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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2013年度・目次 > 研究活動

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.43 2012年度の活動

Ⅲ. 研究活動

 

1. 研究部門及び附属施設

進化系統研究部門

進化形態分野

<研究概要>

A) マカクの系統地理学研究
濱田穣, 川本芳(ゲノム多様性分野), 平﨑鋭矢, 田中洋之(ゲノム多様性分野), Nguyen van Minh, Porrawee Pomchote

スマトラでミナミブタオザルとカニクイザルの調査を行った。ミナミブタオザルは,キタブタオザルと比較すると,体サイズや相対尾長(座高に対する)で同等であり,四肢のプロポーション,顔部分に違いが見出される。遺伝的分析では,この 2 種間で近隣集団間(タイ半島部)に遺伝子流動が認められた。ラオス北西部,中部,および南部で,霊長類の形態学的地理的変異性と分布調査を行った。東南アジア大陸部に広域分布する 5 種マカク(カニクイザル,アカゲザル,ベニガオザル,キタブタオザル,アッサムモンキー)では,一般に形態学的な地域変異は著明ではないが,アカゲザルについては,インドシナ集団は,中国とインドの集団とは異なった形態が認められ,ベニガオザルでもメコン河の東西で顔面周囲の被毛パターンに違いが認められた。

B) マカクの頭顔部と尾臀部の形態変異とコミュニケーション行動
濱田穣, 若森参

アカゲザルとキタブタオザルの間で,交尾前生殖隔離のメカニズムとして,種認識機能を持つと考えられるコミュニケーション行動と形態の関連性に関する比較調査を行った。マカクでは,無毛化した顔面と顔周囲の体毛パターンによって,多様な顔面の表情が可能であり,さらに尾臀部も表情呈示機能に関与していると推測される。マカクには,平等性-専制性という社会関係,樹上性と地上性,あるいは生息地の植生などに,かなり著しい種差が見られ,さまざまな身体外表形態特徴がコミュニケーションに機能していることが示唆される。

C) アカゲザルとニホンザルの交雑個体の形態学的検討
濱田穣. 毛利俊雄, Porrawee Pomchote, 若森参

千葉県房総地方で起こっている二種間マカクの交雑は,思った以上に地域的に広範であり,かつアカゲザル的個体が多い。これらのアカゲザルと交雑個体の骨格標本の収集につとめ,尾椎数や尾椎長プロフィール,頭骨縫合や歯牙の破格についての観察を行った。顔面部形態・尾長・体色パターンなどから,個体の交雑程度を推測する方法に関する検討を行った。

D) マカクの成長・加齢変化研究
濱田穣, 毛利俊雄, 鈴木樹理(人類進化モデル研究センター), 早川清治(国際共同先端研究センター), Nguyen Van Minh, Porrawee Pomchote

マカクにおいて,7 歳以降 15 歳まで胴長などの体サイズは漸増する。そしてその後,個体差は大きいけれども,縮小していく。この縮小には,椎骨間距離の減少,脊柱の弯曲の進行,さらに脊椎椎体の短縮(骨密度減少による微少骨折によって)が関与し,さらにこれらと並行して,変形性骨関節症が進行し,隣接する椎骨間に骨増殖が起
こり,椎骨が連結され,可動性が著しく損なわれる。骨代謝マーカーの年齢変化と骨密度,骨関節症との関連性について,予備的研究を行った。頭蓋・顔面骨格に見られる,成体期(7 歳以降)における骨格形態変化を検討した。いくつかの計測項目で個体変異・性差・地域差が著しいが,加齢に伴う増大,もしくは萎縮が認められた。

E) 足内筋の配置からみた足の機能軸に関する解剖学的研究
平崎鋭矢

真猿類の足内筋の解剖・観察を行い,骨間筋の配置から足の機能軸の位置を推定する試みを継続中である。これまでに,チンパンジーでは個体間変異が大きく,機能軸がヒトと同様に第2趾上にあるヒト型と第3趾上にあるサル型の両方が見られることがわかっている。24 年度は,チンパンジー2頭について調査を行い,2頭ともサル型
の骨間筋配置を持つことを確認した。

F) ニホンザルのロコモーションに関する実験的研究
平崎鋭矢,濱田穣,鈴木樹理(人類進化モデル研究センター),早川清治(国際共同先端研究センター)

霊長類が二足および四足で歩く際に,身体各運動分節がそれぞれどのように動き,互いに協調するのかを明らかにすることを目的とし,ニホンザル歩行の運動学的分析を継続中である。24 年度には5歳と3歳の2個体について,運動学データを収集した。


G) 東南アジアのマカクのロコモーションに関する運動学的研究
平崎鋭矢, 濱田穣

これまで実験室内で行われてきた霊長類ロコモーションの運動学的分析をフィールドに拡張する試みを継続中である。24年度はベニガオザルのロコモーションについて詳細な分析を行なった。その結果,アッサムモンキーやニホンザルに比べ,ベニガオザルの前肢の動きが,地上歩行により適応していることを示唆する結果を得た。


H) チンパンジーのポジショナル行動の非侵襲的3次元計測
平崎鋭矢, 友永雅己(思考言語分野)

屋外運動場で自由に行動するチンパンジーを4台のビデオカメラで撮影し,動画像分析装置を用いた身体運動の3次元再構築を試みた。鉄塔間を繋ぐロープ上での移動は,手で別のロープを掴む二足歩行によって行われ,その際,対側の上下肢が同期的に動くことなどを確認したが,計測精度に課題が残った。精度改善のために,Structure from Motion 法の導入を計画している。


I) Structure from Motion 法を用いた運動解析法の開発
平崎鋭矢, William Sellers(マンチェスター大)

実験室外でのロコモーションの運動分析は,被験体にマーキングができないため,計測精度が著しく落ちる。その難点を克服するために,複数の高精細ビデオ映像から,被験体の体表面形状をポイントクラウドとして再構築する手法を開発中である。24年度は,静止物の形状再構築で手法の有効性を確認し,その後実験室,および第1放飼
場において,ニホンザルを用いた体表面形状の再構築と検証を行なった。


J) 霊長類の頭蓋学
毛利俊雄, Nguyen Van Minh

Minh の計測により,研究所飼育ニホンザルの側頭線の位置がメスでは永久歯萌出後,変化しないが,オスでは頭蓋の側面を上昇しつづけることがわかった。すでに,房総と長野県の野生ザルで同様な性差があきらかにされているが,食物や環境が比較的に均一な飼育ザルでの知見は重要である。

<研究業績>

原著論文
1) Hamada Y, Yamamoto A, Kunimatsu Y, Tojima S, Mouri T, Kawamoto Y (2012) Variability of tail length in hybrids of the Japanese macaque (Macaca fuscata) and the Taiwanese macaque (Macaca cyclopis). Primates, 53: 397 -411.

2) Mihn NV, Van NH, Hamada Y (2012) Distribution of macaques (Macaca sp.) in central Vietnam and at the Central Highlands of Vietnam. Vietnamese Journal of Primaology, 2(1): 73-83.

3) 熊倉博雄,岡健司,廣川容子,日暮泰男,平崎鋭矢(2012) 新世界サル固有背筋の機能形態学的研究,昭和医学会雜誌,72: 155-159.

報告
1) 大井徹,Thao S, Meas S, 濱田穣 (2012) カンボジア王国における霊長類の生息と保全の現状. 霊長類研究,28(1): 49 -60.

2) 辻大和,Minh NV, Ulibarri LR, Van NH, 濱田穣 (2012) ベトナム中部の自然保護区における霊長類の生態調査.霊長類研究,28(1): 61-68.

3) 橋本裕子 (2013) 鹿田遺跡第10次調査B地点出土人骨の同定. 岡山大学構内遺跡発掘調査報告. 鹿田遺跡7. 岡山大学埋蔵文化財調査研究センター, p. 59.

著書(分担執筆)
1) 平崎鋭矢 (2012) サルの歩行からヒトの直立二足歩行の起源と進化を探る,京都大学霊長類研究所編『新・霊
長類学のすすめ』,丸善,pp 19-35.

学会発表
1) 丸橋珠樹,岡崎祥子,小川秀司,Nilpaung W,濱田穣,Malaivijitnond S (2012) タイ・カオクラプック保護区に生息するベニガオザルのウサギ肉食行動. 第 28 回日本霊長類学会大会(2012/07/06-08, 名古屋市).

2) Pomchote P, Hamada Y (2012) Skeletal age changes in osteometry, density, and osteoarthritis in Japanese macaques (Macaca fuscata). 第 28 回日本霊長類学会大会(2012/07/06-08, 名古屋市).

3) 濱田穣,早川清治,鈴木樹理 (2012) ニホンザル身体形態に見られる加齢変化. 第 28 回日本霊長類学会大会(2012/07/06-08, 名古屋市).

4) 平﨑鋭矢,Malaivijitnond S,濱田穣 (2012) 半野生マカクのロコモーションの運動学的分析?タイ王国に棲むアッサムモンキーとベニガオザルの比較. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/06-08, 名古屋市).

5) 小川秀司,Malaivijitnond S,濱田穣 (2012) タイのヒガシアッサムモンキーの交尾行動とコンソート関係. 第28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/06-08, 名古屋市).

6) Hamada Y, Nguyen VM, Pathonton S, San AM, Suryobroto B, Pomchote P, Kawamoto Y, Malaivijitnond S (2012) Distribution and Diversity of Asian Primates. 3rd International Symposium on Southeast Asian Primate Research: Diversity and Evolution of Asian Primates (2012/08/27-30, Bangkok).

7) Tanaka H, Kawamoto Y, Malaivijitnond S, Pomchote P, Nguyen VM, Hasan K, Feeroz MM, Hamada Y (2012) Phylogeography of northern Pig-tailed macaques (Macaca leonina): A Preliminary report. 3rd International Symposium on Southeast Asian Primate Research: Diversity and Evolution of Asian Primates (2012/08/27-30, Bangkok).

8) Norbu T, Rabgay K, Wangda P, Dorji R, Sherabla, Kawamoto Y, Hamada Y, Oi T, Chijiiwa A (2012) Ecological Assessment of Assamese macaques for the control of Agricultural damage in the western Bhutan Himalayas. 3rd International Symposium on Southeast Asian Primate Research: Diversity and Evolution of Asian Primates (2012/08/27-30, Bangkok).

9) Kagaya M, Hamada Y (2012) Morphological variation of shoulder skeletons of Macaques. 3rd International Symposium on Southeast Asian Primate Research: Diversity and Evolution of Asian Primates (2012/08/27-30, Bangkok).

10) Pomchote P, Hamada Y (2012) Age changes of bone density, trabecular architecture, osteometry, and osteoarthritis of Lumbar vertebrae in Japanese macaques (Macaca fuscata). 3rd International Symposium on Southeast Asian Primate Research: Diversity and Evolution of Asian Primates (2012/08/27-30, Bangkok).

11) Hamada, Y (2012) Distribution and morphological characteristics of macaques in Thailand. 2nd International Symposium: Biodiversity and Ecology of Wildlife in Thailand (2013/02/0 2, Bangkok).

12) 加賀谷美幸, 濱田穣, 青山裕彦 (2013) 麻酔下マカクザルにおける前肢帯骨格の可動域計測の試み. 日本解剖学会全国学術集会 (2013/03/28-30, 高松市).

13) 平崎鋭矢 (2012) 足圧と足形態からみたサルの二足歩行. 日本人類学会キネシオロジー分科会シンポジウム「サルが二足で歩くとき」 (2012/03,犬山市).

14) Hirasaki E, Malaivijitnond S, Tojima S, Hamada Y (2012) A comparison of locomotor kinematics of two semi-wild
macaque species (Macaca assamensis and M. arctoides) in Thailand. The 3rd International Symposium on Southeast
Asian Primate Research: Diversity and Evolution of Asian Primates (2012/08, Bangkok).

15) 平崎鋭矢, Malaivijitnond S, 濱田穣 (2012) 半野生マカクのロコモーションの運動学的分析-タイ王国に棲むアッサムモンキーとベニガオザルの比較. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07,名古屋市).

16) 大石元治, 荻原直道, 清水大輔, 菊池泰弘, 平崎鋭矢, 江木直子, 尼崎肇(2012)大型類人猿の肘関節における一関節筋と二関節筋について. 第 66 回日本人類学会大会(2012/11, 横浜市).

17) Hashimoto H (2012) Morphological Traits of Mandible and Dentition in Human Remains from Bronze Age to Iron Age between South Korea and Japan. Society for East Asian Archaeology 5th World Conference, (2012/06/6-10, Fukuoka).

18) Hashimoto H (2012) Short Rooted Dentition found in Gaya Population in South Korea in the Forth to Sixth Centuries A.D.. The 18th Congress of the European Anthropological Association (2012/09/03-08, Ankara, Turkey).

19) Hashimoto H (2012) Comparative study of Mandible and Dental Morphological Traits in Human Remains from Prehistoric Age to Iron Age between Japan and South Korea. 14th Annual Conference of the Association for Biological Anthropology and Osteoarchaeology Annual Conference. (2012/09/14-16, Bournemouth, U.K).

20) Hashimoto H (2012) Life history of the Early Bronze Age, Jordan, indicated by skeletal remains in comparison with the Neolithic Jomon, Japan. The 7th World Archaeological Congress. (2013/01/13-18, The Dead Sea, Jordan).

その他
清水大輔, 平崎鋭矢 (2013/03) 第 118 回日本解剖学会総会・全国学術集会シンポジウム「ボノボを中心とするヒト上科霊長類の身体的特徴から読み解く環境適応」オーガナイズ.

 

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ゲノム多様性分野

<研究概要>


A) 染色体端部ヘテロクロマチンの形成過程 
古賀章彦, 原暢, オーン プラコンチ, ナンペク チャイプラセルチ, 平井啓久(遺伝子情報分野), 平井百合子(遺伝子情報分野) 

染色体端部の大規模ヘテロクロマチンの有無や規模に関して、霊長類の近縁の種の間で大きく状況が異なることがある。顕著な例は、チンパンジーにあってヒトにない StSat とよばれる反復配列、フクロテナガザルにあってシロテテナガザルにない端部アルファサテライトDNAである。この2種類の実態の解明を、数年来行っている。今年度は、ヨザルにあってマーモセットにない大規模ヘテロクロマチンを新たに研究対象に加え、形成過程に関する知見を得た。 
ヨザルに、単独でアクロセントリック染色体の短碗を構成する大規模ヘテロクロマチンがあることは、以前から知られていた。このへテロクロマチンのDNA成分をクローンとして得て塩基配列を調べ、185 bp の単位が連なる縦列反復配列であることを示した。OwlRep と名付けた。さらにこれをプローブとする染色体へのハイブリダイゼーションを行い、ほとんどのアクロセントリック染色体の短碗に加えて、少数のメタセントリック染色体のセントロメア領域にも存在することがわかった。OwlRep のこの分布様式から、形成過程は2つの段階から成ると推測した。1つめは染色体から染色体への OwlRep の移動であり、染色体間のセントロメア領域の遺伝情報授受を通じてなされる。次は染色体端部での増幅であり、テロメア領域でヘテロクロマチンが増幅する機構に取り込まれることで進行する。この2つの段階を仮定することで、現在の OwlRep の分布は容易に説明できる。以上の結果を論文にまとめた。年度末の時点で、改訂版の審査が進行中である。 


B) セントロメアのDNA成分の変遷 
古賀章彦, 原暢, オーン プラコンチ, ナンペク チャイプラセルチ, 平井啓久(遺伝子情報分野), 平井百合子(遺伝子情報分野) 

セントロメアは染色体に普遍的に存在する構造物であり、細胞分裂に際して染色体の両極への移動に関与する。ヘテロクロマチンで構成されており、霊長類ではアルファサテライトDNAとよばれる反復配列が主成分となっている。その塩基配列や反復構造は短期間で大きく変化することが知られている。ヨザルで、きわめて急速であり、しかも機能の変化も付随すると考えられる変化をとらえた。 ヨザルに反復単位が 185 bp と 344 bp の2種類のアルファサテライトDNAがあることを見出し、OwlAlp1 および OwlAlp2 と名付けた。ヨザルは新世界ザルとよばれるグループに属する。このグループでは、アルファサテライトDNAは 340 bp 前後の単位が反復する構造となっている。OwlAlp2 はこれに該当し、OwlAlp1 はヨザルのみで派生したものと推測できる。ところが、染色体上の場所は OwlAlp1 がセントロメア狭窄部、OwlAlp2 がその周囲であり、重要な位置を占めているのは OwlAlp1 のほうであった。このことから、派生型が急速にヨザルのゲノムの中で増幅したものと推測した。原著論文として発表した。。 

C) ニホンザルの集団遺伝学的研究 
川本芳, 川本咲江, 樋口翔子, 六波羅聡(NPO 法人サルどこネット), 鈴木義久(NPO 法人サルどこネット), 赤座久明(富山県八尾高等学校), 森光由樹(兵庫県立大学自然・環境科学研究所), 清野紘典(野生動物保護管理事務所関西支所), 山本博章(長浜バイオ大学) 

三重、福井、岐阜、滋賀、兵庫の各県の調査を共同利用研究で継続するとともに、今年度から四国のニホンザルの遺伝的特徴の調査を開始した。北限のニホンザルの成立に関する集団遺伝学研究の成果をタイで開催された国際シンポジウムで発表した。また、宮崎県幸島のサルを中心に、第4染色体上の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)領域の STR 多型の特徴を分析し、国内学会で成果発表を行った。

D) マカカ属サルの系統関係 
川本芳, 川本咲江, 樋口翔子, 濱田穣(進化形態分野), 田中洋之, MA Haffman(社会進化分野), 大井徹(森林総合研究所), 千々岩哲((株)ラーゴ), P Wangda(ブータン森林省), T. Norbu (ブータン森林省), K. Rabgay(ブータン森林省), R. Dorji( ブータン森林省), CAD Sherabla( ブータン森林省), CAD Nahallage (Sri Jayawardenepura 大学), M Chalise(Tribhuvan 大学), 蘇秀慧(台湾國立屏東科技大學) 

ブータン、ネパール、スリランカでマカクの生態学および集団遺伝学調査を継続し、成果の一部を国内学会およびタイで開催された国際シンポジウムで発表した。バングラデシュのアカゲザル都市個体群に関する調査結果を論文公表した。伊豆大島で野生化したタイワンザルとの比較研究のため、台湾へ赴き台湾南部で現地研究者と共同で野生個体群の集団遺伝学的調査を開始した。スリランカでは Sri Jayawardenepura 大学の遺伝子実験施設の開設に協力し、現地での遺伝子分析の道が開けた。キタブタオザルの系統地理学的研究に関する成果を,8 月タイ王国で開催された国際シンポジウムにて発表した。9 月にインドネシア・スマトラ島でミナミブタオザルの捕獲調査を行った。また、2013 年 3 月にタイ王国チョンブリ県にてキタブタオザルの観察および試料採集と、チュラロンコーン大学にて分子遺伝学的実験を行った。 

E) ボノボの保全遺伝学的研究 
川本芳, 樋口翔子, 古市剛史(社会進化分野), 竹元博幸(社会進化分野), 坂巻哲也(社会進化分野), 橋本千絵(生態保全分野) 

コンゴ盆地のボノボ生息地7箇所から採取した糞試料の遺伝子分析を進めている。mtDNA に関する研究成果をまとめて国内の学会で口頭発表し、論文公表した。また、犬山で開催した国際ワークショップで研究成果を講演するとともに、アフリカから参加した若手研究者を対象に遺伝学実習を行い、分析方法の実技指導を行った。 

F) マカクザルコロニーの集団遺伝学的研究 
田中洋之, 森本真弓(人類進化モデル研究センター), 釜中慶朗(人類進化モデル研究センター), 川本咲江, 川本芳 

霊長類研究所で維持されているニホンザルおよびアカゲザルの繁殖コロニーにおいて、マイクロサテライトDNA を標識として父親判定を継続した。また、同コロニーを対象にして、主要組織適合抗原複合体遺伝子に連鎖するマイクロサテライトの遺伝子型判定を開始した。 

G) ワオキツネザルならびに希少レムールの集団遺伝学的研究 
川本芳, 市野進一郎, 田中洋之, 相馬貴代(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科), 小山直樹(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科), 佐藤宏樹(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科), 高畑由起夫(関西学院大学), 茶谷薫(名古屋芸術大学), 宗近功((財)進化生物学研究所), 佐藤百恵(財)日本モンキーセンター), C. Fichtel(German Primate Cente), PM. Kappeler(German Primate Cente) 

ワオキツネザルのデモグラフィ資料を収集するとともに、それを用いた分析をすすめた。マダガスカル南部ベレンティ保護区に設定した 14.2ha の主調査地域では、1989 年から個体識別に基づく継続調査がおこなわれている。今年度は 4 月と 11 月に調査をおこない、個体確認と出産記録をおこなった。調査個体群は 2006 年をピークに急激に個体数を減らしたが、2012 年は出産率、幼児生存率ともに高く、個体数回復の兆しがみられた。長期デモグラフィ資料を用いて、野生ワオキツネザルの寿命と繁殖期間について調べた。記録された最長寿命は 20 歳だったが、多くのメスは 10 歳までに死亡した。年齢別出産率は 10 歳まで低下しなかったことから、多くのメスが死亡するまで繁殖することがわかった。また、ドイツ霊長類センターとの共同研究として、メスの繁殖競合について調べた。その結果、群れ内の競合よりも群れ間の競合がメスの繁殖に影響を与えることが示唆された。今年度から?日本モンキーセンターとの共同研究を開始し、同センターが管理するワオキツネザルのコロニーの血縁や繁殖構造を調べる目的で、マイクロサテライト DNA の多型検索を行い、成果を得た。来年度はこのコロニーの家系図作成を目標に調査を継続する予定である。また、絶滅が危ぶまれているクロキツネザルの日本国内の動物園等で飼育される個体群について、マイクロサテライト 14 遺伝子座の遺伝子型判定を継続した。 


H) 家畜化現象と家畜系統史の研究 
川本芳, 稲村哲也(愛知県立大学), T Dorji(ブータン農林省), 大山修一(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科) 

ブータンの畜産でユニークな交雑利用が行われるウシ科の家畜ミタンの遺伝子分析を進めている。現地の実験施設で分析できる実験条件を作り、3月に技術的な移転を完了した。今後、ミタンの遺伝学的特徴の解明が進むと期待する。ブータンでの研究成果を論文にまとめて公表した。また、アンデス高地で家畜化されたラクダ科動物についても前年度につづき遺伝学調査を継続した。 

I) 霊長類の民族生物学的研究 
川本芳, 三戸幸久(椙山女学園大学) 

文献に残る四国の厩猿信仰の調査を試みたが、祀られた骨の消失や伝承者の逝去で十分な成果が得られなかった。信仰は急速に日本から消滅しつつあることを確認した。一方、長野県八ヶ岳の麓で新たに厩猿を発見した。博物館の協力により遺伝子分析を行い結果を得た。 

J) ハナバチの歴史生物地理学 
田中洋之 
7 月に北海道、9月に山梨県で植生景観とマルハナバチの分布の関係に関する調査を行った。 


<研究業績> 

原著論文 

1) Baicharoen S, Arsaithamkul V, Hirai Y, Hara T, Koga A, Hirai H (2012) In situ hybridization analysis of gibbon chromosomes suggests that amplification of alpha satellite DNA in the telomere region is confined to two of the four 
genera. Genome 55 (11): 809-812. 

