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ニホンテン (Martes melampus) の食性の地域変異とその要因
辻大和・伊藤健彦・金子弥生
要旨

食肉類の食性は、主に糞分析によって評価される。わが国の固有種であるニホンテン (Martes melampus) の食性に関する資料を全国21の調査地から収集し、 常緑広葉樹林帯と落葉広葉樹林帯の違い、主要食物の地域差とその要因について検討した。テンの糞から多く出現したのは果実・小型哺乳類・昆虫類の3つのカテゴリだった。落葉広葉樹林では哺乳類と果実以外の植物が頻繁に出現したのに対して、常緑広葉樹林では昆虫以外の節足動物の出現頻度が高かった。テンの食性の地域変異に影響したのは、1) 平均気温、2) NDVI(の季節変化)、3) 積雪量の3つの環境要因で、それぞれの影響の強さは食物カテゴリごとに異なっていた:昆虫類は平均気温が中程度な場所でもっとも出現頻度が高かった。節足動物は積雪の少ない場所で、脊椎動物は積雪量の多い場所で、それぞれ出現頻度が増加した。また、積雪量の多い場所で食物全体の多様性が低下した。このような、食性の顕著な地域変異は、わが国の多様な環境に対して獲得した、ニホンテンの行動的な形質だと考えられる。とくに雪の重要性が確認されたことから、今後別の雑食性の食肉類の食性変異を調べる際には、複数の環境変数を同時に考慮する必要がある。

2019/01/29 Primate Research Institute