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中期始新世の北米における環境変動と哺乳類の多様性の遷移
富谷進、Shawn P. Zack, Michelle Spaulding, John J. Flynn
概要

今からおよそ4,800-3,800万年前の中期始新世には、地球規模での気温と降水量の漸進的な降下が各地で動植物の構成を大きく変動させたと考えられています。哺乳類の進化の歴史においても重要な転換期ですが、化石記録が比較的乏しいことから、その遷移の過程については不明な点が多く残されています。



本研究では、1940年代から半世紀近くをかけて米国ワイオミング州ワシャキー盆地で採集され、2013年から3年の歳月をかけて整理された中期始新世の脊椎動物化石5,000点以上の産出データを基盤に、特に肉食哺乳類の標本を詳細に観察し、その多様性の時間的変動を最新の統計手法を用いて解析しました。その結果、これまで同層から知られていた数の倍以上にあたる28種の肉食哺乳類(新種を含む)が確認され、これらを記載報告しました。そして化石標本をもとに食肉目とその近縁グループの系統進化を再検証したところ、中期始新世における北米大陸とユーラシア大陸の間で、これまで認識されていた以上に進化的なつながりがあったことが推測されました。また、この時代に大型化と肉食性により適した歯の形態進化が複数の系統群で起こったこと、そして4,600万年前ごろを境にワシャキー盆地から霊長目が激減したのと時を同じくして、肉食哺乳類の種多様性が大きく減少したことことが明らかになりました。



これらの発見は、この地域での気候変動に伴った森林の減少から予測される生物群系の遷移と一致しており、哺乳類分類群の進化的な運命が樹上性の霊長目を中核とした群集構成を通じて連動していたことを示唆しています。

約4,600万年前の北アメリカ・ワシャキー盆地(現在の米国ワイオミング州南部)の風景(artwork by Adrienne Stroup [https://adriennestroup.wordpress.com/], used with permission)
書誌情報

Susumu Tomiya, Shawn P. Zack, Michelle Spaulding & John J. Flynn. 2021. Carnivorous mammals from the middle Eocene Washakie Formation, Wyoming, USA, and their diversity trajectory in a post-warming world, Paleontological Society Memoir 82 (Supplement to Journal of Paleontology 95): 1-115. 
https://doi.org/10.1017/jpa.2020.74

 

2021/03/26 Primate Research Institute