テングザルから紐解くコロブス亜科の多様な生態と社会

松田一希

テングザルは、霊長類の中でもコロブス亜科に属するサルである。ボルネオ島に固有種である本種は、マングローブ林、泥炭湿地林、川辺林といった観察が困難である、地盤のぬかるんだ森に生息している。そのため、テングザルの生態・社会は今まで多くの謎に包まれていた。しかし近年、多くの研究者らの努力により、本種の生態・社会は少しずつ明らかになりつつある。そこで本論文では、テングザルの生態・社会を、他のコロブス亜科のサルとの比較を通して、その類似性と特異性を紹介する。

霊長類研究：27：75－93

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