2) Hamada Y, Yamamoto A, Kunimatsu Y, Tojima S, Mouri T, Kawamoto Y (2012) Variability of tail length in hybrids of the Japanese macaque (Macaca fuscata) and the Taiwanese macaque (Macaca cyclopis). Primates 53: 397-411. 

3) Hara T, Hirai Y, Jahan I, Hirai H, Koga A (2012) Tandem repeat sequences evolutionarily related to SVA-type 
retrotransposons are expanded in the centromere region of the western hoolock gibbon, a small ape. J. Hum. Genet. 57 (12): 760-765. 

4) Hasan MK, Aziz MA, Alam SMR, Kawamoto Y, Jones-Engel L, Kyes RC, Akhtar S, Begum S, Feeroz MM (2013) Distribution of rhesus macaques (Macaca mulatta) in Bangladesh: Inter-population variation in group size and composition. Primate Conservation 2013(26): 125-132. 

5) Kawamoto Y, Takemoto H, Higuchi S, Sakamaki T, Hart JA, Hart TB, Naoko T, Reinartz GE, Guislain P, Dupain J, Cobden AK, Mulavwa MN, Yangozene K, Darroze S, Devos C, Furuichi T (2013) Genetic structure of wild bonobo populations: Diversity of mitochondrial DNA and geographical distribution. PLoS ONE 8(3): e59660. Doi:10.1371/journal.pone.0059660. 

6) Koga A, Hirai Y, Hara T, Hirai H (2012) Repetitive sequences originating from the centromere constitute large-scale heterochromatin in the telomere region in the siamang, a small ape. Heredity 109 (3): 180-187. 

7) Koga A (2012) Under-representation of repetitive sequences in whole-genome shotgun sequence databases: an illustration using a recently acquired transposable element. Genome 55 (2): 172-175. 

8) Saito A, Kawamoto Y, Higashino A, Yoshida T, Ikoma T, Suzuki Y, Ami Y, Shioda T, Nakayama EE, Akari H (2012) Allele frequency of antiretroviral host factor TRIMCyp in wild-caught cynomolgus macaques (Macaca fascicularis). Frontier in Microbiology 3: 314. 

9) Takahata Y, Koyama N, Ichino S, Miyamoto N, Soma T, Nakamichi M (2013) Do Female Ringtailed Lemurs Exhibit a Skewed Birth Sex Ratio Depending on Social and Environmental Situations? A Preliminary Analysis of a Wild Population. African Study Monographs 34(1): 57-64. 

10) 稲村哲也・タシ ドルジ・川本芳 (2012) ブータン極東部高地のメラックにおける牧畜の変化とその歴史的社会的背景. ヒマラヤ学誌 13: 283-301. 

11) 川本芳,タシ ドルジ,稲村哲也 (2012) ヒマラヤにおけるミタンの利用 ブータンの交雑家畜の遺伝学研究から. ヒマラヤ学誌 13: 267-282. 

著書(単著) 
1) Koga A (2012) "Contribution of DNA-based transposable elements to genome evolution: inferences drawn from behavior of an element found in fish", In: Post-genome biology of primates (eds. Hitai H, Imai H, Go Y) 175-180, Springer. 

著書(分担執筆) 

1) Ichino S, Soma T, Koyama N (2012) "The impact of alopecia syndrome on female reproductive parameters in ring-tailed lemurs (Lemur catta) in Berenty Reserve, Madagascar", In: Leaping Ahead: Advances in Prosimian Biology (eds. Masters J, Gamba M, Genin F) 377-386, Springer. 

2) 田中洋之 (2012) 分子マーカーを使った霊長類の研究「新・霊長類学のすすめ」(京都大学霊長類研究所編)p.143-161 丸善. 

学会発表 

1) 古賀章彦, 平井百合子, オーン プラコンチ, 平井啓久 (2012) ヨザルのヘテロクロマチンを構成する切れやす
そうな縦列反復配列:染色体構成の急速な変化への関与に関する仮説. 日本遺伝学会第84回大会, ワークショップ (2012/09/26, 福岡市). 

2) 原暢, 古賀章彦, スダラ バイシャルン, 平井百合子, 平井啓久 (2012) テナガザルにみられるトランスポゾンのゲノムへの影響:新規因子の形成と増幅. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/07, 名古屋市). 


3) 古賀章彦, 原暢, イスラト ジャハン, 平井百合子, 平井啓久 (2012) テナガザルにみられるトランスポゾンのゲノムへの影響:セントロメアへのヘテロクロマチンの供給. 第28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/07, 名古屋市). 

4) 平井啓久, 原暢, 平井百合子, 古賀章彦 (2012) テナガザルの染色体端部にある大規模ヘテロクロマチンの主成分. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/07, 名古屋市). 


5) 寺田祥子, 平井百合子, 平井啓久, 古賀章彦 (2012) 反復配列の増減を指標としたテナガザル科4属の系統関係推定の試み. 第14回日本進化学会 (2012/08/ 21, 八王子市). 

6) Hara T, Hirai Y, Hirai H, Koga A (2012) Possible genomic impact of SVA retrotransposon in humans similar to that in gibbons. Annulal Meeting of the American Society of Human Genetics (2012/11/08, San Francisco, CA, USA). 

7) Huffman MA, Nahallage CAD, 川本芳, 川本咲江, 庄武孝義 (2012) Two is company, three is a crowd: スリランカのトクモンキー(Macaca sinica)の系統地理. 第 28 回日本霊長類学会大会(2012/07/08, 名古屋市). 

8) 風張喜子, 井上英治, 川本芳, 中川尚史, 宇野壮春, 井上・村山美穂 (2012) 島嶼のニホンザル個体群における個体群縮小の遺伝的影響. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/08, 名古屋市). 

9) 川本芳, 樋口翔子, 田中洋之, 川本咲江 (2012) ニホンザル野生個体群における主要組織適合遺伝子複合体(MHC)領域のマイクロサテライト座位の多様性. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/08, 名古屋市). 

10) 竹元博之, 樋口翔子, 川本芳, 坂巻哲也, 古市剛史 (2012) ボノボ野生個体群の広域的な遺伝子構造:ミトコンドリア DNA タイプの多様性と分布. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/08, 名古屋市).

11) Kawamoto Y (2012) How did monkeys reach the northern limits of their range? ? Lessons from a population genetic study of Japanese macaques. The 3rd International Symposium on Southeast Asian Primate Research (2012/08/27, Bangkok, Thailand). 

12) Norbu T, Rabgay K, Wangda P, Dorji R, Sherabla, Kawamoto Y, Hamada Y, Oi T, Chijiiwa A (2012) Ecological assessment of Assamese macaques for the control of agricultural damage in the western Bhutan Himalayas. The 3rd International Symposium on Southeast Asian Primate Research (2012/08/29, Bangkok, Thailand). 

13) Nahallage CAD, Huffman MA, Kawamoto Y, Kawamoto S, Shotake T (2012) Phylogeography of toque monkeys in Sri Lanka. The 3rd International Symposium on Southeast Asian Primate Research (2012/8./27, Bangkok, Thailand). 


14) Tanaka H, Kawamoto Y, Malaivijitnond S, Pomchote P, Minh NV, Hasan K, Feeroz MM, Hamada Y (2012) Phylogeography of northern pig-tailed macaques (Macaca leonine): A preliminary report. The 3rd International Symposium on Southeast Asian Primate Research (2012/08/28, Bangkok, Thailand). 


15) 田中洋之, Wijayanto H, Mootnick A, Perwitasari-Farajallah D, Iskandriati D, Sajuthi D, 平井啓久 (2012) AFLP 分析によるボルネオシロヒゲテナガザルの遺伝的構成. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/07, 名古屋市). 


16) Tanaka H, Suka T, Ushimaru A, Yumoto T (2012) Genetic evaluation of the bumble bee (Hymenoptera, Apidae), Bombus deuteronymus maruhanabachi, endangered species of semi-natural grassland in Nangano, Japan. XXIV International Comgress of Entomology (2012/8/20-24, Daegu, Korea). 


17) Suka T, Tanaka H, Ushimaru A, Uchida K, Yumoto T (2012) Historical fire on grasslands in central Japan and its causation to distributions of grassland species of bumblebees and endangered butterflies. XXIV International Comgress of Entomology (2012/8/20-24, Daegu, Korea). 

講演 

1) 川本芳 (2012/07/21) ブータンの森とミタン ? 東ヒマラヤにおけるもうひとつの交雑家畜利用. 民俗自然誌研究会, 京都 

2) 川本芳 (2012/10/30) Application of population genetic study in primatology: studies on Japanese macaques and bonobos. Symposium “Conservation of isolated primate populations”, Inuyama. 

 

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系統発生分野

<研究概要>

A) 東部ユーラシア地域における新第三紀の霊長類進化に関する研究

A-1) ミャンマー産オナガザル科化石の研究
高井正成, 西村剛, 江木直子, 西岡佑一郎
ミャンマーの鮮新世?更新世の地層を対象に霊長類を中心とした哺乳類化石の発掘調査をおこなった。チャインザウック地域(中新世末?鮮新世初頭),グウェビン地域(鮮新世後半),サベ地域(前期更新世)の3ヶ所からみつかったオナガザル科化石の記載作業を行っている。

A-2) 中国産大型ヒヒ族化石の研究
西村剛, 伊藤毅, 矢野航, 高井正成
更新世東・南ユーラシア産プロサイノセファルスと西ユーラシア産パラドリコピテクスの分類の再検討を行っている。その比較の基礎的知見を得るため,現生ヒヒ族やマカクの頭蓋骨の CT 画像データを精査し,内部構造の形態変異を検討した。

A-3) 台湾産オナガザル科化石の研究
高井正成
台湾国立自然科学博物館の張釣翔博士と共同で,台湾南部の中期更新世のオナガザル科化石の記載を行った。特に台湾で初めて見つかったコロブス亜科の歯牙化石の報告を行った。

A-4) 中国産マカク化石の頭骨内部形態に関する研究
伊藤毅, 西村剛, 高井正成
中国産 Macaca anderssoni の化石標本を CT 撮像し,その頭骨内部構造の解析と現生種との比較を行い,その系統的位置について検討した。

A-5) 四国の現生ニホンザルの形態学的研究
西岡佑一郎, 伊藤毅, 高井正成
四国自然史研究センター,愛媛大学との連携で,高知県産のニホンザル骨格標本を得た。頭骨の外部形態,内部形態を調べ,本州および九州の他の地域のニホンザル個体群と形態的に比較した結果,四国のニホンザルの臼歯サイズに地域差が観察された。また,四国の第四紀堆積物から見つかっているニホンザル化石と比較し,年代的な形態変化を調べた。

A-6) 朝鮮半島のマカク化石の検討
高井正成
韓国先史文化研究院の李隆助博士と共同で, 朝鮮半島の更新世の遺跡から発見されているマカク化石を再記載した。

B) 東部ユーラシア地域における古第三紀の霊長類進化に関する研究
高井正成, 西村剛, 江木直子, 西岡佑一郎
ミャンマーのポンダウン地域に広がる中期始新世末の地層から産出する霊長類化石は,原始的な曲鼻猿類と真猿類の中間的な形態を示し,真猿類の起源地と起源時期に関する論争を起こしている。それらの化石の形態学的および系統的な解析をおこなった。

C) 現生霊長類の機能形態学的研究

C-1) ニホンザルの音声生理に関する実験行動学的研究
西村剛, 香田啓貴(認知学習分野), 國枝匠(認知学習分野)
音声生成運動のサルモデルを確立するため,ニホンザルを対象として音声発声のオペラント条件付け訓練を実施し,完成させた。

C-2) ヒトおよびチンパンジーの鼻腔の生理学的機能に関する流体工学的分析
西村剛, 鈴木樹理(人類進化モデル研究センター), 宮部貴子(人類進化モデル研究センター), 松沢哲郎(思考言語分野), 友永雅己(思考言語分野), 林美里(思考言語分野)
ヒトの鼻腔の生理学的機能の特長を明らかにするために,ヒトおよびチンパンジーの医用画像データより鼻腔形状モデルを作成し,鼻腔内の吸気の流れ,温度・湿度変化に関する流体工学的シミュレーションを実施した。また,ヒトの鼻腔の機能形態学的特徴を検討し,外鼻および鼻弁の機能的貢献を明らかにした。

C-3) 曲鼻猿類の副鼻腔形態の変異に関する研究
西村剛
霊長類における副鼻腔の進化プロセスを明らかにするため,高解像度 CT を用いて国内外機関に所蔵されている曲鼻猿類頭骨標本を追加撮像し,分析を進めた。

C-4) 霊長類の四肢についての機能形態学的研究
江木直子
micro CT による撮像データを用いて,四肢骨の内部構造の解析を行っている。本年度は,ロリス類の軸部断面係数の特徴についての検討を行った。

C-5) 東アジア産マカクの頭骨形状の比較研究
伊藤毅, 西村剛, 高井正成
マカク属の現生種を対象に,CT を用いた頭骨内部構造の解析と幾何学的形態測定を用いた頭骨および歯牙の解析を行い,形状変異の気候環境適応について検討した。

D) 霊長類以外のほ乳類を主な対象とした古生物学的研究

D-1) 古第三紀哺乳類相の解析
江木直子, 高井正成
古第三紀(6500 万年前~2400 万年前)の陸棲脊椎動物相を解析することによって,哺乳類の進化の実態を明らかにすることを目指している。本年度は,①ミャンマーのポンダウン層やタイのクラビ相,モンゴルのエルギリンゾー層から産出した食肉類化石の系統分類学的検討と記載,②肉歯目の系統的位置の検討のための形態データ収集を行った。

D-2) ミャンマー中部における新第三紀哺乳類相の解析
西岡佑一郎, 高井正成, 江木直子, 西村剛
ミャンマーの新第三紀哺乳類相とその進化史の解明を目指し,中新世から更新世に生息していた哺乳類化石群集の古生物学的研究を行っている。本年度は,ミャンマー中部のイラワジ層(チャインザウク地域,グウェビン地域,サベ地域など)を中心に地質調査および発掘調査を行い,コロブス類を含む多くの哺乳類化石を発見した. 産出標本のうち,齧歯類とウシ科偶蹄類の形態データを収集して分類学的に検討した。また,ウシの歯を用いてメソウェア解析し,当時の古植生を復元してこれまで推定されてきたミャンマー中部の古環境の結果を再検討した。

<研究業績>

原著論文

1) Chang CH, Takai M, Ogino S (2012) First discovery of colobine fossil from the middle Pleistocene of southern Taiwan. Journal of Human Evolution 63: 439-451.

2) Koda H, Nishimura T, Tokuda IT, Oyakawa C, Nihonmatsu T, Masataka N (2012) Soprano singing in gibbons. American Journal of Physical Anthropology 149(3): 347-355.

3) Nishimura TD, Takai M, Senut B, Taru H, Maschenko EN, Prieur A (2012) Reassessment of Dolichopithecus (Kanagawapithecus) leptopostorbitalis, a colobine monkey from the late Pliocene of Japan. Journal of Human Evolution 62:548-561.

4) Tsubamoto T, Thaung?Htike, Zin-Maung-Maung-Thein, Egi N, Nishioka Y, Maung-Maung, Takai M (2012) New data on the Neogene anthracotheres (Mammalia; Artiodactyla) from central Myanmar. Journal of Vertebrate Paleontology 32 (4): 956-964.

5) Tsubamoto T, Egi N, Takai M, Thaung-Htike, Zin-Maung-Maung-Thein (2012) Dental morphology of an enigmatic artiodactyl from the Eocene Pondaung Formation, Myanmar. Journal of Fossil Research 45 (1): 6-10.

6) Tsubamoto T, Egi N, Takai M, Thaung-Htike, Zin-Maung-Maung-Thein (2013): A new specimen of a small dichobunoid artiodactyl from the Eocene Pondaung Formation, Myanmar. Journal of Fossil Research 45 (2): 70-73.

7) 柏木健司, 阿部勇治, 高井正成 (2012) 豪雪地域のニホンザルによる洞窟利用. 霊長類研究 28: 141-153.


総説

高井正成 (2012) ジュラ紀の哺乳類化石が意味するもの. 生物の科学『遺伝』66(3)

著書(分担執筆)

1) 伊藤毅 (2012) マカク属霊長類の進化史を化石から辿る.「日本のサル学のあした―霊長類研究という「人間学」の可能性」(中川尚史, 友永雅己, 山極壽一 編), p.54-59, 京都通信社, 京都.

2) 西岡佑一郎 (2012) サルの化石を探し求めて地底探検へ.「日本のサル学のあした―霊長類研究という「人間学」の可能性」(中川尚史, 友永雅己, 山極寿一 編), p.66?67, 京都通信社, 京都.

3) 西村剛 (2012) コンピューターの目で読み解くサルの進化.「新・霊長類学のすすめ」(京都大学霊長類研究所編), pp.1-18, 丸善出版, 東京.

4) Takai M (2012) Origins and evolution of early primates. In “Post-Genome Biology of Primates” (eds. Hirai H et al.) Primatology Monographs, Springer, pp. 269-280.

編集

1) 高井正成 (2012) 『生き物たちのつづれ織り: 多様性と普遍性が彩る生物模様(上、下)』 阿形清和, 森哲(監修), 井上敬・高井正成・高林純示・船山典子・村山美穂(編), 京都大学学術出版会.

