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English report

AS-HOPE 事業報告

事業番号:AS-22-007

飼育オランウータンの環境エンリッチメントと行動調査

報告者:山梨 裕美

期間:2010/11/30 - 2010/12/22

マレーシア・ペラック州ブキットメラにあるオランウータンアイランドでは野生復帰を最終目標としオランウータンを飼育している。野生復帰のためには、野生オランウータンの行動レパートリーを発達させ、維持させるということが非常に重要である。そのため、動物福祉の立場から飼育環境を豊饒化させる取り組み(環境エンリッチメント)は保全の観点からも重要だと考えられる。しかしオランウータンにおける環境エンリッチメントに関する研究は例が少なく、さらに野生復帰と関連した研究はおこなわれていない。そこで今回オランウータンアイランドにて種特有の行動をひきだすための環境エンリッチメントと行動調査をおこなうことにした。

2010年11月30日から12月21日の間ブキットメラに滞在し、オランウータンアイランドでの環境エンリッチメントと行動観察をおこなった。今回は夜間を中心に1日の半分以上を過ごす、バックヤードの飼育ケージ内の物理・採食環境を野生に近づけるための試みをおこない、その効果を行動学的に評価することにした。環境エンリッチメントとしては、おとなオス2個体を対象に物理的エンリッチメント(消防ホースまたはタイヤロープをケージにとりつける・ケージの上に新鮮な枝葉を置く)と、採食エンリッチメント(フィーダーとジュースポッドをケージにとりつける)をおこなった。また、これらのエンリッチメントの効果を評価するために行動観察をおこない、環境エンリッチメント前後の行動を比較した。結果、オランウータンはすべてのエンリッチメント用具を使用し、種特有の行動を発現した。観察された行動の例は、フィーダーから食べ物を得るために枝から作った道具を使用する行動や、雨が降った際に枝葉を頭にのせ傘のようにもちいる行動などである。これらの行動は野生オランウータンでみられる行動に類似しており、オランウータンの自然な行動をひきだすことができたと考えられた。今後、採食時間や飼育環境下にて頻繁にみられる常同行動などにも着目して、詳細な分析をすすめていく予定である。


An orangutan used tool to get food from feeder.


An orangutan obtained branches from top of the roof, using fire hose.

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