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ワンバにおける野生ボノボのメスが他集団の子どもを養子にした2事例
Two wild female bonobos adopted infants from a different social group at Wamba Nahoko Tokuyama, Kazuya Toda, Marie Laure Poiret, Iyokango Bahanande, Batuafe Bakaa, Shintaro Ishizuka
概要
徳山奈帆子霊長類研究所助教、戸田和弥同研究員、石塚真太郎同研究員らの研究グループは、コンゴ民主共和国ルオー学術保護区の野生ボノボ集団において、メスが他の集団の子どもを「養子」として受け入れ、世話をした2事例を観察し、その詳細を報告しました。現代のヒトでは様々な動機により、血縁や過去の交友関係のない子どもを養子にすることがありますが、そのようなことは他の動物、とくに集団の輪郭がはっきりしている霊長類ではほとんど見られません。ヒトと進化的に近い大型類人猿において、自らの集団以外からの養子縁組が観察されたのは今回が初めてのことです。 DNA分析により、どちらの事例においても養母と養子の間に血縁関係がないことが分かりました。養母は、養子に対し運搬、毛づくろい、授乳などの養育行動を行い、養母以外の個体も他集団から来た養子を受け入れ、養子への攻撃などは見られませんでした。 PDF
https://www.asahi.com/articles/ASP3L4GTMP3KPLBJ005.html https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/531867 https://this.kiji.is/745311810239627264?c=39550187727945729 https://www.sciencenews.org/article/bonobos-first-great-apes-adopt-orphan-infant-outside-group https://www.thetimes.co.uk/article/apes-adopt-orphans-altruism-parenting-2rzqrp6n2 事例①の養母が、自分自身の子ども(前)と養子(後ろ)の両方を背に乗せて運搬する様子。ボノボの出産間隔は 3-5 年であるため、このように同じような大きさの子どもの世話を 2 頭同時にすることは通常はない。
書誌情報
Scientific Reports DOI:10.1038/s41598-021-83667-2 https://www.nature.com/articles/s41598-021-83667-2 2021/03/19 Primate Research Institute
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