その他の執筆

1) 高井正成 (2012) 「下を向いて探そう」『日本のサル学のあした』中川尚史, 友永雅己, 山極寿一編, 京都通信社, pp. 68-69.

2) 江木直子 (2013) ゾウの「第 6 指」-つま先立ち姿勢での役割を探る。生物の科学「遺伝」 37 (1) 6-9.

3) 西村剛 (2012) 発話の進化と嚥下. 別冊 Quintessence 臨床家のための矯正 YEAR BOOK ’12 矯正臨床の多角的な視点を養う pp.20-24.

4) 西村剛 (2012) こどもが育つのをみて. 京大広報, No.644, p.3645.

学会発表

1) Jin C, Takai M, Zhang Y, Reiko KT (2012) Sequence of Gigantopithecus faunas, from Chongzuo, Guangxi, South China. 日本古生物学会 2012 年年会 (2012/06/29-07/1, 名古屋)

2) Egi N, Nakatsukasa M, Ogihara N (2012) Limb bone diaphyseal structure and its mechanical significances in lorisids. American Association of Physical Anthropologists 年会(2012/04, Portland, Oregon, USA ).

3) Ito T (2012) Ecogeographic variation of skeletal nasal complex in Japanese macaques. Association of Pacific Rim Universities Research Symposium on University Museums: Forming a University Museum Collection Network as the Core of Frontier Research (2012/09, Kyoto).

4) Ito T, Nishimura T, Takai M (2012) Paleobiogeography of Macaca (Mammalia: Primates). Second International Symposium on East Asian Vertebrate Species Diversity (2012/07/27-29, Kyoto).

5) Kono RT, Zhang Y, Jin C, Takai M, Suwa G (2012) 3D analysis of enamel distribution on the molars of large hominoids with special focus on Gigantopithecus blacki. Sino-African Forum of Paleoanthropology (2012/5/29-31, Beijing).

6) Lee Y, Takai M (2012) The Middle to Late Pleistocene macaque fossils from central Korea. The 17th International Symposium: Suyanggae and Her Neighbours in KURTAK (2012/07/5-13).

7) Nishimura T, Matsui K (2012) Anatomical variation of the hyo-laryngeal complex in hylobatids and its acoustic implications. International Primatological Society XXV Congress Cancun 2012 (2012/08/12-17, Cancun Convention Center, Cancun, Mexico).

8) Nishioka Y, Takai M (2012) Plio-Pleistocene rodents of central Myanmar. Second International Symposium on East Asian Vertebrate Species Diversity (2012/07/27-29, Kyoto).

9) Nishioka Y, Takai M, Egi N, Tsubamoto T, Thaung-Htike, Zin-Maung-Maung-Thein (2013) The Plio-Pleistocene mammal fauna and paleoenvironment in central Myanmar. Southeast Asian Gateway Evolution Meeting(2013/03, Berlin, Germany).

10) Takai M, Ito T, Nishioka Y (2012) Primate Collection and Database of Primate Research Institute, Kyoto University. APRU Research Symposium (2012/09/12-14, Kyoto).

11) 伊藤毅, 西村剛, 高井正成 (2012) マカク属霊長類における顔面頭蓋形状のアロメトリーと地理的多様性. 第28 回霊長類学会大会 (2012/07/6-8, 名古屋).

12) 伊藤毅, 西村剛, 高井正成 (2012) 東アジアにおける霊長類マカク属の進化史:頭骨内部構造の変異と系統的意義. 地球惑星科学連合大会 (2012/05/20?25, 幕張).

13) 江木直子, 鍔本武久, 渡部真人, 実吉玄貴, Kh.Tsogtbaatar, B.Mainbayar, Ts.Chinzorig, P.Khatanbaatar (2012) モンゴル上部始新統産出のネコ亜目食肉類と食肉類冠群の初期の拡散についての解釈. 日本古生物学会年会(2012/06, 名古屋).

14) 海部陽介, 金子剛, 清水大輔, 矢野航, 西村剛 (2012) 原人に生理的早産はあったか?-ホモ・フロレシエンシスの頭骨化石からの示唆. 第 28 回日本霊長類学会学術大会 (2012/07/7, 名古屋).

15) 柏木健司, 阿部勇治, 高井正成 (2012) 黒部峡谷のスノーモンキーが編み出したオンリーワンの厳冬期防寒戦略. 富山県生物学会 (2012/12, 富山).

16) 柏木健司, 阿部勇治, 高井正成 (2012) 黒部峡谷におけるニホンザルの洞窟利用. 第 28 回霊長類学会大会(2012/7/6-8, 名古屋).

17) 河野礼子, 張穎奇, 金昌柱, 高井正成, 諏訪元 (2012) 中国南部の前期更新世の洞窟堆積物から出土したギガントピテクス大臼歯のエナメル分布形状分析. 第 28 回霊長類学会大会(2012/7/6-8, 名古屋).

18) 西村剛, 矢野航, 伊藤毅, Jan Ove R. Ebbestad, V. Berg-Madsen, 高井正成 (2012) 大型ヒヒ族 Procynocephalus wimani(中期更新世、中国)の鼻腔構造とその系統的位置について. 第 28 回霊長類学会大会 (2012/07/6-8, 名古屋).

19) 西村剛, 矢野航, 伊藤毅 (2012) ヒヒ族霊長類における上顎洞の形成について. 第 66 回日本人類学会大会(2012/11/2-4, 横浜).

20) 西村剛, 森太志, 埴田翔, 熊畑清, 石川滋, 鈴木樹理, 宮部貴子, 林美里, 友永雅己, 松沢哲郎, 松澤照男 (2012) チンパンジーにおける鼻腔の生理学的機能に関する数値流体力学的研究. 第 15 回 SAGA シンポジウム(2012/11/17-18, 札幌).

21) 西岡佑一郎, 江木直子, 鍔本武久, タウンタイ, ジンマウンマウンテイン, 高井正成 (2013) ミャンマー中部の後期鮮新世-前期更新世の哺乳類相. 日本古生物学会第 162 回例会(2013/01, 横浜).

22) 西岡佑一郎, 伊藤毅, 高井正成 (2012) 骨形態から見た四国のニホンザル―現生種と化石種の間に違いはあるのか?―.四国自然史科学研究センター設立 10 周年記念イベントシンポジウム「四国の自然は, いま 2012」(2012/12, 高知).

23) 西岡佑一郎, 河村善也 (2012) 四国の更新世ハタネズミ属化石―四国でのハタネズミ属の絶滅シナリオと今後の研究展望―.2012 年度日本哺乳類学会 (2012/09, 相模原).

24) 西岡佑一郎, 中川良平 (2012) 南琉球列島における住家棲小型哺乳類の化石記録と分散時期. 日本古生物学会2012 年年会・総会 (2012/06, 名古屋).

25) 西岡佑一郎, 高井正成, タウンタイ, ジンマウンマウンティン, マウンマウン (2012) ミャンマー中部の後期中新世~前期更新世齧歯類化石. 地球惑星科学連合大会(2012/05/20?25, 幕張).

26) 薗田哲平, 平山廉, 高井正成, タウンタイ, ジンマウンマウンテイン, 安藤寿男 (2012) ミャンマー中央部の中部中新統?下部更新統より産出したスッポン類化石とその古生物地理学的意義. 地球惑星科学連合大会 (2012/05/20?25, 幕張).

27) 高井正成, 金昌柱, 張穎奇, 河野礼子 (2012) 更新世の東アジアにおけるオナガザル科霊長類の産出パターンに関する予備的考察. 日本古生物学会 2012 年年会 (2012/06/29-07/1, 名古屋).

28) 高井正成, 張鈞翔 (2012) 東アジアにおけるキンシコウの進化史について. 地球惑星科学連合大会(2012/05/20?25, 幕張).

29) 高井正成, 西岡祐一郎, タウンタイ, ジンマウンマウンテイン (2012) ミャンマー中部グウェビン地域から産出した後期鮮新世のコロブス亜科化石について. 日本人類学会大会 (2012/11, 東京).

30) 高井正成, 李隆助, 伊藤毅, 西岡佑一郎 (2012) 韓国中原地域出土の更新世マカクザル化石について-忠北大学校博物館所蔵品を中心に-.第 28 回霊長類学会大会 (2012/07/6-8, 名古屋).

31) 矢野航, Philipp Gunz, Philipp Mitteroecker, 高野智, 江木直子, 荻原直道, 西村剛 (2012) 準標識点を用いたマントヒヒとニホンザルの性差を形成する頭蓋骨形成異時性の比較研究. 日本霊長類学会大会 (2012/07, 名古屋).

32) 矢野航, 江木直子, 高野智, 荻原直道, 西村剛 (2012) 霊長類 3 種の頭蓋顔面形態形成の比較研究. 日本人類学会大会(2012/11, 横浜).

33) 大石元治, 荻原直道, 清水大輔, 菊池泰弘, 平崎鋭矢, 江木直子, 尼崎肇 (2012) 大型類人猿の肘関節における一関節筋と二関節筋について. 日本人類学会大会(2012/11, 横浜).

講演

1) Takai M (2013/02/04) Evolutionary history of Asian primates. Lecture at the University of Mandalay, Myanmar

2) 高井正成 (2012/12) アジアのサルは、いつどこからから来たのか. プリマーテス研究会, 犬山.

3) 高井正成 (2013/03/16) 過去から学ぶヒトの未来:環境変動と霊長類の進化. 京都大学附置研究所シンポジウム「科学が見出す日本の進路」,札幌.

4) Nishimura T (2013/02/04) Paleobiogeography of large cercopithecines from the Pliocene and Pleistocene of Asia. Lecture at the University of Mandalay, Myanmar.


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社会生態研究部門

生態保全分野

<研究概要>

A) ニホンザルの生態学・行動学
半谷吾郎, 郷もえ, 澤田晶子, 大谷洋介, 栗原洋介
人為的影響の少ない環境にすむ野生のニホンザルが自然環境から受ける影響に着目しながら、個体群生態学、採食生態学、行動生態学などの観点から研究を進めている。屋久島の瀬切川上流域では、森林伐採と果実の豊凶の年変動がニホンザル個体群に与える影響を明らかにする目的で、「ヤクザル調査隊」という学生などのボランティアからなる調査グループを組織し、1998 年以来調査を継続している。今年も夏季に一斉調査を行って、人口学的資料を集めた。この資料を基に、ヒトリザルの密度とその地域変異・地理変異について分析した。

B) ニホンザルと同所的に生息する生物との関係
湯本貴和, 半谷吾郎, 辻野亮, 澤田晶子, 濵田飛鳥
屋久島でニホンザルと同所的に生息する生物との関係について研究を行った。イチジクの仲間であるアコウの果実を採食するニホンザルと鳥などの果実食者について調査した。また、ニホンザルのキノコ食による菌の胞子散布について研究を行った。屋久島と大峰山脈において、シカの密度と植生の変化についても調査を進めている。

C) 野生チンパンジーとボノボの研究
橋本千絵, 伊左治美奈
ウガンダ共和国カリンズ森林保護区、コンゴ民主共和国ルオー学術保護区でそれぞれチンパンジー、ボノボの社会学的・生態学的研究を行った。遊動や行動と果実量との関係や、非侵襲的試料による生殖ホルモン動態の研究、 非侵襲的試料による病歴や遺伝的間研究の研究、隣接する 2 集団の関係に関する研究などを行った。

D) アフリカ熱帯林の霊長類の生態学的研究
橋本千絵, 松田一希(長期野外研究プロジェクト), 郷もえ, 江島俊
野生霊長類が同所的に棲息するウガンダ共和国カリンズ森林保護区で、ブルーモンキー、レッドテイルモンキー、ロエストモンキーの混群形成、シロクロコロブスの採食生態などに関する生態学的研究を行っている。また霊長類の複数種を扱って、宿主と寄生虫の関係を理解すべく寄生虫学的調査を行っている。

E) 大型類人猿の遊動や分布に植生の異質性が与える影響の研究
寺田佐恵子, 湯本貴和
コンゴ民主共和国ルオー学術保護区では、植生のモザイクと果実生産性がいかにボノボの遊動に影響を与えるかについて、植生調査と果実センサスを組み合わせた方法で研究を行なっている。また、ガボン共和国ムカラバ・ドゥドゥ国立公園では、広域のゴリラやチンパンジーの密度と地形・植生のモザイクとの関係を研究している。

F) 東南アジア熱帯林の霊長類の社会生態学的研究
半谷吾郎, 松田一希(長期野外研究プロジェクト), 大谷洋介
マレーシア領ボルネオ島・サバ州のダナムバレー森林保護区では、昼行性霊長類 5 種の共存の生態学的メカニズムを明らかにするため、密度センサス、行動観察による食性や遊動の調査を行った。マレーシアサバ州のスカウでは、行動観察とセンサスをもとに、テングザルとブタオザルの生態や社会構造についての研究を行った。またスカウではボートによるセンサスによって、ブタオザル、カニクイザル、テングザルとの群れ間関係についての調査を行なっている。

G) 東南アジア熱帯林の変化と社会的要因の研究
辻野亮, 湯本貴和
東南アジア各国の過去 50 年の森林面積の増減と社会的要因の関連を研究している。おもに過去の統計情報と土地利用図から変遷を読み取り、国際情勢やそれぞれの国での政策との関連を調べている。

<研究業績>

原著論文

1) Hanya G, Bernard H (2012) Fallback foods of red leaf monkey (Presbytis rubicunda) in Danum Valley, Borneo. International Journal of Primatology 33: 322-337.

2) Sawada A, Clauss M, Sakaguchi E, Hanya G (2012) A pilot study on the ontogeny of digestive physiology in Japanese macaques (Macaca fuscata). Mammalian Biology 77: 455-458.

3) Tsujino R, Yumoto T (2013) Vascular plant species richness along environmental gradients in a cool temperate to sub-alpine mountainous zone in central Japan. Journal of Plant Research 126: 203-214.

4) Yumoto T (2012) Human-environment interaction and climate in the Japanese Archipelago. PAGES News 20 (2): 84-85.

5) Yumoto T, Iwata Y, Morimoto Y (2013) Evaluating cultural value of Satoyama using the preference method. Global Environmental Research 16(2): 153-162.

6) 笠木哲也・大宮正太郎・木村一也・金子洋平・本間航介・湯本貴和(2012)能登半島と佐渡島におけるハナバチ類の種組成と分布. 日本海域研究 43: 9-17.

著書(分担執筆)

1) Furuichi T, Idani G, Ihobe H, Hashimoto C, Tashiro Y, Sakamaki T, Mulavwa MN, Yangozene K, Kuroda S (2012) Long-term studies on wild bonobos at Wamba, Luo Scientific Reserve, D. R. Congo: Towards the understanding of female life history in a male-philopatric species. In: Long-Term Field Studies of Primates (Eds. Kappeler PM, Watts DP), Springer, pp.413-433.

2) Okuro T, Yumoto T, Matsuda H, Hayashi N (2012) What are the key drivers of changes and current status of satoyama and satoumi? In: Satoyama- Satoumi Ecosystems and Human Well-Being (Eds. Anantha KD, Nakamura K, Takeuchi K, Watanabe M, Nishi M), United Nation University Press, pp. 60-124.

3) Yahara T, Akasaka M, Hirayama H, Ichihashi R, Tagane S, Toyama H, Tsujino R (2012) Strategies to observe and assess changes of terrestrial biodiversity in the Asia-Pacific Regions. In: The Biodiversity Observation Network in the Asia-Pacific Region (Eds. Nakano S, Yahara, T, Nakashizuka, T), Springer, pp. 3-19.

4) Yumoto T (2012) Why is satoyama and satoumi a concern? In: Satoyama- Satoumi Ecosystems and Human Well-Being (Eds. Anantha KD, Nakamura K, Takeuchi K, Watanabe M, Nishi M), United Nation University Press, pp. 125-154.

5) 大黒俊哉, 湯本貴和, 松田裕之, 林直樹(調整役代表執筆者) (2012) 里山・里海の現状と変化の要因は何か?国際連合大学高等研究所/日本の里山・里海評価委員会編集『里山・里海?自然の恵みと人々の暮らし』 pp. 35-60 朝倉書店. 6) 澤田晶子 (2012) どんどん排泄して、どんどん食べるニホンザル. 中川尚史, 友永雅巳, 山極壽一編『日本のサル学のあした-霊長類研究という「人間学」の可能性』p122-127 京都通信社.

7) 辻野亮 (2012) 生物多様性とどう接していますか. 阿部健一編『生物多様性 子どもたちにどう伝えるか』pp. 37-74 昭和堂.

8) 辻野亮 (2012) 秋山地域の中大型哺乳類. 白水智編『新・秋山記行』pp. 96-113 高志書院.

9) 半谷吾郎 (2012) 霊長類とほかの生物の関係-種子散布に着目して. 京都大学霊長類研究所編『新・霊長類学のすすめ』pp 54-66 丸善出版.

10) 湯本貴和 (2012) 生業と供養思想?資源管理と持続的な利用. 秋道智彌編『日本の環境思想の基層?人文知からの問い』pp.180-201 岩波書店.

11) 湯本貴和 (2012) 相模の国の生態系と古代遺跡?聖なる泉を守る杜. 鎌田東二編『日本の聖地文化?寒川神社と相模国の古社』pp.112-143 創元社.

12) 湯本貴和(調整役代表執筆者) (2012) なぜ里山・里海の変化は問題なのか?国際連合大学高等研究所/日本の里山・里海評価委員会編集『里山・里海?自然の恵みと人々の暮らし』pp. 61-75 朝倉書店.

13) 湯本貴和 (2013) 木材利用の民俗植物学?昭和 30 年代以前の屋久島・宮之浦集落を例として. 伊東隆夫・山田昌久編『木の考古学?出土木製品用材データベース』pp.73-80 海青社.

14) 湯本貴和 (2013) 人と植物の歴史. 平川南編『環境の日本史1. 日本史と環境』pp. 114-147 吉川弘文館.

15) 湯本貴和 (2013) 水の恵み?屋久島. 日本生態学会編『世界遺産の恵み(エコロジー講座6)』pp. 45-55 文一総合

出版.

その他の執筆

1) 湯本貴和 (2012) カミ、人、自然?熊楠が求めた共生の杜. 季刊民族学 139: 40-44.

2) 湯本貴和 (2012) 離島の環境保全を考える. 地方議会人 43(4): 27-30.

3) 湯本貴和 (2012) 世界遺産・屋久島の自然と人々. 紫明 31: 22-26.

4) 湯本貴和 (2012) 亜熱帯から亜寒帯?生命のユートピア. 週刊日本の世界遺産 2:26-29.

5) 湯本貴和 (2013) 巻頭言:コンゴの森から. 生物科学 64(2): 65.

6) 湯本貴和 (2012) 現代のことば:島の豊かさを考える. 2012 年 4 月 25 日夕刊, 京都新聞.

7) 湯本貴和 (2012) 現代のことば:ユネスコ・エコパーク. 2012 年 6 月 22 日夕刊, 京都新聞.

8) 湯本貴和 (2012) 現代のことば:原生林の価値. 2012 年 10 月 15 日夕刊, 京都新聞.

9) 湯本貴和 (2012) 現代のことば:自然の恵み. 2012 年 12 月 11 日夕刊, 京都新聞.

10) 湯本貴和 (2013) 現代のことば:生物文化多様性. 2013 年 2 月 15 日夕刊, 京都新聞.

学会発表

1) Barnett A, Alho C, Chism J, Covert H, Feanside P, Fragaszy D, Goncalves Ferreira R, Furuichi T, Hanya G, Hashimoto C (2012) Primates of flooded habitats: threats, perspectives and future research. XXIV Congress of International Primatological Society (2012/08/14, Cancun, Mexico).

2) Hashimoto C, Furuichi T (2012) Female association and ranging in chimpanzees of the Kalinzu Forest, Uganda. XXIV Congress of International Primatological Society (2012/08/13, Cancun, Mexico).

3) Hashimoto C, Sakamaki T, Mulavwa MN, Furuichi T (2012) Hourly, daily, and monthly changes in the size and composition of parties of chimpanzees at Kalinzu and bonobos at Wamba. XXIV Congress of International Primatological Society (2012/08/14, Cancun Mexico).

4) Sawada A, Sato H, Inoue E, Otani Y, Hanya G (2012) Mycophagy among Japanese macaques: How do they avoid poisonous mushrooms? XXIV International Behavioral Ecology Congress (2012/08/13, Lund, Sweden).

