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ヨザル(夜猿)のセントロメア領域でのサテライト配列の置換は最近進行した急速な事象であった
Nishihara H, Stanyon R, Tanabe H, *Koga A

背景
・ヨザルは中南米の森に棲む夜行性の霊長類
・昼行性から夜行性に、短期間に移行した
・移行に伴い、視細胞に、夜間視力増強をもたらす微小レンズを獲得した
・微小レンズの成分として、セントロメアDNAが使われた
・それを補うために別の配列がセントロメアDNAになった

結果
・新しいセントロメアDNAは、元のセントロメアDNAで起こった変異型に由来する
・この変異は、ヨザルが他の系統(マーモセットなど)から分岐した後に生じた
・1個の変異型が増幅を重ねて、全染色体に拡散した

意義
・反復配列は従来はガラクタとみなされていたが、機能の発見が最近は続いている
・機能をもつに留まらず、機能の交代や交換もあることが、ヨザルで示された


書誌情報

Nishihara H, Stanyon R, Tanabe H, *Koga A
Replacement of owl monkey centromere satellite by a newly evolved variant was a recent and rapid process
Genes to Cells (2021), doi: 10.1111/gtc.12898
2021/09/27 Primate Research Institute