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コモンマーモセットのフェロモン受容体遺伝子(V1R)の進化
守屋敬子、早川卓志、鈴木彦有、山岸公子、二階堂雅人
概要
フェロモン受容体であるV1R遺伝子のレパートリーを、オリジナルのバイオインフォマティクス(生物情報学)の解析手法をもちいて、様々な霊長類のゲノムから明らかにしました。その結果、曲鼻猿類(キツネザルやガラゴの仲間)やメガネザルではV1R遺伝子がおよそ数十~百個あるのに対し、狭鼻猿(私たちヒト、類人猿、旧世界ザル)ではわずかゼロ個~数個しかありませんでした。進化系統的にヒトと曲鼻猿の「中間」に位置する新世界ザルであるコモンマーモセットは、V1R遺伝子の個数も中間的で、7個、持っていました。組織学的な解析の結果、これら7個のV1R遺伝子のうち、進化的に新しく現れたV1R遺伝子は、フェロモン受容の器官と考えられている鋤鼻器特異的に発現していましたが、その他のV1R遺伝子は鋤鼻器以外にも全身に発現していました。狭鼻猿類では鋤鼻器は退化しています。本研究では、新世界ザルにおけるV1R遺伝子の進化が明らかになったともに、なぜ狭鼻猿類は数個のV1R遺伝子を「残しているのか」という謎に、新たな視点が得られました。 (※本研究は霊長類研究所との共同利用研究の成果です。) 2017/12/07 Primate Research Institute
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