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Structural variations of subterminal satellite blocks and their source mechanisms as inferred from the meiotic configurations of chimpanzee chromosome termini
平井啓久、平井百合子、鵜殿俊史、松林清明、Anthony J. Tosi、古賀章彦
概要

アフリカ大型類人猿は多数の染色体末端に次端部サテライトDNA(StSat)の大きな塊を有するが、ヒトにはそれが存在しないことが知られている。さらに我々はチンパンジーの減数分裂パキテン期においてユニークな末端融合が生じることを発見している。これらの特性の意義を明らかにするため、チンパンジーにおける体細胞(43個体)と減数分裂(1個体)の染色体を解析し、チンパンジーの次端部StSat塊の変異の態様とそのメカニズムを推測した。また先行研究との比較から、ヒト、チンパンジー、およびゴリラにおいて、次端部領域における非相同染色体間の組換え頻度は、StSat塊を持つ染色体の数と相反する関係にあることを明らかにした。すなわち、StSat塊が次端部周辺の構造変化に影響を与えており、StSat塊の有無は減数分裂における染色体間相互作用を制御する基盤的な原動力となっていると思われる。

書誌情報

Chromosome Res (2019) 27:321-332
https://doi.org/10.1007/s10577-019-09615-z
2019/08/19 Primate Research Institute