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『心理学評論』第59巻1号(2016)
特集「心理学の再現可能性」 担当編集委員
友永雅己(京都大学霊長類研究所) 三浦麻子(関西学院大学文学部) 針生悦子(東京大学教育学研究科) 概要
2015年,Scienceに衝撃的な論文が掲載された(Open Science Collaboration, 2015)。その内容は,過去の心理学の研究論文について追試を行った結果,結果が統計的に再現されたものは追試実験全体のうちの40%に満たないというものであった。また,2015年の年頭に出たBasic and Applied Social Psychology誌はそのエディトリアル記事で,今後一切統計的検定に関する記載を行わないと「高らかに」宣言して,心理学のみならず幅広い研究者コミュニティの耳目を集めた(Trafimow, & Marks, 2015)。 そして近年,心理学の領域においても,Hendrick SchönやSTAP細胞問題に近いようなデータの捏造・改ざんによる研究不正を犯す研究者すら出てきた。このこと自体,心理学界においてゆゆしき問題である。しかしかれらの行為を軽蔑する研究者たちも,意識するしないにかかわらず,さまざまな問題のある研究実践 (QRPs)に手を染めてはいないだろうか。 これらの問題に対する関心は今に始まったことではないが,ここ数年、研究者の側もこれらに対して自覚的になってきたというのも事実だ。そこで,再現可能性,統計の問題,QRPsから研究不正まで,という相互に密接に関連しあうこれらの問題に対する現状の認識と展望について,忌憚のない議論を進めるべく本特集号を企画した。これらの議論を通して,心理学が今よりさらに一歩前に前進するこ とを強く期待する。 2016/07/31 Primate Research Institute
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