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第31回日本霊長類学会大会
第31回日本霊長類学会大会が、2015年7月18-20日に京都大学時計台を会場に開催されます。主催者である京都大学リーディング大学院「霊長類学・ワイルドライフサイエンス」(英文名称、Kyoto University Graduate Program in Primatology and Wildlife Science, 略称PWS)を代表して、歓迎の挨拶を一言申し述べます。 リーディング大学院は、文部科学省―日本学術振興会が所轄し、全国で62事業おこなわれています。京都大学には5つあって、全体責任者は山極壽一総長で、オンリーワン型として唯一のものがPWSです。理学研究科生物科学専攻と霊長類研究所と野生動物研究センターという京都大学の3つの部局を主体として、学内外の教員が分担者として参加しています。発足したのが2013年10月1日です。大学院の履修生を受け入れ始めて2年目です。詳細については、ぜひホームページをご覧ください。http://www.wildlife-science.org/ 「霊長類研究」の第1巻1号の冒頭に、「日本霊長類学会の誕生」と題して、学会長の河合雅雄先生が日本霊長類学会設立の経緯を書いておられます。J-stageで公開されていますので、ぜひご一読ください。それによると、1985年7月20日、名古屋市の名鉄グランドホテルで設立総会が開催されました。会員数423名、出席者120名とあります。民間主導型によって新しい学問の形成と発展をみた、と河合先生は表現されています。学会設立30周年にあたるその日に、京都大学で本大会を開催するはこびとなりました。昨年2014年4月1日に、日本モンキーセンターが公益財団法人(理事長:尾池和夫元京大総長)として新たに独自の歩みを始めました。同センターの「プリマーテス研究会」が、本学会の前身といえるでしょう。霊長類学にとって温故知新の機会となるように期待を込めて大会を企画しました。霊長類学の歩みをこの年次大会で確認し、将来を展望する機会にしていただければ幸いです。 本学会大会に引き続いて、7月21-22日に理学部セミナーハウスに会場を移して、第4回霊長類学・ワイルドライフサイエンス・国際シンポジウム(PWS中間シンポジウム)を開催いたします。開かれた集いですので、そちらにもご自由に参加ください。なお、本大会の開催にあたり、学内の霊長類学会会員に実行委員として広く声をかけさせていただきました。いただいたご意見を参考に、例年の学会大会を踏襲することを旨として、リーディング大学院PWSの運営にかかわる支援室を中心にした小規模の運営委員会方式で大会を準備させていただきました。到らぬ点が多々あったと思います。関係各位のご理解とご寛容をお願いするしだいです。 大会長 松沢哲郎 プログラムなどより詳しい情報は、http://www.wildlife-science.org/psj2015/index.html#Public-symposium
公開シンポジウム 『霊長類学の明日』 大型類人猿の長期野外研究からみた人間の本性: チンパンジー、ゴリラ、オランウータン
霊長類の「くらし、からだ、こころ、ゲノム」の研究を通して「人間とは何か」を探求する総合的学問としての霊長類学の歩みを、大型類人猿の長期野外調査から展望したい。日本の霊長類学は、西洋のそれと違って野外研究から起源したところに特徴がある。1948 年12 月、宮崎県の幸島で始まった野生ニホンザルの研究がその嚆矢だ。今西錦司とその仲間たちである。1956 年には、民間の支援を受けて財団法人日本モンキーセンターが設立された。そこを起点に、1958 年には今西と伊谷純一郎が、アフリカに大型類人猿の最初の調査に出た。1962 年に京都大学に人類学の講座が誕生し、当時まだ大学院生だった西田利貞のマハレ山塊での野生チンパンジーの調査が1965 年に始まった。本年は、マハレでの長期継続調査開始から50 年という記念の年にあたる。そうした先人の努力があって1967年には京都大学に霊長類研究所が設置され、1985 年に日本霊長類学会が結成された。今回の特別シンポジウムでは、長期にわたって継続されている大型類人猿の野外調査研究を取り上げることで、改めてこれまでの霊長類研究の流れを振り返り、未来に向けての新たな展望を探りたい。 本シンポジウムでは、世界各地においてチンパンジー、ゴリラ、オランウータンという大型類人猿の長期継続調査をおこなってきた4人の研究者に登壇いただくこととした。それぞれの調査地とそこでの研究の紹介をしていただきたい。さらには、研究成果を踏まえつつより広い視点から、われわれ人間の本性や、その来し方と行く末について語っていただくことを目的とする。 なお,プログラムはすべて英語で行われます。 |