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遺伝分析からみた隣接3集団間におけるボノボのメスの移籍様式
石塚真太郎、戸田和弥、古市剛史
概要
多くの霊長類の集団関係は敵対的である中、ボノボの集団間関係は非敵対的にもなり得ます。とりわけメスたちの親和性は高く、隣接する集団が出会った際、異なる集団のメス間でしばしば毛繕いなどの親和的交渉が見られます。このような非敵対的な集団間関係が見られる背景には、メスが隣接集団間を移籍し、血縁者が隣接集団に共存し合っていることが一因となっている可能性があります。本研究ではDNA分析により、コンゴ民主共和国・ワンバで全個体が識別されている隣接3集団の間で、メスの隣接集団への移籍の事例を同定しました。また、DNA分析の結果と長期観察データを用い、隣接集団へ移籍するメスの割合を推定しました。 分析の結果、3集団の間で少なくとも3例の移籍事例があることが分かりました。また、隣接集団に移籍するメスの割合は60%と推定されました。この割合は、ボノボに最も近縁な種であるチンパンジーと比べても高いと考えられます。ボノボで比較的高い割合でメスの隣接集団への移籍が起こるのは、メスの移籍が隣接集団間の出会いの際に起こりやすいことが関係していると考えられます。 書誌情報
DOI https://doi.org/10.1007/s10764-019-00106-w https://link.springer.com/article/10.1007/s10764-019-00106-w
2019/09/09 Primate Research Institute
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