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2012/4/5

半谷吾郎(生態保全分野准教授)が第5回日本生態学会大島賞を受賞

半谷吾郎(生態保全分野准教授)が第5回日本生態学会大島賞を受賞

 日本生態学会大島賞は、例えば野外における生態学的データの収集を長期間継続しておこなうことなどにより、生態学の発展に寄与している日本生態学会の中堅会員を主な対象とした賞で、毎年約2名に授与されます。2012年3月20日、日本生態学会第59回大会(大津市、龍谷大学)で授賞式・受賞講演が行われました。

受賞理由 (http://www.esj.ne.jp/esj/J_Oshima.html )

 半谷吾郎氏はヤクザルを中心に霊長類の野外における生態学の研究を20年程続けてきた。ヤクザルの年間の食物総量とその季節性が長命な動物の個体数制限に及ぼす影響、ヤクザルの屋久島における上部と下部の生態的特性の比較解析、標高によるニホンザルの密度の違いの解析、さらには霊長類の熱帯と温帯における研究のメタ解析など、霊長類という大型ほ乳類の野外における生態学的な研究を発展させた。

また果実という森林の生産性の年総量と季節性が長命な動物の個体群動態とどうかかわるかについてキャピタルとインカム生活者で異なるであろうという新しい視点をもたらしたことも高く評価される。さらに半谷氏は、1989年から継続されているヤクザル調査隊に1993年から参加し、1995年以降事務局を務め、毎年40名程度、のべ1000人以上の学生の参加する調査のマニュアル整備や調査実施などの運営を牽引してきた。

以上の研究活動の成果は、Ecography,Ecological Researchといった生態学の国際誌のほか、International Journalof Primatology, American Journal of Primatology, Primatesといった霊長類関係の標準的国際誌に26編、和文2編の原著論文として発表しており、総被引用総回数は196になる。生態学会におけるシンポジウム企画も含め、若手育成への貢献も評価される。以上の理由により、半谷氏を日本生態学会大島賞の受賞者として相応しいと判断した。