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テングザル―河と生きるサル

松田一希

概要

本書では、筆者が博士課程在籍時に、テングザルの生態研究を行うために1年半もの間を過ごした、ボルネオ島のスカウ村での生活の様子を、その研究成果とともに紹介している。テングザルの生態をわかりやすく紹介するだけでなく、一からの調査基地設営、調査助手雇用など、現地での様々な苦楽をコラムとして紹介している。 

また、本書の帯は登山家の野口健氏が執筆している ― ボルネオのジャングルで、一人の若者が現地の文化・習慣に溶け込みながら、不思議なサルを追いかけ、そこで感じた文化の違い・環境問題などが、独自の視点で描かれている。決して閉塞的ではない日本人の若者の姿に、頼もしさを感じる一冊である。

東海大学出版会

 

 <目次>

 第1章 

サル研究との出会い―サルの棲む森へ 人生の転機・霊長類学者をめざす/アマゾンでの研究/いざボルネオ島へ 

第2章 

テングザルの知られざる生態 テングザルの棲む森/調査開始までの苦悩/調査地の植物を調べる/テングザルの個体識別と人付け/群れの構成/サルの観察方法/テングザルの川渡り/一日の生活/テングザルは何を食べているのか?/種子を好むサル/行動と採食の季節的な変化/活動時間割合の季節性/採食多様性の季節変化/テングザルの遊動パターン/遊動域/一日の移動距離/一日の移動距離の季節性/洪水期の遊動の激変/森で眠るテングザルを追って/なぜ森の中で眠るのか?/洪水と群れ間の関係/捕食圧の影響をさらに探る 

第3章 

テングザルの未来 棲息頭数と保護状況/テングザルの保護のために何ができるのか/テングザルの魅力と今後の研究/若手フィールドワーカーたちの未来 

海大学出版会のURL 

http://www.press.tokai.ac.jp/bookdetail.jsp?isbn_code=ISBN978-4-486-01846-9

FEB/27/2012

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