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飼育下チンパンジーにおける同位体オフセットの推定
Tsutaya T, Fujimori Y, Hayashi M, Yoneda M, Miyabe-Nishiwaki T.
概要

安定同位体分析は,野生動物の食性推定などに用いられる手法です.しかし,応用の際には,対象の動物において,分析する体組織と食物のあいだに生じる同位体比の差 (オフセット) をあらかじめ求めておく必要があります.近年,野生チンパンジーを対象にした同位体分析の研究が増加していますが,チンパンジーにおける同位体比のオフセットはこれまでに報告がありませんでした.私たちは,霊長類研究所に飼育されている13個体のオトナチンパンジーを対象にして,毛および糞と食物とのあいだの,炭素・窒素同位体比のオフセットを推定しました.

調査期間の1週間で,チンパンジーが摂取した食物とその量を,個体ごとにすべて記録しました.あわせて,食物,毛,糞のサンプルも採取し,安定同位体分析しました.摂取量や栄養素の含有量に応じて重み付けし,食性全体としての同位体比を求め,これを毛や糞の同位体比と比較しました.

その結果得られた同位体比オフセットは,ほかの霊長類ですでに報告されている値と整合的でした.安定同位体分析によってチンパンジーの食性復元を試みる際,この値を利用することで,より正確な推定が可能になります.しかし同時に,サンプル処理や生理学的な変動によって,オフセットの推定値がばらつくことも明らかになりました.今後,そうした要因の影響をより詳しく評価していく必要があるでしょう.


図1. サンプルとして採取された食物の一部.



図2. 炭素・窒素安定同位体比オフセットの推定結果を,ほかの霊長類ですでに報告されている値と比較したもの.

書誌情報

Rapid Communications in Mass Spectrometry 31: 59-67.
DOI: 10.1002/rcm.7760.
2016/12/09 Primate Research Institute