5) Suka T, Tanaka H, Ushimaru A, Uchida K, Yumoto T. (2012) Historical fire on grasslands in central Japan and its causation to distribution of grassland species of bumblebees and endangered butterflies. XXIV International Congress of Entomology (2012/08/20-24, Daegu, Korea).

6) Takana H, Suka T, Ushimaru A, Yumoto T (2012) Genetic evaluation of the bumble bee (Hymenoptera, Apidae), Bombus deuteronymus maruhanabachi, endangered species of semi-natural grassland in Nagano, Japan. XXIV International Congress of Entomology (2012/08/20-24, Daegu, Korea).

7) 江島俊, MacIntosh AJ, 古市剛史, 岡本宗裕 (2012) ヤクシマザルに寄生する消化管内寄生性蠕虫 Strongyloides fuelleborni, Oesophagostomum aculeatum の分子系統学的研究. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/07, 名古屋市).

8) 栗原洋介 (2012) 嵐山 E 群におけるオトナメスの順位による土地利用の違い. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/07, 名古屋市).

9) 郷もえ, 橋本千絵 (2012) ブルーモンキーとレッドテイルモンキーの混群形成と食物の類似性. 第28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/07, 名古屋市).

10) 橋本千絵, 古市剛史 (2012) ウガンダ共和国カリンズ森林の野生チンパンジーにおける、遊動パターンとパーティ構成の雌雄差について. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/08, 名古屋市).

11) 澤田晶子, 佐藤博俊, 井上英治, 大谷洋介, 半谷吾郎 (2012) ニホンザルは毒キノコを忌避しているのか: キノコの属性と採食行動パターン. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/07, 名古屋市).

12) 澤田晶子 (2012) 多様なキノコを食べるニホンザル. 共同利用研究会「生態系における霊長類の役割」(2013/02/16, 犬山市).

13) 澤田晶子, 半谷吾郎 (2012) ニホンザルはどのような食物をめぐって争うのか. 日本生態学会第 60 回大会(2013/03/07, 静岡).

14) 辻野亮, 加治佐剛, 湯本貴和 (2013) カンボジアにおける森林減少の要因と歴史. 日本生態学会第 60 回大会(2013/03/07, 静岡).

15) 濵田飛鳥 (2013) 周年結実性アコウ果実の一年を通じた利用パターンはヤクシマザルと鳥で異なる. 日本生態学会第 60 回大会 (2013/03/06, 静岡市).

講演

1) Tsujino R (2012/11/08) Causes and history of forest loss in Cambodia. In: International workshop Workshop on Landuse Diversity and Autonomy in Southeast Asia. Research Institute for Humanity and Nature, Kyoto.

2) 澤田晶子 (2012/12/15) サルは毒キノコを見分けているのか? 屋久島研究会-楽しく学ぼう屋久島のこと, 屋久島.

3) 辻野亮 (2012/06/17) 東南アジアの森林減少とその保全. 第 22 回日本熱帯生態学会 横浜大会公開講演会「熱帯における生物多様性と生態リスク」, 横浜.

4) 湯本貴和 (2012/11/12) 熱帯雨林の生物多様性とその危機. 岡山県立総社高等学校, 岡山.

5) 湯本貴和 (2012/12/22) 島嶼の生物多様性と文化多様性. 琉球大学国際沖縄研究所シンポジウム「多様性が開く“島”の可能性?琉球の生物・言語・文化から」,那覇.

6) 湯本貴和 (2013/02/23) 沖縄に学ぶ生物多様性と食, 沖縄県環境生活部自然保護課シンポジウム「食から知る自然の恵み」,那覇.

7) 湯本貴和 (2013/03/10) 生物文化相互作用系がひらく地域の未来, 国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット, 金沢.

8) 湯本貴和 (2013/03/09) 水の恵みー屋久島, 日本生態学会第 16 回公開講演会「世界遺産における自然の恵みとその保全」,静岡.

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社会進化分野

<研究概要>

A) ボノボとチンパンジーの攻撃性と集団間関係についての研究
古市剛史, 橋本千絵, 坂巻哲也, H Ryu, 徳山奈帆子
コンゴ民主共和国ルオー学術保護区のボノボ 3 集団,ウガンダ共和国カリンズ森林保護区のチンパンジー3 集団を対象に,GPS を用いて遊動ルートを記録しつつ集団のメンバー構成,社会行動,性行動を記録し,2 つの集団が接近したときの動き,出会った場合の双方の個体の行動などについて分析した。また,集団間の出会いが敵対的,あるいは親和的になる要因について,食物競合・性的競合・雌雄の優劣関係などさまざまな角度から分析した。

B) ボノボの遺伝子型の分布とチンパンジー・ボノボの種分化についての研究
川本芳, 竹元博幸, 古市剛史
ボノボの生息域のほぼ全域にわたる 7 集団から収集した糞試料から DNA を抽出し,ミトコンドリア DNA のハプロタイプとその分布を調べた。その結果,54 のハプロタイプが 6 つのクレードに別れること,ロマミ川で他の地域と隔てられた地域にはこれまでに確認されていなかったハプロタイプが存在すること,ロマミ川を除いては,ハプロタイプの分布は河川障壁の影響を受けていないこと,他の個体群から隔離された地域個体群では遺伝子の多様性の低下が見られることなどが明らかになった。現在,ボノボの種分化の歴史的経過についての分析を進めている。

C) スリランカに生息する霊長類の行動生態学的研究
MA Huffman, CAD Nahallage (University of Sri Jayewardenepura)
2004 年末に開始した,スリランカに生息する野生霊長類の分布調査を継続した。これまで行ってきた,南西・南・南東・中央・北東地域における,トクザル,ハヌマンラングール,カオムラサキラングールの分布調査を拡大し,スリランカ全土における分布を確かめるために各県,地区レベルでアンケート調査をおこなった。また,採集した試料の DNA 解析を実施し,結果の一部を公表した。

D) マカクの文化的行動研究
MA Huffman, CAD Nahallage (University of Sri Jayawardenepura), JB Leca (University of Lethbridge)
石遊びなどの文化的行動の社会的観察学習・伝播機構の比較研究を行った。

E) ベトナムにおけるマラリア伝播環境の変容と人獣共通感染性マラリアの出現の理解に向けた学際的研究
MA Huffman, AJJ MacIntosh, 中澤秀介, R Culleton (長崎大学), 前野芳正 (藤田保健衛生大学), 川合覚 (獨協医科大学), Q Nguyen Yuyen, R Marchand (Khanh Phu Malaria Research Center, Medical Committee Netherlands-Vietnam)
2010 年から開始した,ベトナム・中南部にあるカンフー村の丘陵部に棲息する野生霊長類の調査を継続した。ヒトとサル間で伝播し,人畜共通感染を引き起こすマラリア原虫を野生カニクイザルやブタオザルの糞から検出する方法を開発した。

F) 南アフリカ西部岬に生息するチャクマヒヒの採食行動,寄生虫生態学と空間利用の生態学的研究
P Pebsworth, MA Huffman
2009 年から開始した,南アフリカ西南部にあるワイルドクリフ自然保護地区に生息する野生チャクマヒヒ群の調査を継続した。植物性食物の採食行動,土食い行動と寄生虫感染との因果関係について解析を行い,成果を公表した。

G) インドネシアの霊長類の採食生態に関する研究
辻大和, B Suryobroto, I Hadi, KA Widayathi (ボゴール農科大学)
インドネシア・パンガンダラン自然保護区でジャワルトンとカニクイザルの基礎生態に関する調査を行い,彼らの食性,活動時間配分,他の動物との種間関係などのデータを収集した。調査地内に植生プロットを設置し,アシスタントの協力を得てフェノロジー調査を実施した。

H) ニホンザルの生態に関する研究
辻大和, I Hadi (ボゴール農科大学)
宮城県金華山島では採食行動の観察に加えて種子トラップによる結実量の調査を本年度も継続して行った。香川県小豆島では成獣個体による幼獣からの食物強奪行動についての予備的な調査を実施し,成果を公表した。

I) 飼育ニホンザルを対象とした副腎ホルモン分析
RSC Takeshita, MA Huffman
ヒト以外の霊長類の繁殖生理を研究する上で,非侵襲的なホルモン分析の手法の開発は重要である。飼育下のニホンザルを対象に糞中のホルモン分析を実施し,年齢および季節の影響を調べた。

J) ボノボのメスの性皮の腫脹が群れ内での親和的行動に与える影響
H Ryu
ボノボのメスはチンパンジーと比べて性皮が腫れあがる期間が長いことが知られている。性皮の腫脹が群れ内での親和的行動に与える影響について評価した。

K) 飼育下チンパンジーの社会交渉に関する研究
H Sojung
動物園で飼育されているチンパンジーのメスの個体間交渉について調査を行った。比較データの収集のため、ウガンダのカリンズ森林を訪問してデータを収集した。

<研究業績>

原著論文

1) Vallo P, Petr?elkova KJ, Profousova I, Petra?ova J, Pomajbikova K, Leendertz F, Hashimoto C, Simmons N, Babweteera F, Machanda Z, Piel A, Robbins MM, Boesch C, Sanz C, Morgan D, Sommer V, Furuichi T, Fujita S, Matsuzawa T, Kaur T, Huffman MA, Modry D (2012) Molecular diversity of entodiniomorphid ciliate Troglodytella abrassarti and its coevolution with chimpanzees. Am. J. Phys. Anthropol. 148: 525?533.

2) Kawamoto Y, Takemoto H, Higuchi S, Sakamaki T, Hart JA, Hart TB, Tokuyama N, Reinartz GE, Guislain P, Dupain J, Cobden AK, Mulavwa MN, Yangozene K, Darroze S, Devos C, Fruichi T (2013) Genetic structure of wild bonobo populations: diversity of mitochondrial DNA and geographical distribution. PLoS ONE 8(3): e59660.

3) MacIntosh AJJ, Huffman MA, Nishiwaki K, Miyabe-Nishiwaki T (2012) Urological screening of a wild group of Japanese macaques (Macaca fuscata yakui): Investigating trends in nutrition and health. Int. J. Primatol. 51: 353-364.

4) Pebsworth PA, Morgan HR, Huffman MA (2012) Evaluating home range techniques: use of global positioning system (GPS) collar data from chacma baboons. Primates 53: 345-355.

5) Pebsworth PA, Morgan HR, Huffman MA (2012) Factors influencing the ranging behavior of chacma baboons (Papio hamadryas ursinus) in a human-modified habitat. Int. J. Primatol. 33: 872-887.

6) Pebsworth PA, Archer CE, Appelton C, Huffman MA (2012) Parasite transmission risk from geophagic and foraging behavior in chacma baboons. Am. J. Primatol. 74: 940-947.

7) Jaman MF, Huffman MA (2012) The effect of urban and rural habitats and resource type on activity budgets of commensal rhesus macaques (Macaca mulatta) in Bangladesh. Primates 54: 49-59.

8) MacIntosh AJJ, Jacobs A, Garcia C, Shimizu K, Mouri K, Huffman MA, Hernandez AD (2012) Monkeys in the middle: parasite transmission through the social network of a wild primate. PLOS ONE 7(12): e51144

9) McLennan, MR, Huffman, MA (2012). High frequency of leaf swallowing and its relationship to parasite expulsion in “village” chimpanzees at Bulindi, Uganda. Am. J. Primatol. 74: 642-650.

10) Nakamura M, Corp N, Fujimoto M, Fujita S, Hanamura S, Hayaki H, Hosaka K, Huffman MA, Inaba A, Inoue E, Itoh N, Kutsukake N, Kiyono-Fuse M, Kooriyama T, Marchant LF, Matsumoto-Oda A, Matsusaka T, McGrew WC, Mitani JC, Nishie H, Norikoshi K, Sakamaki T, Shimada M, Turner LA, Wakibara JV, Zamma K (2012). Ranging behavior of the Mahale chimpanzees: a 16-year study. Primates 54: 171-182.

11) Minhas RA, Ali U, Awan MS, Ahmed KB, Khan MN, Dar NI, Qamar ZQ, Ali H, Grueter CC, Tsuji Y (2013) Ranging and foraging of Himalayan grey langurs (Semnopithecus ajax) in Machiara National Park, Pakistan. Primates 54: 147-152.

12) Hanya G, Tsuji Y, Grueter CC (2013) Fruiting and flushing phenology in Asian tropical and temperate forests: implications for primate ecology. Primates 54: 101-110.

13) Hadi I, Tsuji Y, Suryobroto B, Watanabe K (2013) Food-snatching behavior of free-ranging Japanese macaques observed on Shodoshima Island: a preliminary report. Primates 54: 153-158.

14) Kazahari N, Tsuji Y, Agetsuma N (2013) The relationships between feeding-group size and feeding rate vary from positive to negative with characteristics of food items in wild Japanese macaques (Macaca fuscata). Behaviour 150: 175?197.

15) Tsuji Y, Widayati KA, Hadi I, Suryobroto B, Watanabe K (2013) Individual identification of adult female Javan lutungs (Trachypithecus auratus sondaicus) using patterns of dark pigmentation in the pubic area. Primates 54: 27-31.

16) Tokuyama N, Emikey B, Bafike B, Isolumbo B, Iyokango B, Mulavwa MN, Furuichi T (2012) Bonobos apparently search for a lost member injured by a snare. Primates 53: 215-219.

17) da Silva GA, Monteiro FOB, Dias HLT, Cavalcante RDEO., Sampaio AIDAF, da Conceicao MEBAM, Takehsita RSC, de Castro, PHG, Feijo FMC, Rahal SC (2012) Qualitative analysis of preputial and vaginal bacterial microbiota in owl monkeys (Aotus azarai infulatus) raised in captivity. J. Med. Primatol. 41:71-78.

18) Hayashi M, Ohashi G, Ryu, HJ (2012) Responses toward a trapped animal by wild bonobos at Wamba. Anim. Cog. 15: 731?735.

総説

1) Furuichi T, Connor R, Hashimoto C (in press) Non-conceptive Sexual Interactions in Monkeys, Apes, and Toothed Whales. In Yamagiwa J, Karczmarski L (eds) Primates and cetaceans: field studies and conservation of complex mammalian societies. Springer.

2) 辻大和 (2012) ニホンザルの食性の種内変異-研究の現状と課題-. 霊長類研究 28: 109-126.

著書(分担執筆)

1) Nahallage CAD, Huffman MA (2013). Macaque-human interactions in past and present-day Sri Lanka. In: Radhakrishna S, Huffman MA, Sinha A (eds.) The Macaque Connection: Cooperation and conflict between humans and macaques. Springer, New York, pp. 135-148.

編集

1) Huffman MA, Nakagawa N, Go Y, Imai H, Tomonaga M (2012) Monkeys, Apes, and Humans: Primatology in Japan. Springer Brief in Biology, pp. 62.

2) Radhakrishna S, Huffman MA, Sinha A eds. (2012). The Macaque Connection: Cooperation and conflict between humans and macaques. Springer, New York, pp. 268.

その他の執筆

1) 古市剛史 (2012) ボノボ-メスたちの平和力. 京都大学霊長類研究所編, 新・霊長類学のすすめ, 丸善出版, pp. 36-53.

2) 辻大和, 和田一雄, 渡邊邦夫 (2012) 野生ニホンザルの採食する木本植物以外の食物. 霊長類研究 28: 21-48.

3) 辻大和 (2012) テングザル 河と生きるサル. 日本熱帯生態学会ニューズレター. 87: 4-5.

4) 辻大和, 樋口尚子 (2012) 長期継続研究からわかること:金華山島のシカとサルの生活史と個体群動態. 哺乳類科学 52: 130-132.

5) 辻大和, Minh Van Nguyen, Ulibarri LR, Van Huu Nguyen, 濱田穣 (2012) ベトナム中部の自然保護区における霊長類の生態調査. 霊長類研究 28: 61-68.

学会発表

1) 古市剛史, Nackoney J (2012) コンゴ民主共和国戦時中の森林の空洞化: ランドサットイメージによる分析. 日本アフリカ学会第 49 回学術大会, 国立民族学博物館, (2012/05/27, 吹田市).

2) 吉田友教, 宮部貴子, 郡山尚紀, 竹元博幸, 生駒智子, 渡邉朗野, 兼子明久, 渡邊祥平, 齊藤暁, 早川敏之, 鈴木樹理, 岡本宗裕, 松沢哲郎, 古市剛史, 明里宏文 (2012) 大型類人猿における糞便サンプルを用いた人獣共通感染症の抗体スクリーニング方法の開発. 第 28 回日本霊長類学会大会,椙山女学園大学 (2012/07/07, 名古屋市).

3) 古市剛史, 坂巻哲也, Mulavwa MN (2012) ルオー学術保護区のボノボによる湿地林の利用. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/08, 名古屋市).

4) 橋本千絵, 古市剛史 (2012) ウガンダ共和国カリンズ森林の野生チンパンジーにおける, 遊動パターンとパーティ構成の雌雄差について. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/08, 椙山女学園大学, 名古屋市).

5) 竹元博幸, 樋口翔子, 川本芳, 坂巻哲也, 古市剛史 (2012) ボノボ野生個体群の広域的な遺伝子構造:ミトコンドリアDNA タイプの多様性と分布(予報). 第28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/08, 椙山女学園大学, 名古屋市).

6) Hashimoto C, Sakamaki T, Mulavwa MN, Furuichi T (2012) Hourly, daily, and monthly changes in the size and composition of parties of chimpanzees at Kalinzu and bonobos at Wamba. The 24th Congress of International Primatological Society (2012/08/14, Cancun, Mexico).

7) Furuichi T, Nackoney J (2012) Bonobo conservation at Wamba: maintaining peaceful coexistence & positive community attitudes during challenging times in the DRC. The 24th Congress of International Primatological Society (2012/08/14, Cancun, Mexico).

8) Furuichi T, Sakamaki T, Mulavwa MN (2012) Swamp forest: an indispensable resource for wild bonobos. The 24th Congress of International Primatological Society (2012/08/14, Cancun, Mexico).

9) Barnett A, Alho C, Chism J, Covert H, Feanside P, Fragaszy D, Goncalves FR, Furuichi T, Hanya G, Hashimoto C (2012) Primates of flooded habitats: threats, perspectives and future research. The 24th Congress of International Primatological Society (2012/08/14, Cancun, Mexico).

10) Hashimoto C, Furuichi T (2012) Female association and ranging in chimpanzees of the Kalinzu Forest, Uganda. The 24th Congress of International Primatological Society (2012/08/15, Cancun, Mexico).

11) Yoshida T, Takemoto H, Sato E, Sakamaki T, Miyabe-Nishiwaki T, Ikoma T, Watanabe A, Kaneko A, Watanabe S, Hayakawa T, Suzuki J, Okamoto M, Matsuzawa T, Akari H, Furuichi T (2012) Epidemological study of zoonotic pathogens by screening of IgA antibodies in wild great apes in Africa. The 24th Congress of International Primatological Society (2012/08/15, Cancun, Mexico).

12) Huffman MA, Nahallage CAD, Kawamoto Y, Kawamoto S, Shotake T (2012) Two is company, three is a crowd: the phylogeography of toque macaques (Macaca sinica) in Sri Lanka. 日本霊長類学会 (2012/07/08, 名古屋).

13) Huffman MA (2012) 嵐山でどんな研究が行われたか, 餌付けの果たした役割と問題点. 自由集会, 日本霊長類学会 (2012/07/07, 名古屋).

14) Huffman MA, Nahallage CAD, Ekanayake S, Hasegawa H (2012) Primate Zoonoses in Southeast Asia. The 3rd International Symposium on Southeast Asian Primates Research (The 3rd SEA-Primate): Diversity and Evolution of Asian Primates (2012/08/27-30, Bangkok, Thailand).

15) Nahallage CAD, Huffman MA, Kawamoto Y, Kawamoto S, Shotake T (2012) The phylogeography of toque macaques (Macaca Sinica) in Sri Lanka. The 3rd International Symposium on Southeast Asian Primates Research (The 3rd SEA-Primate): Diversity and Evolution of Asian Primates (2012/08/27-30, Bangkok, Thailand).

16) Huffman MA, Nahallage CAD, Ekanayake S, Hasegawa H, De Silva LDGG, Athauda IRK (2012) Preliminary parasitic survey of the natural primate reservoirs of potential zoonoses in Sri Lanka. International Research Conference (2012/11/08-09, Colombo, Sri Lanka).

17) Pebsworth PA, Archer CA, Appleton CC, Huffman MA (2012) Risk of parasite transmission from geophagic and foraging behavior. The 24th Congress of the International Primatological Society (2012/08/15, Cancun Mexico).

