2012/1/20
平田聡特定准教授が、日本学術振興会賞を受賞しました
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平田 聡(ヒラタ サトシ)
(HIRATA Satoshi)
1973年 出身地 広島県
現職 京都大学霊長類研究所 特定准教授
(Program-Specific Associate Professor, Primate Research Institute,
Kyoto University)
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授賞理由
「ヒトとチンパンジーの比較認知研究による社会的知性の進化的起源の解明」
(Quest for the Evolutionary Origins of Social Intelligence Through the
Comparative Cognitive Studies in Humans and Chimpanzees)
平田聡氏は、ヒトとチンパンジーの行動の類似性と相違性の比較を通じ、ヒトを特徴づける「社会的知性」がどのように生み出されたかを研究してきた。協力行動を調べる実験装置として同氏が考案した「平田の装置」は海外の研究者からも高く評価されている。また、チンパンジーの欺きの行動、社会的学習などのテーマの研究も、世界を牽引している。
さらに、同氏は最近ではチンパンジーの出産メカニズムに関し、従来の定説を覆す重要な発見を行った。こうした研究の背景には、同氏が飼育員としての業務をこなしつつ、研究をしていることがあげられる。対象と距離をおかず、深い関係を築くことで理解を深める方法は、「日本式対面スタイル」として世界に認められている。
この他、平田氏は野生のボノボやオランウータン等の観察研究も行っており、行動学的調査から脳科学に至る非常に多彩なアプローチおよび胎児から成熟個体までを対象とする幅広い考察は、ヒトの進化の基礎を総合的・包括的に理解する重要な視点を与えるものとして、今後の展開が大いに期待される。
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