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チンパンジーの頭蓋骨に対する注視行動およびそれを誘導する顔モジュールへの示唆
André Gonçalves, 服部裕子、足立幾磨
概要
チンパンジーは死体をめぐって様々な行動をとるが、同種の骨格に対してどのような反応を示すかはあまり知られていない。我々は、チンパンジーの視覚的注意について、同種の刺激と非同種の刺激(ネコ/チンパンジー/イヌ/ラット)の画像を、異なる角度のものを(正面/斜め/側面)、3種類(顔/頭蓋骨/頭蓋骨状の石)の形状でそれぞれ画面の4隅に同時に表示してテストした。さらに、チンパンジーのみの刺激(顔/頭骨/頭骨型石)に対する視覚的注意も比較した。最後に、チンパンジーの頭蓋骨の特定部位に対する注意力を検証した。チンパンジーの顔と同様の特徴をもつ頭骨は、顔と同様のバイアスがかかって知覚されると仮説した。私たちが仮説した通り、チンパンジーは同属種に関連する特徴をもつ刺激をより注視することがわかった。実験の結果から明らかになった点は以下のとおりである:(i)チンパンジーの頭蓋骨は他種の頭蓋骨よりも有意に注視時間長い(特に前方向きと斜め向きで)、(ii)前方向きと斜め向きでは他種の顔よりも有意に注視時間が長い、(iii)チンパンジーの頭蓋骨や頭蓋骨状の石よりもチンパンジーの顔に対して注視時間が長い、(iv)過去のゾウでの報告と同様に歯に対して有意により長く注視する。このことは、チンパンジーの頭蓋骨には顔に似た特徴があり、それがチンパンジーの脳の領域特異的な顔モジュールを活性化し、注意を誘導している可能性を示唆している。

Ayumu performing an eye-tracking session in the experimental booth.
書誌情報
Gonçalves A, Hattori Y, AdachiI. (2022). Staring death in the face: chimpanzees’attention towards conspecific skulls and the implications of a face module guiding their behaviour. R. Soc. Open Sci.9: 210349. https://doi.org/10.1098/rsos.210349
2022/03/23 Primate Research Institute