18) Pebsworth PA (2012) Monitoring geophagy sites using camera traps: lessons learned, data earned. The 24th Congress of the International Primatological Society (2012/08/15, Cancun Mexico).

19) Pebsworth PA, Morgan HR, Huffman MA (2012) Evaluating home range techniques: use of global positioning system collar data from chacma baboons. The 24th Congress of the International Primatological Society (2012/08/15, Cancun Mexico).

20) Tsuji Y, Hanya G, Grueter CC (2012) Feeding strategy of primate inhabit the Asian temperate forest: a comparison between cercopithecinae and colobinae. The 3rd International Symposium of Southeast Asian Primates: Diversity and Evolution of Asian Primates (2012/08/27-30, Bangkok, Thailand).

21) Tsuji Y, Hanya G, Grueter CC (2012) Feeding strategy of primate inhabit the Asian temperate forest: a comparison between cercopithecinae and Colobinae. The 24th Congress of the International Primatological Society (2012/08/15, Cancun, Mexico).

22) 辻大和, Widayati KA, Hadi I, Suryobroto B, 渡邊邦夫 (2013) 食物をめぐる野生ジャワルトン (Trachypithecus auratus) とルサジカ (Cervus timorensis) の種間関係. 日本生態学会 (2012/03/05-09, 静岡).

23) 杉浦秀樹, 下岡ゆき子, 辻大和 (2013) ニホンザルは群れのまとまりをどのように保っているか? 日本生態学会 (2013/03/05-09, 静岡).

24) 辻大和, Widayati KA, Hadi I, Suryobroto, 渡邊邦夫 (2012) 性皮の斑状模様を活用した野生ジャワルトン (Trachypithecus auratus) の個体識別法. 日本哺乳類学会 (2012/09/20-23, 麻布大学).

25) 杉浦秀樹, 下岡ゆき子, Di Fiore A, 辻大和, Link A (2012) ニホンザルとクモザルのサブグルーピングの比較. 日本霊長類学会 (2012/07/06-08, 椙山女学園大学).

26) 辻大和 (2012) 堅果類の結実の年次的な変動がニホンザルによる液果類の種子散布特性におよぼす影響. 日本霊長類学会 (2012/07/06-08, 椙山女学園大学).

27) 辻大和 (2012) ニホンザルによる種子散布:環境変動と個体差の影響. 日本生態学会 (2012/03/05-09, 静岡).

28) 辻大和 (2012) "DEER" FRIENDS:食物を巡るジャワルトンとルサジカの種間関係. 生態系における霊長類の役割. 京都大学霊長類研究所共同利用研究会 (2/16-17, 犬山).

29) 辻大和 (2012) ニホンザルのメスは時には動く. 日本哺乳類学会 (2012/09/20-23, 麻布大学).

30) 辻大和 (2012) 高島賞受賞記念講演 サルの「食」にとことんこだわってみた!―食性の時空間変異とその要因, そして採食が森林生態系におよぼす影響―. 日本霊長類学会 (2012/07-06-08, 椙山女学園大学).

31) Takehsita RSC (2012) Dehydroepiandrosterone-sulfate concentrations in Japanese macaques (Macaca fuscata): the influence of age and season. XXIV Congress of the International Primatological Society (2012/08/12-17, Cancun, Mexico).

32) Takehsita RSC (2012) Dehydroepiandrosterone-sulfate concentrations in Japanese macaques (Macaca fuscata): the influence of age and season. International Network Workshop on Tropical Biodiversity Conservation (2012/10, Manaus, Brazil).

33) Han S (2012) Comparative study of female sociality of captive Pan species. 日本霊長類学会 (2012/07/06-08, 椙山女学園大学).

講演

1) 古市剛史 (2012/05/22) 一宮高校スーパーサイエンスハイスクール講義, 一宮.

2) 古市剛史 (2012/12/11) 名城大学付属高校スーパーサイエンスハイスクール講義, 名古屋.

3) Huffman MA (2012/12/05) 一宮高校スーパーサイエンスハイスクール講義, 一宮.

4) Huffman MA (2012/04/28) Animal self-medication. TEDx Osaka, 大阪市.

5) Huffman MA (2012/08/18) 動物に学ぶ薬草利用, 数理の翼. 福岡県大川市.

6) Huffman MA (2012/08/19) 霊長類の健康管理と薬草の世界. モンキーカーレッジ, 日本モンキーセンター,犬山市.

7) Huffman MA (2012/10/16) The evolution of medicinal plant use in African great apes and traditional human societies. University of Indiana, Bloomington, IL, USA.

8) Huffman MA (2012/10/18) The evolution of self-medication in the animal kingdom - with special reference to the primates. New York Primate Consortium in Evolutionary Primatology, New York City, NY, USA.

9) Huffman MA (2012/12/26) The phylogeography of toque macaques and their zoonotic parasites. Pingtung, Taiwan.

10) Huffman MA (2013/02/09) 野生霊長類の薬用植物利用. 京都健康フォーラム, 京都.

11) Huffman MA (2013/03/22) Cultural transmission in primates: an overview of 670 years of research. Royal Asiatic Society of Sri Lanka, Colombo, Sri Lanka.

12) 辻大和 (2013/03) 研究者の仕事. 愛知県犬山市立城東中学校『働く人の話を聞く会』, 犬山.

13) 辻大和 (2012/07) 森にタネをまくサルたち:種子散布者としての霊長類の役割. 京都大学霊長類研究所犬山公開講座, 京都大学霊長類研究所, 犬山.

14) Takehsita RSC (2012) Endocrinologia em primatas nao-humanos e perspectivas para realizar pos-graduacao no Japao. (Endocrinology in nonhuman primates and prospects for graduate studies in Japan). Universidade Federal Rural da Amazonia, Belem, Brazil.

 

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行動神経研究部門

思考言語分野

<研究概要>

A) チンパンジーの比較認知発達研究
松沢哲郎, 友永雅己, 林美里, 服部裕子, 足立幾磨, Christopher Martin (以上, 国際共同先端研究センター), 濱田穣 (形態進化分野), 西村剛 (系統発生分野), 鈴木樹理, 宮部貴子, 前田典彦, 渡邉朗野, 兼子明久, 渡邉祥平 (以上, 人類進化モデル研究センター), 熊崎清則, 南雲純治, 落合知美, 高島友子, 市野悦子, 酒井朋子, 村松明穂, 兪リラ, 植田想, Christoph Dahl, Mariska Kret, 村井千寿子 (玉川大), 牛谷智一 (千葉大), 後藤和宏(相模女子大), 佐野明人, 田中由浩、酒井基行(以上, 名工大)
1 群 14 個体のチンパンジーとヒトを対象として, 比較認知発達研究を総合的におこなった。 認知機能の解析として, コンピュータ課題や対象操作課題など各種認知課題を継続しておこなった。 主として, 1 個体のテスト場面で, 数系列学習, 色と文字の対応, 視線の認識, 顔の知覚, 注意, パターン認識, 視覚探索, カテゴリー認識, 物理的事象の認識, 視聴覚統合, 触覚認知,情動認知, 運動知覚, 行動の同調などの研究をおこなった。 また, チンパンジー2 個体を対象とし, チンパンジーの行動が他者に影響されるかどうかを社会的知性の観点から検討した。脳や身体各部の計測もおこなっている。

B) チンパンジーにおけるアイトラッカーを用いた視線計測
友永雅己, 植田想
チンパンジーとヒトを対象に, 非拘束型のアイトラッカーを用いて, 各種の視覚刺激提示時や課題遂行時の視線の計測をおこなった。

C) 野生チンパンジーの道具使用と文化的変異と森林再生
松沢哲郎, 林美里, 森村成樹, 山梨裕美, 兪リラ, 早川卓志 (遺伝子情報), 山本真也 (ヒト科 3 種比較研究プロジェクト), Christopher Martin (国際共同先端研究センター), 山越言, 藤澤道子 (以上、京都大), 大橋岳 (JMC), Tatyana Humle (ケント大), Dora Biro (オックスフォード大), Katelijne Koops (ケンブリッジ大), Kimberley Hockings (リスボン新大), Susana Carvalho (ケンブリッジ大), Nicola Bryson-Morrison, Lucy Simone D'Auvergne (以上、ケント大), Aly Gaspard Soumah (IREB)
西アフリカ・ギニアのボッソウと, 東隣のニンバ山とコートジボワール領内, 西隣のディエケの森, 南隣のリベリア領内で, 野生チンパンジーの行動と生態を調査し, 記録の解析をおこなった。 また,「緑の回廊」と呼ぶ森林再生研究を試み, 苗木を覆う東屋を設置する活動を継続した。

D) 飼育霊長類の環境エンリッチメント
友永雅己, 松沢哲郎, 林美里, 熊崎清則, 落合知美, 山梨裕美, 櫻庭陽子, 市野悦子, 鈴木樹理, 前田典彦, 渡邉祥平,藤森唯, ゴドジャリ静 (以上, 人類進化モデル研究センター)
動物福祉の立場から環境エンリッチメントに関する研究をおこなった。3 次元構築物の導入や植樹の効果の評価, 認知実験がチンパンジーの行動に及ぼす影響の評価、新設した実験スペースを活用した認知エンリッチメント、毛髪等の試料を利用した長期的なストレスの評価、エンリッチメント用の遊具の導入,採食エンリッチメントなどの研究と行動観察をおこなった。

E) 各種霊長類の認知発達
友永雅己, 松沢哲郎, 打越万喜子, 村井千寿子 (玉川大), 多々良成紀, 福守朗, 山田信宏, 小西克哉(以上高知県のいち動物公園), 安藤寿康(慶応大), 川上文人(東京大), 岸本健(聖心女子大)
アジルテナガザル, マカクザルの幼児, および新世界ザル各種成体を対象に, 種々の認知能力とその発達について検討をおこなった。さらに、高知県のいち動物公園において二卵性双生児のチンパンジーの行動発達を縦断的に観察している。

F) ヒトの子どもの認知発達
林美里, 服部裕子
犬山市の心身障害児デイサービスセンター「こすもす園」で, 自閉症, ダウン症, 広汎性発達障害など非定型発達児のコミュニケーション行動の発達について, 参与観察研究をおこなった。

G) 動物園のチンパンジーの知性の研究
櫻庭陽子, 足立幾磨 (国際共同先端研究センター), 松沢哲郎
名古屋市の東山動物園のチンパンジー1 群 6 個体を対象に,新設された屋外運動場での社会行動を観察記録した。また, 「パンラボ」と名づけられたブースにおいて, 道具使用とコンピュータ課題の 2 つの側面から知性の研究をおこなった。

H) 鯨類と大型類人猿の比較認知研究
友永雅己, 村山美穂, 森阪匡通 (野生動物研究センター), 中原史生(常磐大), 斉藤豊, 上野友香, 堂崎正弘, 小倉仁,西本沙代, 伊藤美穂, 森朋子, 日登弘, 祖一誠(以上, 名古屋港水族館), 駒場昌幸(九十九島水族館), 佐々木恭子, 柏木伸幸, 築地新光子(かごしま水族館)
名古屋港水族館, 九十九島水族館, かごしま水族館との共同研 6 究として, 鯨類の認知研究を進めている。とくに, イルカにおける視覚認知, サインの理解, 視覚的個体識別などを大型類人猿との比較研究として進めている。

I) 大型類人猿の比較認知研究
松沢哲郎, 友永雅己, 林美里, 金森朝子, 幸島司郎, 久世濃子(以上, 野生動物研究センター), 明和政子, 山本英実 (以上、京都大), 山崎彩夏 (東京農工大), 川上文人(東京大), Renata Mendonca (コインブラ大), Sinun Weide (ヤヤサンサバ財団), Hamid Ahmad Abdul (マレーシア・サバ大), Dharmalingam Sabapathy (オランウータン島財団), Daniel Baskaran (プラウバンディング財団), Mashhor Mansor (マレーシア科学大学)
マレーシアのサバ州で野生オランウータンの生態と行動の調査をおこなった。また, マレー半島の飼育オランウータンを対象とした認知研究と, オランウータンを野生復帰させる試み、母子ペアの行動観察をおこなっている。

J) WISH 大型ケージを用いた比較認知科学研究
松沢哲郎, 友永雅己, 林美里, 足立幾磨 (国際共同先端研究センター), 山梨裕美, 高島友子, 市野悦子, 熊崎清則
2011 年度に WISH 事業で導入された比較認知科学大型実験ケージ設備の運用を開始した。チンパンジーの飼育環境の中に実験装置を導入し、いつでもどこでも好きな時に実験に参加できる環境を構築した。また、顔認証による個体識別システムを導入して、各個体の課題の進捗に応じた実験の実施が可能なシステムの構築を進めている。


<研究業績>

原著論文

1) Dahl CD, Rasch MJ, Tomonaga M, Adachi I (2013) Developmental processes in face perception. Scientific Reports, 3, 1044. DOI: 10.1038/srep01044.

2) Hattori Y, Tomonaga M, Matsuzawa T (2013) Spontaneous synchronized tapping to an auditory rhythm in a chimpanzee. Scientific Reports, 3, 1566. DOI: 10.1038/srep01566.

3) Hayashi M, Ohashi G, Heung Jin R (2012) Responses toward a trapped animal by wild bonobos at Wamba. Animal Cognition 15: 731-735.

4) Hirata S, Matsuda G, Ueno A, Fukushima H, Fuwa K, Sugama K, Kusunoki K, Tomonaga M, Hiraki K, Hasegawa T (2013) Brain response to affective pictures in the chimpanzee. Scientific Reports, 3, 1342.| DOI: 10.1038/srep01342.

5) Hockings KJ, Humle T, Carvalho S, Matsuzawa T (2012) Chimpanzee interactions with nonhuman species in an anthropogenic habitat Behaviour, 149(3-4), 299 ? 324. doi: 10.1163/156853912X636735.

6) Imura T, Adachi I, Hattori Y, Tomonaga M (2013) Perception of the motion trajectory of objects from moving cast shadows in infant Japanese macaques (Macaca fuscata). Developmental Science, 16, 227?233. DOI: 10.1111/desc.12020.

7) Kaneko T, Tomonaga M (2012) Relative contributions of goal representation and kinematic information to self-monitoring by chimpanzees and humans. Cognition, 125, 168?178.

8) Kano F, Call J, Tomonaga M (2012) Face and eye scanning in gorillas (Gorilla gorilla), orangutans (Pongo pygmaeus), and humans (Homo sapiens): Unique eye-viewing patterns in humans among hominids. Journal of Comparative Psychology, 126, 388-398. DOI: 10.1037/a0029615.

9) Kano F, Tomonaga M (2013) Head-mounted eye tracking of a chimpanzee under naturalistic conditions. PLoS ONE, 8, e59785. doi:10.1371/journal.pone.0059785.

10) Kano F, Yamanashi Y, Tomonaga M (2012) Toward understanding chimpanzee emotion and well-being. Psychologia, 55, 9-20.

11) Koops K, McGrew WC. , Matsuzawa T (2012) Ecology of culture: do environmental factors influence foraging tool use in wild chimpanzees, Pan troglodytes verus? Animal Behaviour. doi: 10.1016/j.anbehav.2012.10.022.

12) Kooriyama T, Okamoto M, Yoshida T, Nishida T, Tsubota T, Saito A, Tomonaga M, Matsuzawa T, Akari H, Nishimura H, Miyabe-Nishiwaki T (2012) Epidemiological study of zoonoses derived from humans in captive chimpanzees. Primates, 54, 89?98. doi: 10.1007/s10329-012-0320-8.

13) Matsuzawa T (2013) Evolution of the brain and social behavior in chimpanzees Current Opinion in Neurobiology, 23:1-7. doi: 10.1016/j.conb.2013.01.012.

14) Matsuzawa T (2012) GRASP in Paris 2012. Pan Africa News 19(2), 15-16.

15) Miyanohara M, Imai S, Okamoto M, Saito W, Nomura Y, Momoi Y, Tomonaga M, Hanada N (2013) Distribution of Streptococcus troglodytae and Streptococcus dentirousett in chimpanzee oral cavities. Microbiology and Immunology, 57: 359-365, doi: 10.1111/1348-0421.12047.

16) Morimura N, Fujisawa M, Mori Y, Teramoto M (2012) Environmental influence on a behavioral index of sleep in captive male chimpanzees (Pan troglodytes). International Journal of Primatology, 33(4), 822-829.

17) Okamoto M, Imai S, Miyanohara M, Saito W, Momoi Y, Abo T, Nomura Y, Ikawa T, Ogawa T, Miyabe-Nishiwaki T, Kaneko A, Watanabe A, Watanabe S, Hayashi M, Tomonaga M, Hanada N (2013) Streptococcus troglodytae sp. nov., from the chimpanzee oral cavity. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology, 63, 418-422. doi: 10.1099/ijs.0.039388-0.

18) Sakai T, Matsui M, Mikami A, Malkova L, Hamada Y, Tomonaga M, Suzuki J, Tanaka M, Miyabe-Nishiwaki T, Makishima H, Nakatsukasa M, Matsuzawa T (2013) Developmental patterns of chimpanzee cerebral tissues provide important clues for understanding the remarkable enlargement of the human brain. Proceedings of the Royal Society Series B, 280, 1471-2954. doi:10.1098/rspb.2012.2398.

19) Sakai T, Hirata S, Fuwa K, Sugama K, Kusunoki K, Makishima H, Eguchi T, Yamada S, Ogihara N, Takeshita H (2012) “Fetal brain development in chimpanzees versus humans” Current Biology. 22 (18):R791-792.

20) Weiss A, Inoue-Murayama M, King JE, Adams MJ, Matsuzawa T (2012) All too human? Chimpanzee and orang-utan personalities are not anthropomorphic projections. Animal Behaviour, 83(6), 1355?1365. doi: 10.1016/j.anbehav.2012.02.024.

21) Weiss A, King JE. , Inoue-Murayama M, Matsuzawa T, Oswald AJ. (2012) Evidence for a midlife crisis in great apes consistent with the U-shape in human well-being. Proceedings of the National Academy of Sciences, 109(49).

総説

1) Kano F, Yamanashi Y, Tomonaga M (2012) Emotions as an intervening variable in understanding the cognitive and social complexity and well-being of chimpanzees. Psychologia, 55, 9-20.

2) Huffman MA, Nakagawa N, Go Y, Imai H, Tomonaga M (2012) Monkyes, apes, and humans: Primatology in Japan, 52 pp (+ viii), Tokyo: Springer.

3) Tomonaga M, Myowa-Yamakoshi M, Mizuno Y, Okamoto S, Yamaguchi MK, Kosugi D, Bard KA, Tanaka M, Matsuzawa T. (2012). Chimpanzee social cognition in early life: Comparative?developmental perspective. In TR Zentall & EA Wasserman (Eds), The Oxford handbook of comparative cognition (pp.851-861). New York: Oxford University Press.林美里 (2012) チンパンジーとボノボ―女性がリードするボノボの社会. 発達 131: 96-103. (4)村松明穂, 松沢哲郎 (2012) 数字の記憶と加齢変化. 科学 4 月号(第 124 回), 440-441.松沢哲郎 (2013) 福祉につながる認知研究. 発達 133(34), 96-103.

報告

1) 友永雅己 (2013) 続・霊長研拾遺物語:クレオの成長と次世代の繁殖. Child Research Net、論文・レポート.http://www.blog.crn.or.jp/report/02/167.html.

著書(分担執筆)

1) 林美里 (2012) 霊長類の心の進化―比較認知発達の視点から. 京都大学霊長類研究所(編)「新・霊長類学のすすめ」82-93, 丸善出版株式会社.

2) 林美里 (2012) 「物遊び」から発達をとらえる. 中川尚史・友永雅己・山極寿一(編) 日本のサル学のあした─霊長類研究という「人間学」の可能性(WAKUWAKU ときめきサイエンスシリーズ3). 京都, 京都通信社. 202-207.

3) 酒井朋子 (2012) ヒト, チンパンジーの前頭前野がゆっくり発達するわけ. 中川尚史・友永雅己・山極寿一(編) 日本のサル学のあした─霊長類研究という「人間学」の可能性(WAKUWAKU ときめきサイエンスシリーズ3). 京都, 京都通信社. 172-177.

