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2011/7/27

遺伝子情報分野大学院生の鈴木南美さんの研究が
読売新聞夕刊で紹介されました

 

遺伝子情報分野大学院生の鈴木南美さんの研究が読売新聞夕刊で紹介されました。

かんきつ類で味覚変わる?紀伊のサル、苦味OK
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110727-OYT1T00657.htm

 


タイトル:遺伝子機能探索による地域限定苦味非感受性サルの発見

 遺伝子情報分野の大学院生鈴木南美らによる研究で、苦味がわからないニホンザル
が紀伊半島に限定的に存在することがわかった。

 まず、多くの霊長類で25種類くらいある苦味受容体遺伝子のうち、かんきつ類に含まれるリモニンやアブラナ科植物に含まれるグルコシノレートを検知するTAS2R38の遺伝子探索を、ニホンザル約400頭について行ったところ、紀伊半島に由来する集団で開始コドンに変異がある個体が発見された(Suzuki et al., Primates 2010)。

このサルは、他のサルが食べないような苦い食べ物(リモニンやグルコシノレートに類似の構造を持つPhenylThioCarbamideという人工苦味物質を含んだリンゴ)も苦もなく食べてしまう。

その後、この遺伝子によって作られるタンパク質の機能解析を各地域のサルについて行ったところ、このように苦味がわからなくなる変異はこの地域に限定されることがわかった。

詳細については7月30日、31日に京都で開催される日本進化学会で発表する予定である。

 


(a) 人工苦味物質PTCに浸したリンゴを与えたときの反応
上図:リンゴを与えた直後に2頭ともリンゴを口に入れた。
下図:ATGホモ個体は食べるのをやめてリンゴを捨てたが、
ACGホモ個体は5秒後には食べ終えた。

 

紹介動画: Suzuki et al Supplemental video.wmv (wmv 6.0MB) 他のサルが食べないような苦い食べ物(リモニンやグルコシノレートに類似の構造を持つPhenylThioCarbamide という人工苦味物質を含んだリンゴ)も苦もなく食べてしまう。(動画右、左は変異のないサル。)