボのデータを基にして、チンパンジーとボノボがどのように違うのか、なぜ違うのかを、今後の分析で明らかにしたい。







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