4) 友永雅己 (2012) 問いかけるチンパンジー.中川尚史・友永雅己・山極寿一(編) 日本のサル学のあした─霊長類研究という「人間学」の可能性(WAKUWAKU ときめきサイエンスシリーズ3). 京都, 京都通信社. 218-219.

5) 友永雅己, 森村成樹 (2012) チンパンジー日記. 阿形清和, 森哲(監修), 井上敬, 高井正成, 高林純示, 船山典子, 村山美穂(編)「生き物たちのつづれ織り(下)」,京都:京都大学出版会 pp.101-109.

6) 山梨裕美 (2012) チンパンジーとわたしの微妙な関係. 中川尚史・友永雅己・山極寿一(編) 日本のサル学のあした─霊長類研究という「人間学」の可能性(WAKUWAKU ときめきサイエンスシリーズ3). 京都, 京都通信社, 184-185.

編集

1) 中川尚史, 友永雅己, 山極寿一(編著) (2012) 日本のサル学のあした─霊長類研究という「人間学」の可能性(WAKUWAKU ときめきサイエンスシリーズ3). 京都, 京都通信社.

その他の執筆

1) 林美里 (2012) ちびっこオランウータン. 科学 82: 614-615.

2) 林美里 (2012) チンパンジーの誕生会 2012. 科学 82: 1352-1353.

3) 平田聡, 鵜殿俊史, 友永雅己, 松沢哲郎 (2012) 30 年ぶりの空:136 人いた医学感染実験チンパンジーがゼロになった. 科学 8 月号(第 128 回) 866-867.

4) 平田聡, 森村成樹, 友永雅己, 松沢哲郎 (2012) チンパンジー研究の新時代:WISH 大型ケージ熊本 1 号機の稼働. 科学, 9 月号(第 129 回) 962-963.

5) 松沢哲郎 (2013) 類人猿にも「中年の危機」がある?科学 1 月号(第 133 回), 52-53.

6) 松沢哲郎 (2012) 植物園にすむクモザル. 科学 10 月号(第 130 回), 1148-1149.

7) 平田聡, 酒井朋子, 竹下秀子 (2012) ヒトの脳はいかにして巨大化したか――チンパンジー胎児の比較発達研究. 科学, 82: 1212-1213.

8) 友永雅己 (2012) 熊本サンクチュアリにようこそ.(ちびっこチンパンジーと仲間たち(第 121 回)). 科学, 82, 38-39.

9) ユリラ・友永雅己 (2012) 同調する行動.(ちびっこチンパンジーと仲間たち(第 125 回)). 科学, 82, 496-497.

10) 友永雅己 (2013) ダナム・バレーにて.(ちびっこチンパンジーと仲間たち(第 134 回)). 科学, 83, 160-161.

学会発表

1) Albiach-Serrano A, Adachi I, Tomonaga M (2012) Growing old, growing wild: Variables affecting inhibitory control in Japanese macaques (Macaca fuscata). 24th Congress of the International Primatological Society (2012/08/12-17, Cancun, Mexico).

2) Dahl DC, Rasch MJ, Tomonaga M, Adachi I (2012) Developmental processes in face perception: Implications from experiments with chimpanzees. 24th Congress of the International Primatological Society (2012/08/12-17, Cancun, Mexico).

3) Dahl DC, Rasch MJ, Tomonaga M, Adachi I (2012) Face inversion in chimpanzees. 24th Congress of the International Primatological Society (2012/08/12-17, Cancun, Mexico).

4) de Boisferon AH, Dupierrix E, Meary D, Di Giorgio E, Simion F, Lee K, Quinn PC, Tomonaga M, Pascalis O (2012) It is in the eye but not that early. International symposium of face perception and recognition (2012/10/31-11/03, Okazaki, Aichi, Japan).

5) Hayashi M, Sakuraba Y, Watanabe S, Kaneko A (2012) Behavioral recovery from tetraparesis in a captive chimpanzee. XXIV Congress of the International Primatological Society (2012/08/15, Cancun, Mexico).

6) Imai S, Okamoto M, Miyanohara M, Saito W, Momoi Y, Abo T, Nomura Y, Ikawa T, Ogawa T, Miyabe-Nishiwaki T, Kaneko A, Watanabe A, Watanabe S, Hayashi M, Tomonaga M, Hanada N (2012) Distribution of Streptococci in oral flora of chimpanzee. The sixth International Association for Dental Research Pan-European Region Meeting (IADR/PER) (2012/09/12-15, Helsinki, Finland).

7) Kaneko T, Tomonaga M (2012) Loss of visual field caused by an arachnoid cyst in a chimpanzee. 24th Congress of the International Primatological Society (2012/08/12-17, Cancun, Mexico).

8) Kano F, Hiratam S, Call J, Tomonaga M (2012) The visual strategy specific to humans among hominids: A study using the gap-overlap paradigm. 24th Congress of the International Primatological Society (2012/08/12-17, Cancun, Mexico).

9) Morimura N, Seres M, Mori Y (2012) Male group formation and its maintenance in captive chimpanzees. IPS XXIV Congress of the International Primatological Society ( 2012/8/12-17, Cancun, Mexico).

10) Murai C, Tomonaga M (2013) Chimpanzees’ causal perception of animate-inanimate object motions. Tamagawa-Caltech Joint Lecture Course Reward and Decision-making on Risk and Aversion (2013/03/05-08, Wikiki, Hawaii, USA).

11) Okamoto M, Imai S, Miyanohara M, Saito W, Momoi Y, Abo T, Nomura Y, Ikawa T, Ogawa T, Miyabe-Nishiwaki T, Kaneko A, Watanabe A, Watanabe S, Hayashi M, Tomonaga M, Hanada M (2012) A novel mutans Streptococci isolated from chimpanzee oral cavity. The sixth International Association for Dental Research Pan-European Region Meeting (IADR/PER) (2012/09/12-15, Helsinki, Finland).

12) Tomonaga M (2012) Factors affecting the judgments of motion direction by chimpanzees. 24th Congress of the International Primatological Society (2012/08/12-17, Cancun, Mexico).

13) Ueda S, Tomonaga M (2012) Long-term retention of symbolic matching to sample by a chimpanzee. XXIV Congress of the International Promatological Society (2012/08/12-17, Cancun , Mexico).

14) Kim Y, Choe JC, Park H, Tomonaga M (2012) Orangutans do not benefit others, 15th symposium of SAGA (Support for African/Asian Great Apes) (2012/11/17-18, Sapporo City University, Japan).

15) Kim Y, Ko E, Lappan S, Kezel A, Kwon SW, Choe JC (2012) Changes in fecal estrogen levels and sexual behavior in captive Sichuan snub-nosed monkeys (Rhinopithecus roxellana) following a male replacement, The 28th annual meeting of PSJ, Sugiyama Women University (2012/06/06-08, Nagoya, Japan).

16) Yu L, Tomonaga M (2012) Behavioral synchrony in chimpanzees and humans. 24th Congress of the International Primatological Society, (2012/08/12-17, Cancun, Mexico).

17) 秋吉由佳, 森ことの, 平栗明実, 林美里 (2012) チンパンジーの発達に伴う社会関係の変化~最近接個体の縦断的解析 ~. 第 15 回 SAGA シンポジウム(2012/11/17-18, 札幌市立大学・札幌市円山動物園).

18) 有賀菜津美, 森ことの, 山梨裕美, 林美里 (2012) 放飼場の改修工事がチンパンジーに与える影響評価 ―利用場所について―.第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学・札幌市円山動物園).

19) 後藤和宏, 友永雅己 (2012) チンパンジーの顔認知における創発性の検討. 日本動物心理学会第 72 回大会(2012/05/12-13, 関西学院大学).

20) 郷康広, 辰本将司, 豊田敦, 西村理, 友永雅己, 平井啓久, 松沢哲郎, 藤山秋佐夫, 阿形清和 (2012) チンパンジーパーソナルゲノム研究. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/06-08, 名古屋市, 椙山女学園大学).

21) 服部裕子, 友永雅己 (2012) チンパンジーにおける外部刺激がおよぼすタッピングのリズムへの影響─電子キーボードを用いたタッピング課題での検討. 日本動物心理学会第 72 回大会 (2012/05/12-13, 関西学院大学).

22) 林美里, 竹下秀子 (2012) チンパンジーとヒト幼児における二次元平面への積木配置:空間配置と順序の規則性. 日本霊長類学会第 28 回学術集会 (2012/07/07, 椙山女学園大学, 名古屋市).

23) 平賀真紀, 小川直子, 富岡由香里, 小倉典子, 小林和彦, 齋藤憲弥, 森村成樹 (2012) 飼育チンパンジーの繁殖に伴う群れの個体間関係と行動の変化. 第 15 回 SAGA シンポジウム,(2012/11/17-18, 札幌市立大学・円山動物園).

24) 平賀真紀, 小川直子, 富岡由香里, 小林和彦, 小倉典子, 齋藤憲弥, 森村成樹 (2012) 動物園動物の調査研究. ず~ばってん。動物園大学③in 熊本(2013/03/24, 熊本市動植物園).

25) 平栗明実, 秋吉由佳, 森ことの, 林美里 (2012) チンパンジーの群れ再編に伴う社会関係の変化.第15 回SAGAシンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学・札幌市円山動物園).

26) 平田聡, 森村成樹, 友永雅己, 松沢哲郎 (2012) 熊本サンクチュアリ「比較認知科学実験用大型ケージ」の完成と稼働. 第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌円山動物園).

27) 廣澤麻里, 寺本研, 野上悦子, 森村成樹 (2012) 飼育チンパンジーの複雄複雌の群れ作り事例. 第 15 回 SAGAシンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学・円山動物園).

28) 久川智恵美, 早川大輔, 吉川貴臣, 鵜殿俊史, 森村成樹 (2012) チンパンジーの皮膚及び口腔内常在菌の検索について(予報). 第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学・円山動物園).

29) 市野悦子, 足立幾磨, 松沢哲郎 (2012) チンパンジーの夜間の就眠場所の記録:性周期と気温の影響. 第 15回 SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学・札幌市円山動物園).

30) 市野悦子, 藤森唯, 木村元大, 福守朗, 小西克也, 山田信宏, 木村夏子, 松村秀一, 友永雅己 (2012) チンパンジーのふたごの成長にともなう社会関係の変化. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/06-08, 名古屋市, 椙山女学園大学).

31) 川上文人, 川上清文, 友永雅己, 岸本健, 南徹弘, 高井清子 (2012) 母子の共同課題遂行場面における誇り感情表出. 日本心理学会第 76 回大会 (2012/09/13, 専修大学).

32) 木村元大, 市野悦子, 藤森唯, 友永雅己, 福守朗, 小西克也, 山田信宏, 笠木靖, 多々良成紀 (2012) ふたごチンパンジーの成長にともなう社会関係の変化. 第15 回SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌円山動物園).

33) 岸本健, 福守朗, 小西克也, 山田信宏, 木村夏子, 安藤寿康, 友永雅己 (2013) 高知県立のいち動物公園のチンパンジー・コミュニティにおける母親以外のコミュニティメンバーによる双子への世話行動. 日本双生児研究学会第 27 回大会 (2013/01/26, 慶応義塾大学).

34) 黒澤圭貴・川口ゆり・友永雅己(2012) チンパンジーは自分の選択の正誤を判断しているか?第 15 回 SAGA シンポジウム(2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌円山動物園).(抄録:要旨集, p.27-28)

35) 森ことの, 有賀菜津美, 山梨裕美, 林美里 (2012) 物理的・社会的環境の変化がチンパンジーの行動に与える影響評価. 第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌市円山動物園).

36) 森村成樹, 平田聡, 友永雅己, 松沢哲郎 (2012) チンパンジー飼育施設をむすぶ連結ケージの導入. 第 15 回SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌円山動物園).

37) 村井千寿子, 友永雅己 (2012) チンパンジーにおける物体運動の因果認識. 日本心理学会第 76 回大会(2012/09/13, 専修大学).

38) 村井千寿子, 友永雅己 (2012) チンパンジーにおける生物・非生物の区別. 日本動物行動学会第 31 回大会( 2012/11/23-25, 奈良女子大学).

39) 村井千寿子, 友永雅己 (2012) チンパンジーにおける運動の因果性による生物・非生物の区別. 日本認知科学会第 29 回大会 (2012/12/13-15, 東北大学).

40) 村井千寿子, 友永雅己 (2013) チンパンジーにおける生物・非生物の区別. 大阪大学・玉川大学 GCOE 合同ワークショップ (2013/01/19-20, ヒルトン名古屋).

41) 西村剛, 森太志, 埴田翔, 熊畑清, 石川滋, 鈴木樹理, 宮部貴子, 林美里, 友永雅己, 松沢哲郎, 松澤照男 (2012) チンパンジーにおける鼻腔の生理学的機能に関する数値流体力学的研究. 第15 回SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌円山動物園).

42) 落合知美, 綿貫宏史朗, 西村剛, 今井啓雄, 郷康広, 伊谷原一, 友永雅己, 松沢哲郎 (2012) 大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)の10年の活動を振り返って. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/06-08, 椙山女学園大学).

43) 落合知美, 綿貫宏史朗, 今井啓雄, 郷康広, 西村剛, 伊谷原一, 友永雅己, 松沢哲郎 (2012) 類人猿の飼育履歴:GAIN ウェブサイトの紹介. 第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11/07-08, 札幌市立大学).

44) 落合知美, 綿貫宏史朗, 西村剛, 郷康広, 今井啓雄, 伊谷原一, 友永雅己, 松沢哲郎 (2012) 大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)の活動紹介. 第 35 回日本分子生物学会年会 特別企画 NBRP 実物つきパネル展示「バイオリソース勢ぞろい」(2012/12/11-14, マリンメッセ福岡).

45) 酒井朋子, 平田聡, 竹下秀子, 松井三枝, 三上章允, 濱田穣, 松沢哲郎 (2012) チンパンジーの大脳組織の発達過程はヒトの脳進化を理解する上での新たな見識を与える. 第66 回日本人類学会大会 (2012/11/03, 慶應大学, 神奈川).

46) 酒井朋子, 平田聡, 不破紅樹, 竹下秀子 (2012) チンパンジー胎児の脳成長に関する縦断的研究:ヒトの大脳化の発達メカニズムの解明に向けて. 第 12 回日本赤ちゃん学会学術集会 (2012/06/02, 玉川大学, 東京).

47) 櫻庭陽子, 友永雅己, 林美里 (2012) パソコン課題に対するモチベーションの変化-障害を持つチンパンジーの場合. 日本霊長類学会第 28 回大会 (2012/07/06-08, 名古屋).

48) 櫻庭陽子, 友永雅己, 林美里 (2012) 障がいをもつチンパンジーにおける認知課題のリハビリテーションへの応用. 第 15 回 SAGA シンポジウム(2012/11/17-18, 札幌, 円山動物園).

49) 島田かなえ, 二宮茂, 森村成樹, 友永雅己 (2012) 集団編成が飼育下チンパンジーの社会行動に与える影響. 第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌円山動物園).

50) 鈴木健太, 櫻庭陽子, 市野悦子, 木村元大, 島田かなえ, 渡邊みなみ, 近藤祐治, 山本光陽, 木村幸一, 足立幾磨 (2012) チンパンジーに対する認知的エンリッチメント:東山動植物園での 3 年間の活動. 第 15 回 SAGAシンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌市円山動物園).

51) 友永雅己 (2012) チンパンジーにおける「顔らしさ」の知覚. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/06-08, 名古屋市, 椙山女学園大学).

52) 友永雅己 (2012) チンパンジーにおけるヒトの視線方向の弁別. 日本心理学会第 76 回大会 (2012/09/13, 専修大学).

53) 友永雅己, 森裕介(2012) チンパンジーにおける数の大小の相対比較. 第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌円山動物園).

54) 友永雅己, 上野友香, 佐藤麻美, 小倉 仁, 陳香純 (2012) バンドウイルカ(Tursiops truncatus)のサイン理解における自己中心座標系の役割. 日本動物心理学会第 72 回大会 (2012/05/12-13, 関西学院大学).

55) 鵜殿俊史, 廣澤麻里, 野上悦子, 寺本研, 藤澤道子, 友永雅己 (2012) 歩行障害および呼吸困難を呈したチンパンジーの子宮内膜症疑い例. 第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌円山動物園).

56) 植田想, 兼子峰明, 友永雅己 (2012) チンパンジーにおける「盲視」.日本動物心理学会第 72 回大会 (2012/05/12-13, 関西学院大学).

57) 植田想, 兼子峰明, 友永雅己 (2012) チンパンジーにおける「盲視」.日本霊長類学会第 28 回大会 (2012/07/06-08, 椙山女学園大学).

58) 渡邉朗野, 兼子明久, 渡邉祥平, 前田典彦, 熊崎清則, 友永雅己, 林美里, 松沢哲郎, 渡辺成利, 大西由希子, 古川裕祥 (2012) 老齢チンパンジーの慢性便滞留による腹囲膨満に対するコロンハイドロセラピー(大腸洗浄法)の試み. 第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌円山動物園).

59) 渡邉祥平, 前田典彦, 熊崎清則, 足立幾磨, 林美里, 友永雅己, 松沢哲郎 (2012) 新チンパンジー大型ケージの紹介. 第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌円山動物園).

60) 渡辺創太, 友永雅己, 藤田和生 (2012) ニホンザル乳児は目標刺激の運動認知時に周囲刺激運動を関連付けない. 日本心理学会第 76 回大会 (2012/09/13, 専修大学).

61) 綿貫宏史朗, 落合知美, 森村成樹, 平田聡, 松沢哲郎 (2012) 日本におけるチンパンジーの飼育下個体群の変遷. 第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11-07-08, 札幌市立大学).

62) 綿貫宏史朗, 落合知美, 友永雅己, 伊谷原一, 松沢哲郎 (2013) 大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)の活動紹介~過去の個体調査~.動物園大学 3 in 熊本「ず~ばってん。」(2013/03/24, 熊本市動植物園).

63) 山田信宏, 小西克弥, 福守朗, 笠木靖, 木村夏子, 友永雅己, 市野悦子, 藤森唯, 安藤寿康, 岸本健, 西内章, 吉井喜美, 木村元大 (2012) 双子のチンパンジーの比較発達研究における高知県立のいち動物公園の協同体制. 第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌円山動物園).

64) 山田信宏, 小西克弥, 福守朗, 笠木靖, 木村夏子, 友永雅己, 市野悦子, 藤森唯, 安藤寿康, 岸本健, 西内章, 吉井喜美, 木村元大 (2012). 双子のチンパンジーの比較発達研究における高知県立のいち動物公園の協同体制について. 第60回動物園技術者研究会 (2013/10/17-18, 宮崎シーガイアコンベンションセンター).

65) 山梨裕美, 森村成樹, 森裕介, 林美里, 鈴木樹里 (2012) チンパンジー(Pan troglodytes)における毛中コルチゾルの測定, 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/06-08, 椙山女子大学).

66) 山梨裕美, 森村成樹, 不破紅樹, 森裕介, 野上悦子, 平田聡, 林美里, 鈴木樹里 (2012) チンパンジーの体毛からストレスを測る. 第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11/17-18, 札幌市立大学, 札幌円山動物園).

67) 山梨裕美, 森村成樹, 平田聡, 不破紅樹, 森裕介, 野上悦子, 林美里, 鈴木樹里 (2013) チンパンジーにおける体毛中コルチゾルの測定. 日本応用動物行動学会 (2013/03/28, 安田女子大学).

68) ユリラ, 服部裕子, 友永雅己 (2012) チンパンジーにおける社会的, 物理的刺激に対する同調行動. 日本動物心理学会第 72 回大会自由集会「動物の同調行動と親和性」(2012/05/11, 関西学院大学).

69) ユリラ, 友永雅己 (2012) ヒトとチンパンジーにおける自発的な行動の同調. 日本動物心理学会第 72 回大会 (2012/05/12-13, 関西学院大学).

70) ユリラ, 友永雅己 (2012) チンパンジーにおけるタッピング行動の同調. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07/06-08, 名古屋市, 椙山女学園大学).

講演

1) Hayashi M (2012/04/26) “Nurturing nature” project at Orang Utan Island. International Institute for Advanced Studies, Research project: Origin of human mind, 4th meeting, Kyoto.

2) Hayashi M (2012/10/08) Cognitive development in great apes and humans. AA Symposium "Conservation of isolated primate populations", Inuyama.

3) Matsuzawa T (2012/08/02) What is uniquely human?: An answer from the study of chimpanzee mind. 120th APA Convention, Orlando, USA.

4) Matsuzawa T (2012/08/16) What is uniquely human?: An answer from the study of chimpanzee mind. International Primatological Society XXIV, Cancun, Mexico.

5) Matsuzawa T (2012/08/29) Brain revolution in humans and chimpanzees. BMAP 2012 "Diseases and Evolution of Brain and Mind", Tokyo.

6) Matsuzawa T (2012/10/27) The chimpanzees of Bossou and Nimba. The International symposium: Cycle and Span of Sustainability, Uji.

7) Matsuzawa T (2012/10/29) The chimpanzees of Bossou and Nimba. The International symposium: Cycle and Span of Sustainability, Uji.

8) Matsuzawa T (2013/02/15) Behavioral and neuroanatomical comparison of cognitive development in Pan troglodytes and Homo sapiens. AAAS 2013 annual meeting, Boston, USA.

9) Matsuzawa T (2012/02/18) The zoo as a window for the nature: Research, Conservation, and Welfare of the chimpanzees. Special Seminar at the University of Chicago, Chicago, USA.

10) Matsuzawa T (2012/02/19) The zoo as a window for the nature: Research, Conservation, and Welfare of the chimpanzees. Lincoln Park Zoo, Chicago, USA.

11) Matsuzawa T (2013/03/06) Comparative cognitive science: research, conservation, and welfare of the chimpanzees. School of Biological Science, University Science Malaysia, Penang, Malaysia.

12) Matsuzawa T (2013/03/07) What is uniquely human?: a view from the study of chimpanzees. Department of Education, University Science Malaysia, Penang, Malaysia.

13) Matsuzawa T (2013/03/24) What is uniquely human?: An answer from the study of chimpanzees. Yunnan University of Science and Technology, Kunming, China.

14) Matsuzawa T (2013/03/25) Comparative cognitive science: Research, Conservation, and welfare of the chimpanzees. Kunming Institute of Zoology, Kunming, China.

15) Matsuzawa T (2013/03/25) What is uniquely human?: An answer from the study of chimpanzees. Yunnan University of Finance and Economy, Kunming, China.

16) Matsuzawa T (2013/03/26) Comparative cognitive science: Research, Conservation, and welfare of the chimpanzees. Southwest University of Forestry, Kunming, China.

17) 林美里 (2012/10/14) チンパンジーの子育てに学ぶ. フレンズ・TOHO 特別講演, 愛知東邦大学, 名古屋市

18) 松沢哲郎 (2012/04/12) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 第 112 回日本外科学会定期学術集会, 東京.

19) 松沢哲郎 (2012/05/24) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 平成 24 年度明和高等学校SSH 基調講演, 犬山.

20) 松沢哲郎 (2012/06/10) 人間とは何かをアウトグループから考える:ボノボ・ゴリラ・オランウータンの野外調査から.(財)日本モンキーセンター・モンキーカレッジ, 犬山.

21) 松沢哲郎 (2012/07/13) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 平成 24 年度有信会東海支部総会, 名古屋.

22) 松沢哲郎 (2012/07/19) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 清水東高等学校 SSH 基礎講座, 静岡.

23) 松沢哲郎 (2012/09/12) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 第 59 回日本栄養改善学会学術総会, 名古屋.

24) 松沢哲郎 (2012/09/13) ICP2016 を成功させるために. 日本心理学会第 76 回大会, 川崎.

25) 松沢哲郎 (2012/10/25) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 天野エンザイム㈱講演会, 名古屋.

26) 松沢哲郎 (2012/10/28) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 第 22 回市民公開日, 犬山.

27) 松沢哲郎 (2012/10/30) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 第 41 回法然院夜の森の教室, 京都.

28) 松沢哲郎 (2012/11/10) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 小牧市医師会創立 35 周年記念講演会, 小牧.

29) 松沢哲郎 (2012/11/16) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 平成 24 年度全国社会福祉大会, 東京.

30) 松沢哲郎 (2012/11/22) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 京都大学高校生フォーラム in Tokyo, 東京.

31) 松沢哲郎 (2012/11/24) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 鹿児島国際大学大学院記念公開シンポジウム「学の創造-知的好奇心を育む」,鹿児島.

32) 松沢哲郎 (2012/11/30) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 第 19 回大宅フォーラム, 東京.

33) 松沢哲郎 (2012/12/01) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. エンリッチメント大賞 2012講演会, 東京.

34) 松沢哲郎 (2013/01/31) 模倣と想像. 平成 24 年度生理研究会/第 2 回社会神経科学研究会「社会の中で生きる心の理解」,岡崎.

35) 松沢哲郎 (2013/03/02) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 平成 24 年度「こころと命」講演会, 和歌山.

36) 松沢哲郎 (2013/03/21) 想像するちから:チンパンジーが教えてくれた人間の心. 第 40 回千種川カンファレンス, 赤穂.

37) 友永雅己 (2012/04/15) チンパンジーの暮らしとこころの世界. ふたごのチンパンジー公開講座, 高知県立のいち動物公園.

38) 友永雅己 (2012/08/02) 海のこころ、森のこころ ─イルカと類人猿の知性の比較認知科学─.2012 年度愛知大学心理学専攻犬山研修レクチャー,コパン各務原.

39) 友永雅己 (2012/08/06) チンパンジーにおける社会的知覚. 京大霊長研・慶応大・実中研・理研合同セミナー,京都大学霊長類研究所.

40) 友永雅己 (2012/09/04-06) 進化と発達. 日本認知科学会サマースクール 2012, 箱根富士屋ホテル.

41) 友永雅己 (2012/09/23) チンパンジーのこころを探る. 平成 24 年度京都大学霊長類研究所東京公開講座『霊長類研究の最前線』,日本科学未来館.

42) 友永雅己 (2012/12/10) 海のこころ、森のこころ ─ こころの起源に迫る比較認知科学 ─.電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーショングループ HCG シンポジウム 2012, くまもと森都心(しんとしん)プラザ.

43) 友永雅己 (2012/09/14-15) Social perception in chimpanzees. 国際高等研究所研究プロジェクト「心の起源」2012年度第 2 回研究会”Cross-cultural and cross-species communication”,国際高等研究所.


 

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認知学習分野

<研究概要>

A) 子どもを対象とした認知実験と、発達障害児を対象とした学習支援
小川詩乃, 磯村朋子, 山田智子, 田中美都, 柴崎全弘, 松尾祐弥, 南雲純治(霊長研・思考言語分野), 伊藤祐康(国立
障害者リハビリテーションセンター研究所), 村田(福島)美和(東京大学), 田村綾菜(昭和女子大学), 井田美沙子(鳥取大学), 常深浩平(いわき短期大学), 久保南海子(愛知淑徳大学), 船曳康子(京大・医学部), 長岡千賀(京大・こころの未来研究センター), 森崎礼子(京大・こころの未来研究センター), 吉川左紀子(京大・こころの未来研究センター), 室橋春光(北海道大学), 正高信男 子ども(発達障害児含む)を対象に認知実験を行った。また発達障害児には、継続的に学習支援を行った。さらに、読み書き支援ソフトを開発し、家庭や学校に配布した。

B) 胎児期と生後の環境相互作用による脳機能の適応変化
後藤幸織, 加藤朱美
研究の立ち上げをおこなった。

C) 霊長類の社会認知とコミュニケーションの進化に関する研究
香田啓貴, 柴崎全弘, 伊藤亮, 佐藤杏奈, Helene Bouchet, 川合伸幸(名古屋大学), 加藤朱美, 國枝匠, 石田恵子, 南雲純治(霊長研・思考言語分野), 西村剛(霊長研・系統発生分野), 森哲(京大・理学研究科), 正高信男
ニホンザル、フサオマキザル、グエノン、テナガザルなどを対象に、霊長類やそのほかの動物における、彼らの社会認知の特性や視聴覚コミュニケーションがどのように進化してきたのかを、実験室・野生下の両者において、フィールド研究と実験研究の両面から、国内外において研究を行っている。

<研究業績>

原著論文

1) Ito R, Ikeuchi I, Mori A (2013) A day gecko darkens its body color in response to avian alarm calls. Current Herpetology 32(1): 26-33.

2) 船曳康子, 廣瀬公人, 川岸久也, 大下顕, 田村綾菜, 福島美和, 小川詩乃, 伊藤祐康, 吉川左紀子, 村井俊哉. (2013) 発達障害者の特性理解用レーダーチャート(MSPA)の作成及び信頼性の検討. 児童青年精神医学とその近接領域.54(1). pp14-26

3) Shibasaki M, Ishida M (2012) Effects of overtraining on extinction in newts (Cynops pyrrhogaster). Journal of Comparative Psychology 126, 368-371.

4) Koda H, Oyakawa C, Nurulkamilah S, Rizaldi, Sugiura H, Bakar A, Masataka N (2012) Male Replacement and Stability of Territorial Boundary in a Group of Agile Gibbons. Primates 53(4), 327-332.

5) Kawai N, Kubo-Kawai N, Kubo K, Terazawa T, Masataka N (2012) Distinct aging effects for two types of inhibition in older adults: a near-infrared spectroscopy study on the Simon task and the flanker task. NeuroReport 23(14) :819-824.

6) Koda H (2012) Possible use of heterospecific food-associated calls of macaques by sika deer for foraging efficiency. Behavioural Processes 91(5): 30-34.

7) Koda H, Nishimura T, Tokuda TI, Oyakawa C, Nihonmatsu K, Masataka N (2012) Soprano singing in gibbons. American Journal of Physical Anthropology 149(3), 347-355.

8) Ogawa S, Fukushima-Murata M, Kubo-Kawai N, Asai T, Taniai H, Masataka N (2012) Variation of Characteristics of Reading and Writing Difficulties in Japanese Children with Learning Disabilities. Proceedings of the 34th Annual Meeting of the Cognitive Science Society. 2109-2114.

9) Sato A, Koda H, Lemasson A, Nagumo S, Masataka N (2012) Visual recognition of age class and preference for infantile features:implications for species-specific vs universal cognitive traits in primates. PLoS ONE 7(5): e38387

10) Ito R, Mori A (2012) The Madagascan spiny-tailed iguana alters the sequence of anti-predator responses depending on predator types. African Journal of Herpetology 61(1): 58-68.

総説

1) 後藤幸織, 青木清 (2012) 環境適応としての胎児期脳発達の変化:精神疾患との関連について. 生存科学 A, Volume 23, Series A, 37-51.

著書(分担執筆)

1) 香田啓貴 (2012) 霊長類のコミュニケーションとその進化. 新・霊長類学のすすめ(霊長類研究所編), 67-81, 丸善.

2) 香田啓貴 (2012)「歌」を歌うサルーテナガザルの多様な音声. 生き物たちのつづれ織り[上] 多様性と普遍性が彩る生物模様 (阿形清和, 森哲 監修/井上敬, 高井正成, 高林純示, 船山典子, 村山美穂 編). 189-196, 京都大学学術出版会.

その他の執筆

1) 小川詩乃 (正高信男ら監修) (2013) 特別支援に使える教材紹介. 特定非営利活動法人 発達障害療育センター.

2) 小川詩乃, 井田美沙子 (正高信男ら監修) (2013) 読み書きに関する簡易アセスメント. 定非営利活動法人 発達障害療育センター.

3) 小川詩乃, 井田美沙子, 磯村朋子, 田中美都, 山田智子 (正高信男ら監修) (2013) 「ことばのがくしゅう」を活用した学習方法アイデア集 Part 2. 特定非営利活動法人 発達障害療育センター.

学会発表

1) 瀧田正寿, 李英娥, 後藤幸織 (2013) 幼弱時手綱核破壊後の前頭前野ドーパミン・セロトニン放出の発達的変化. 第 90 回日本生理学会大会 (2013/03/27-29, 東京都江戸川区).

2) 磯村朋子 (2013) 自閉症児における怒り顔発見の優位性の発達的変化. 第 24 回日本発達心理学会大会 (2013/03/17, 東京都港区).

3) 磯村朋子 (2013) 自閉症児における表情に対する感受性の発達.ラウンドテーブル「発達障害児を対象とした支援と研究の両立を考える」(話題提供者). 日本発達心理学会第 24 回大会 (2013/03/15, 東京都港区).

4) 小川詩乃 (2013) 読み書き困難に関わる認知的特徴と実際の支援~アセスメント結果と実態の乖離~.日本発達心理学会第 24 回大会 (2013/03/15, 東京都港区).

5) 伊藤亮, 森哲 (2013) マダガスカルのトカゲ類による未経験の警戒音声に対する反応. 日本生態学会第60 回全国大会 (2013/03/07, 静岡市).

6) Isomura T, Masataka N (2012) Finding a face in the crowd: The anger superiority effect in children with and without autism spectrum disorders. IIAS Research Conference 2012 “Evolutionary Origins of Human Mind” (2012/12/04, Kizugawa, Japan).

7) 柴崎全弘, 正高信男 (2012) 色が時間知覚に及ぼす効果:赤の特殊性に関する進化心理学的考察. 日本人間行動進化学会第 5 回大会 (2012/12/02, 東京都目黒区).

8) 佐藤杏奈, 香田啓貴, Lemasson A, 南雲純治, 正高信男 (2012) 霊長類における乳児画像への選好性の検討. 第31 回動物行動学会大会 (2012/11/24, 奈良市).

9) 佐藤杏奈, 香田啓貴, Lemasson A, 南雲純治, 正高信男 (2012) サルは赤ちゃんが好き?~霊長類における乳児画像への選好性の検討~. SAGA15 (2012/11/17, 札幌市).

10) 小川詩乃, 井田美沙子, 田村綾菜, 伊藤祐康, 吉川左紀子 (2012) 広汎性発達障害児における物語理解の困難をもたらす要因の検討. 第 53 回日本児童青年精神医学会総会 (2012/11/02, 東京都千代田区).

11) 田村綾菜, 小川詩乃, 伊藤祐康, 吉川左紀子 (2012) 発達障害児におけるP-F スタディの反応の縦断的検討. 第53 回日本児童青年精神医学会総会 (2012/11/01, 東京都千代田区).

12) Isomura T, Masataka N (2012) Developmental Change of Sensitivity to Threatening Faces in Children with Autism Spectrum Disorders. 43rd NIPS International Symposium “Face Perception and Recognition” (2012/11/01, Okazaki, Japan).

13) 小川詩乃 (2012) 発達障害児の学習支援と心の発達~保護者支援と合わせて~. 日本 LD 学会第 21 回大会 (2012/10 /08, 仙台市).

14) 小川詩乃, 清長豊, 井田美沙子, 伊藤祐康, 村田美和, 福庭由也, 正高信男 (2012) 学校現場における ICT 教材を使った読み書き支援の実践. 日本 LD 学会第 21 回大会 (2012/10 /07, 仙台市).

15) 柴崎全弘, 香田啓貴 (2012) ニホンザルにおける視聴覚間マッチング -警戒音はヘビに対する注視時間を増大させるか?-.日本心理学会第 76 回大会 (2012/09/12, 川崎市).

16) 磯村朋子, 正高信男 (2012) 自閉症児における怒り顔優位性効果の検討. 日本心理学会第 76 回大会 (2012/09/11, 川崎市).

17) 柴崎全弘, 香田啓貴, 正高信男 (2012) 色が時間知覚に及ぼす効果. 日本行動分析学会第 30 回大会 (2012/09/01, 高知市).

18) Koda H (2012) Possible use of heterospecific food-associated calls of macaques by sika deer. International Primatology Society XXIV Congress (2012/08/13, Cancun, Mexico).

19) Sato A, Koda H, Lemasson A, Nagumo S, Masataka N (2012) Preference for infantile physical images in two primate species. International Primatology Society XXIV Congress (2012/08/15, Cancun, Mexico).

20) Isomura T, Ito H, Ogawa S, Fukushima M, Shibasaki M, Masataka N (2012) The Anger Superiority Effect in Children with and without Autism. COGSCI2012 (2012/08/03, Sapporo, Japan).

21) Ogawa S, Fukushima-Murata M, Kubo-Kawai N, Asai T, Taniai H, Masataka N (2012) Variation of Characteristics of Reading and Writing Difficulties in Japanese Children with Learning Disabilities. COGSCI2012 (2012/08/02, Sapporo, Japan).

22) 佐藤杏奈, 香田啓貴, Lemasson A, 南雲純治, 正高信男 (2012) 霊長類における乳児画像への選好性の検討. 第28 回霊長類学会大会 (2012/07/07, 名古屋市).

23) 柴崎全弘, 香田啓貴, 正高信男 (2012) 色がニホンザルの時間知覚に及ぼす効果. 日本動物心理学会第 72 回大会 (2012/5/13, 西宮市).

講演

後藤幸織 (2012/12/05) Are Psychiatric Disorders Environmental Adaptation?: Evolutionary Adaptation Hypothesis, 「神経科学的アプローチによる論理的行動モデルの研究 精神・神経疾患における熟慮的意思決定障害の脳内基盤の解明」に関する学術講演会, 京都大学.



 

 

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高次脳機能分野

<研究概要>

A) 顔情報処理における腹外側前頭前野ニューロンの役割の研究
鴻池菜保, 倉岡康治(近畿大学), 中村克樹
社会的情報の処理に関わる脳内機序を解明することを目的に、アカゲザルの腹外側前頭前野から単一ニューロン活動を記録し、他個体の表情などの刺激に対する応答性を解析した。扁桃核ニューロンと腹外側前頭前野ニューロンの応答性差を解析した。

B) コモンマーモセットの認知機能計測
中村克樹, 竹本篤史, 三輪美樹, 堀田英莉, 渡辺智子, 清原和裕
コモンマーモセットの認知機能(知覚・記憶等)を調べるために、遅延見本合せ課題を用いてマーモセットの視覚認知地図を調べたり、逆転学習課題を用いて脳内の特定の伝達物質系を乱したときの認知機能の変化を調べたりした。

C) 乳幼児の視線計測に基づく動作理解の発達研究
中村克樹, 中村徳子(昭和女子大学), 佐々木丈夫(日本公文教育研究会)
健常児と発達障害児の動作理解能力を比較・検討するために、非侵襲的に視線を計測する専用装置を用い視覚刺激に対する注視パターンを調べた。

D) 情動行動に関わる脳領域の神経結合様式の研究
中村克樹, 宮地重弘, 鴻池菜保, 金侑璃, 酒多穂波
情動行動に関わる神経回路を解明することを目的に、ニホンザルの脳の前帯状皮質に複数の神経トレーサーを注入し、扁桃核や視床を中心とした各領域にける標識神経細胞の分布を解析した。

E) ヒトのリズム制御の神経メカニズム解明
鴻池菜保, 杉浦元亮(東北大学), 川島隆太(東北大学), 中村克樹
リズムの脳内表象を明らかにするため、健常成人を対象としてリズム記憶・再生課題を、右手指・左手指・眼・口・足で実施する課題を開発し実施した。また、この課題を遂行中の被験者の脳活動、機能的 MRI を用いて計測するための準備を行った。

F) 自由判断の神経機序の研究
酒多穂波, 竹本篤史, 中村克樹
自由判断に関わる神経メカニズムを解明することを目指し、脳波計測用の自由選択課題を開発した。また、高密度脳波のシステムの調整を行い、研究の準備を行った。

G) 睡眠と情動に関する研究
金侑璃, 鴻池菜保, 中村克樹
健常成人を対象に、一日夜間眠らせない断眠負荷をかけたときの脳内血流量への影響を調べるため、断眠負荷をかけたときの気分の変化を調べた。

H) 長期記憶および短期記憶に基づく行動決定の神経機構の研究
禰占雅史, 宮地重弘, 中村克樹
短期記憶に基づく行動決定および長期記憶に基づく行動決定をサルに行なわせ、その際の神経活動を外側前頭前野において記録、解析した。これまでに、長期記憶に基づく行動決定、および短期記憶に基づく行動決定のそれぞれに特異的な神経活動を記録できた。

I) 聴覚の神経基盤の研究
泉明宏, 中村克樹
音弁別課題遂行中のニホンザルの大脳皮質聴覚野から神経活動を記録し、聴覚野における情報の流れについて分析をおこなった。

J) 高次脳機能発達の神経基盤の解明
宮地重弘, 大石高生(統合脳システム), 高田昌彦(統合脳システム), 井上謙一(統合脳システム)
霊長類の大脳新皮質外側前頭前野を含む神経回路の認知機能における役割を明らかにするため、神経路選択的活動制御法を用い、頭頂葉―前頭前野投射および視床―前頭前野投射の実行機能における役割を検証した。

K) 運動関連皮質の生後発達の神経解剖・神経生理学的研究
宮地重弘, 禰占雅史
前頭葉運動関連領野の機能の生後発達を明らかにするため、マカクサル成熟個体および幼若個体を対象に、パラメータの異なる電気パルスにより、それぞれの皮質領域を刺激し、刺激により誘発されるさまざまな運動を観察、記録し、月齢、年齢ごとに比較した。

L) クロリン e6 の逆行性輸送と光反応による投射選択的神経破壊法の開発
宮地重弘, 纐纈大輔(生理学研究所)
脳内の特定の神経連絡の機能を明らかにするためには、投射選択的な神経細胞破壊法が有効な手段である。クロリン e6 を神経終末から取り込ませ、逆行性軸索輸送させたのちに細胞体に近赤外光を照射することによって、このような選択的破壊が可能である。この技術をサルの脳機能研究に応用するため、デキストランを用いたクロリンの逆行性輸送の検証を行なった。

M) コモンマーモセットの聴覚系列の知覚様式の解明
脇田真清
コモンマーモセットを用いて聴覚弁別訓練を行った。要素は共通であるが配列の異なる二つの音系列を用いて、相対弁別課題と絶対弁別課題を行った。結果、相対弁別条件では弁別ができても絶対弁別条件では弁別ができなかった。この結果はコモンマーモセットが聴覚系列の規則性を抽出することはできても、それらを長期記憶に貯蔵できないことを示している。

<研究業績>

原著論文

1) Shimazawa M, Nakamura S, Miwa M, Tsuruma K, Aihara M, Nakamura K, Hara H, Establishment of the ocular hypertension model using the common marmoset. Experimental Eye Research, in press.

2) Dobashi Y, Takemoto A, Shigezumi S, Shiraki S, Nakamura K, Matsumoto T, Online SSVEP-Based brain-machine interface with automatic determination of stopping time of training phase. International Journal of Computational Bioscience, in press.

3) Kuraoka K, Nakamura K, Categorical representation of social information in the central nucleus of the monkey amygdala. European Journal of Neuroscience, in press.

4) Koba R, Takemoto A, Miwa M, Nakamura K, Characteristics of serial order learning in common marmosets (Callithrix jacchus). Journal of Comparative Psychology, in press.

5) Takahara D, Inoue K, Hirata Y, Miyachi S, Nambu A, Takada M,Hoshi E (2012) Multisynaptic projections from the ventrolateral prefrontal cortex to the dorsal premotor cortex in macaques - anatomical substrate for conditional visuomotor behavior. Eur J Neurosci, 36(10): 3365?3375.

6) Lu X, Miyachi S, Takada M (2012) Anatomical evidence for the involvement of medial cerebellar output from the interpositus nuclei in cognitive functions. Proc Natl Acad Sci USA, 109(46):18980-4.

7) Konoike N, Kotozaki Y, Miyachi S, Miyauchi CM, Yomogida Y, Akimoto Y, Kuraoka K, Sugiura M, Kawashima R, Nakamura K (2012) Rhythm information represented in the fronto-parieto-cerebellar motor system. NeuroImage, 63:(1), 2012, P.328-338.

8) Konoike N, Mikami A, Miyachi S (2012) The influence of tempo upon the rhythmic motor control in macaque monkeys. Neuroscience Research, 74, pp. 64-67.

9) Izumi A, Tsuchida J, Yamaguchi C (2012) Effects of rearing conditions on early visual development in common marmosets. Developmental Psychobiology 54: 700-705.

10) Izumi A, Tsuchida J, Yamaguchi C (2013) Spontaneous alternation behavior in common marmosets (Callithrix jacchus). Journal of Comparative Psychology 127: 76-81.

11) Wakita M (2012) Monkeys perceive the orientation of objects relative to the vertical axis. Animal Cognition, 15, 1505-1209.

12) 脇田真清(2013)サルは話をするか. 哲学 130, 105?126.

総説

1) ' t Hart BA, Abbott DH, Nakamura k, Fuchs E (2012) The marmoset monkey: a multi-purpose preclinical and translational model of human biology and disease. Drug Discovery Today, 17: 1160-1165.

2) 鴻池菜保, 中村克樹 (2012) 顔・表情. Clinical Neuroscience 月刊 臨床神経科学 Vol.30, pp.902-905.

著書(分担執筆)

1) 川島隆太, 泰羅雅登, 中村克樹 (2013) 川島隆太教授の「あたま道場」論理的思考力を鍛える. 毎日新聞社.

2) 川島隆太, 泰羅雅登, 中村克樹 (2013) 川島隆太教授の「あたま道場」空間情報処理力を鍛える. 毎日新聞社.

3) 川島隆太, 泰羅雅登, 中村克樹 (2013) 川島隆太教授の「あたま道場」脳の総合力を鍛える. 毎日新聞社.

4) Shigezumi S, Hara H, Namba H, Serizawa C, Dobashi Y, Takemoto A, Nakamura K, Matsumoto T Brain-Computer Interface, Bayesian Sequential Learning for EEG-based BCI Classification Problems. (ONLINE での書)

5) 研究室紹介 (2012) 日本のサル学のあした, 京都通信社.

6) 中村克樹 (2012) 「第7章 社会行動の神経機序の生物学的理解へ ?コモンマーモセットと社会行動の脳科学」新・霊長類学のすすめ, 丸善出版, p94-109.

7) Izumi A (2012) Cross-modal representation in humans and nonhuman animals: a comparative perspective. (Integrating face and voice in person perception) (eds. Belin P, Campanell S, Ethofer T) p. 29-43 Springer.

その他執筆

1) 中村克樹「脳を鍛えたい 皆伝!新あたま道場」問題作成. 毎日新聞, 2012-2013.

2) 中村克樹「中村克樹の Do you 脳?」. (隔週土曜日連載). 毎日新聞, 2012.

学会発表

1) Nakamura K, Konoike N, Kotozaki Y, Miyachi S. Miyachi CM, Yomogida Y, Akimoto Y, Kuraoka K. Sugiura, Kawashima R (2012) Working memory of rhythm information in the front-parieto-cerebellar motor system. Dynamic Brain Forum 2012 (2012/09/03-06, Carmona, Seville, Spain).

2) Inoue-Nakamura N, Sasaki T, Nakamura K (2012) Visual scanning patterns during reading a picture book aloud by mothers in children with pervasive developmental disorder. Dynamic Brain Forum 2012 (2012/09/03-06, Carmona, Seville, Spain).

3) Hanazawa A, Nakamura K (2013) Smile Intensity Measurement for Dementia Elders Aiming at Estimation of Emotional Recovery by Learning Therapy. 2013 International Workshop on Advanced Image Technology (2013/01/07-09, Nagoya).

4) Konoike N, Kotozaki Y, Miyachi S, Miyauchi CM, Yomogida Y, Akimoto Y,Kuraoka K, Sugiura M, Kawashima R, Nakamura K (2012) Neural substrates for maintenance of rhythm information. The 35th Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society (2012/09-18-21, Nagoya).

5) 菊池恵理佳, 三輪美樹, 中村克樹 (2012) 「コモンマーモセットの物体の選好性に関する雌雄差」第 28 回日本霊長類学会(2012/07/06-08, 名古屋市).

6) 堀田英莉, 齋藤慈子, 中村克樹 (2012) 「コモンマーモセットの周産期における末梢オキシトシン濃度の変化」第 28 回日本霊長類学会(2012/07/06-08, 名古屋市).

7) 鯉田孝和, 横井 功, 岡澤 剛起, 三上 章允, カンティ アラム・ウィダヤティ, 宮地 重弘, 小松英彦 (2012) 遺伝子的に同定された1型2色覚サルの行動による色覚検査, 日本視覚学会 2012 年夏季大会(2012/08/06-08, 米沢市).

8) 中村克樹, 竹本篤史, 三輪美樹, 山口智恵子, 木場礼子 (2012) 「コモンマーモセットは顔の弁別が苦手」中部生理学会 (2012/11/ 16-17, 岡崎市).

9) 宮地重弘, 鴻池菜保, 三上章允 (2012) 「マカクサルの運動リズム制御におけるテンポの効果」中部生理学会(2012/11 16-17, 岡崎市).

10) 中村克樹 (2013) 「基盤記述チュートリアル ?マーモセットの飼育?」 第2回日本マーモセット研究会大会(2013/02/27-28, 東京都).

11) 脇田 真清 (2012) コモンマーモセット(Callithrix jacchus)における聴覚系列の知覚,?日本動物心理学会第 72 回大会 (2012/05/12-13, 西宮市).

12) 脇田真清 (2012) ヒトとサルは何が違う?ワークショップ「進化と異種比較から見るヒトの聴覚」, 日本心理学会第 76 回大会(2012/09/11?13, 川崎市).

13) 鴻池菜保 (2013) リズム情報処理に関わる前頭葉―頭頂葉―小脳システム, 平成 24 年度 生理学研究所研究会・グローバルネットワークによる脳情報処理 (2013/01/25-26, 岡崎市).

講演

特別講演

1) 中村克樹 (2012/10/31) 幼児の脳とこころを育む, 公文青森事務局開局30周年記念式典(公文教室指導者対象講演)、青森.

2) 中村克樹 (2012/10/21) 前頭葉と親子の絆づくり, 愛光幼稚舎, 松山.

3) 中村克樹 (2013/01/08-09) 幼児の脳とこころを育む, 公文教室指導者対象講演, 宇都宮.

4) 中村克樹 (2012/12/27) 脳と健康について, 第 35 回ニューロウェルネス研究会, 東京都.


 

 

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分子生理研究部門

統合脳システム分野

<研究概要>

A) 神経路選択的な活動抑制とトレーシングによる大脳ネットワークの構築と機能の解明
高田昌彦, 井上謙一
神経路選択的活動抑制法の確立と応用については、認知機能を含む眼球運動課題および上肢運動課題の2種類の行動課題を訓練したサルにおいて、テタヌストキシン軽鎖フラグメント等の細胞操作プローブの選択的導入が行動に及ぼす影響の解析を進めた。具体的には、眼球運動課題では前頭葉眼球運動関連領野(前頭眼野や補足眼野)からの出力系を構成するニューロンに、また、上肢運動課題では線条体および前頭前野領域(特に背外側部と背内側部)への入力系を構成するニューロンに細胞操作プローブを導入することによって、眼球運動あるいは上肢運動の異常を誘導することに成功し、その行動学的および電気生理学的解析をおこなった。さらに、神経路選択的な逆行性越シナプス的トレーシングの実現と応用については、前年度から継続している前頭葉の眼球運動関連領域および前頭前野領域への多シナプス性入力様式を同定するトレーシング実験結果の解析を進めるとともに、各種のトレーシングシステムに使用する狂犬病ウイルスベクターの改良をおこなった。具体的には、蛍光タンパク質を用いた逆行性越シナプス的多重トレーシング法については、発現量の向上などのベクター改良を進めてより実用的な4重トレーシング法を開発することに成功し、前頭前野領域(特に背外側部と背内側部)への多シナプス性入力様式の解析に適用した。他方、特定の神経路を選択的にマスクするOFF制御型逆行性越シナプス的トレーシングシステムに関しては、マスク効率の向上のために新規の抗狂犬病ウイルス細胞内抗体のスクリーニングを進め、また特定の神経路を選択的にラベルするON制御型逆行性越シナプス的トレーシングシステムに関しては、越シナプス性感染伝播効率の向上を実現するベクター改良をおこなった。

B) 遺伝子改変霊長類モデルの開発と高次脳機能の解析
高田昌彦, 大石高生, 松本正幸, 井上謙一, 二宮太平, 宮地重弘(高次脳機能)
① 神経路選択的遺伝子操作法を用いた大脳基底核の情報処理機構と機能的役割の解析 (1) イムノトキシン神経路標的法を用いて、ハイパー直接路を選択的に除去したモデルザルにおいて、運動野刺激に対する淡蒼球内節ニューロンの早い興奮性応答がハイパー直接路を経由することを明らかにした研究成果を原著論文として PLoS ONE 誌に発表した(Inoue and Koketsu et al., 2012)。 (2) Cre-loxP 神経路選択的遺伝子発現制御法を用いて、線条体に入力する黒質ドーパミンニューロンにその変性を誘導するアルファシヌクレインを発現させることによって、黒質線条体神経路を選択的に除去したパーキンソン病モデルザルを作製し、パーキンソン病様の運動障害および非運動障害の発現様式を行動学的に解析するとともに、ドーパミンニューロン変性の程度を組織学的に解析し、特に残存したドーパミンニ ューロンの神経線維にアルファシヌクレインの凝集がみとめられる等の新しい知見を得た。 (3) イムノトキシン神経路標的法を用いて、眼球運動制御に関与する皮質上丘路を選択的に除去したモデルザルを作製し、上丘に入力する前頭眼野ニューロンの脱落の程度を電気生理学的に確認した。また、複数の眼球運動課題を用いて行動学的変化を解析した結果、皮質上丘路が内部情報に基づく attention よりも外部情報に基づく attention に強く関与することが明らかになった。
② 逆行性感染型レンチウイルスベクターの改良 福島県立医科大学との共同研究により、サル脳において高い逆行性遺伝子導入効率とともに優れたニューロン特異性を有する逆行性感染型レンチウイルスベクターを NeuRet ベクターと命名し、これまでの成果に関する総説を発表した(Kato et al., 2013)。また、高精製度のベクターを安定的に回収する手法を改良し、上記①の業務に利用した。
③ 実行機能の脳内メカニズムの研究(大石, 宮地(高次脳機能)、泉(高次脳機能)) 背外側前頭前野が関与する実行機能に背外側前頭前野への複数の入力がそれぞれどのように寄与しているかを知るために、遺伝子導入法を用いて神経路選択的にシナプス伝達を抑制し、行動への影響を確認する研究を進めている。自己行動のモニター、物体認識、空間認識のそれぞれに関するワーキングメモリーが必要な 3 つの行動課題を全て訓練した個体 4 頭を作成し、その内の 2 頭にドキシサイクリン投与依存的に特定の神経路のシナプス伝達を抑制するためのベクター注入を行い、投与時と非投与時の学習成績を解析中である。

C) サルモデルによる皮質脊髄路の可塑性制御機構の検討
高田昌彦, 二宮太平, 大石高生
サルを用いて片側の外側皮質脊髄路(直接路)を損傷した脊髄損傷モデルを作製し、行動学的および形態学的解析を実施した。脊髄損傷モデルザルに精密把持課題を遂行させた結果、損傷後数日で機能回復が始まり、1?3ヶ月後には損傷前とほぼ変わらない程度にまで回復することを確認した。このようなモデルザルにおいて、狂犬病ウイルスを用いた逆行性越シナプス的神経トレーシングにより、残存している皮質脊髄路、いわゆる間接路の構築を調べた。損傷直後に同側の脊髄に狂犬病ウイルスを注入した例では、反対側の一次運動野に限局して越シナプス的ニューロンラベルが観察された。このことから、一次運動野だけでなく運動前野や補足運動野からの出力を中継する直接路とは異なり、間接路は一次運動野からの出力のみを中継することが明らかになった。また、機能回復した後 に損傷側と同側の脊髄に狂犬病ウイルスを注入した例では、両側の一次運動野に越シナプス的ニューロンラベルが観察された。このことは、リハビリテーションによる機能回復に損傷側と同側の一次運動野が関与する神経回路の再編成が寄与することを示唆している。

D) 霊長類の大脳―小脳―基底核ネットワークにおける運動情報処理の分散と統合
高田昌彦, 二宮太平, 井上謙一
順行性トレーシング法による構造解析 単一のサル(ニホンザルもしくはアカゲザル)の運動前野(PM;特に背側部)と補足運動野(SMA)の上肢領域を、皮質内微小刺激法により電気生理学的に同定し、それぞれの領域に異なる順行性神経トレーサーである BDA とWGA-HRP を注入した。このようなサルにおいて、PM と SMA の上肢領域から一次運動野(MI)の上肢領域への入力分布の層特異性を比較検討した結果、PM からの入力が MI の浅層(特に2層)を中心に分布するのに対して、SMAからの入力は層横断的かつカラム状に分布することが明らかになった。

E) 運動障害と認知障害を切り分けるパーキンソン病のサーキットパソロジー
高田昌彦, 井上謙一
Cre リコンビナーゼを発現する逆行性感染型レンチウイルスベクターをサルの線条体全体に注入し、その数週間後に、変異型α-synuclein を発現するアデノ随伴ウイルスベクター、AAV-floxed/stop-α-synuclein を黒質に注入したサルを作製した。これらのサルに前もってトレーニングしておいた採餌運動課題を実行させた結果、両ベクターの二重感染によりパーキンソン病様の運動障害および非運動障害を誘発できることを確認し、そのパターンや程度を行動学的に解析した。また、このようなパーキンソン病モデルザルの組織学的解析をおこなった結果、黒質ドーパミンニューロンの変性・脱落が確認されるとともに、線条体のドーパミン神経線維においてα-synuclein を包有する凝集体の存在を確認した。さらに、パーキンソン病に関連する運動機能や認知機能の異常を検出するための課題として採餌パターン切り替え課題をトレーニングしたサルを用いて、線条体の特定の部位に Cre リコンビナーゼを発現する逆行性感染型レンチウイルスベクターを注入することによって、運動機能もしくは認知機能に関係したドーパミン神経路に選択的に変異型α-synuclein を発現させて、課題遂行時における行動異常を解析した。また、ギャンブル課題などより高度な認知課題を実行するサルにおいて同様の解析をおこなうため、オンケージ型のタッチパネル式行動課題を用いたトレーニングを進めるとともに、発現特異性や発現量を向上させるため、ベクターシステムの改良をおこなった。

F) 霊長類脳の転写因子遺伝子発現とその発達に関する研究
大石高生
マカク大脳新皮質の 7 領野、海馬、被殻および小脳の発達における転写因子遺伝子発現解析を行っている。調べた約 2 万の遺伝子の内、全ての脳部位で変動していた遺伝子、大脳新皮質 7 領野で変動し、他の 3 部位では変動しなかった遺伝子がともに約 30 個あった。新皮質内の機能遺伝子群の発現の差は発達期に小さく、成体で最大であった。

G) 意欲を生み出す神経メカニズムの解明:前頭前野への中脳ドーパミン入力の役割
松本正幸, 高田昌彦
目標を達成して報酬を得よう、あるいは罰を避けようという「意欲」は前頭前野の働きの一つである。最近の研究は、前頭前野に報酬や罰に対して応答する神経細胞(ニューロン)が存在し、これらのニューロン応答が意欲のコントロールに関与することを示唆している。しかし、意欲に関連した前頭前野の神経活動がどのようなメカニズムによって生じるのかという根源的な問題は未解明のままである。 本研究では、そのメカニズムを明らかにするため、中脳ドーパミンニューロンから前頭前野に伝達される神経シグナルに注目する。ドーパミンニューロンは報酬や罰に関連した情報をコードしており、そのシグナルを前頭前野に伝達することによって、意欲に関連した前頭前野の活動を形成する基盤となっている可能性がある。そこで本研究では、ドーパミンニューロンから前頭前野にどのようなシグナルが伝達されているのか調べることを目的とし、前頭前野が発達したマカク属のサルを実験動物として用いた電気生理実験を計画している。具体的には、認知課題をサルに行わせ、ドーパミンニューロンと前頭前野ニューロンの活動を記録する。認知課題では、課題の難易度や報酬量をパラメータとして操作し、サルの意欲をコントロールする。そして、ドーパミンニューロンと前頭前野の活動を比較することにより、意欲に関わる難易度や報酬量の信号がドーパミンニューロンから前頭前野に伝達されているのか検証する。

平成 24 年度は、行動実験・電気生理実験によって、報酬量や難易度など意欲に関わるパラメータが操作可能な行動課題をサルにおこなわせ、ドーパミンニューロンがどのような信号を伝達しているのかを明らかにした(論文投稿中)。


<研究業績>

原著論文

1) Kojima T, Higo N, Sato A, Oishi T, Nishimura Y, Yamamoto T, Murata Y, Yoshino-Saito K, Onoe H, Isa T (2013) Functional annotation of genes differentially expressed between primary motor and prefrontal association cortices of macaque brain. Neurochemical Research 38(1):133-40.

2) McCairn KW, Iriki A, Isoda M (2013) Global dysrhythmia of cerebro-basal ganglia-cerebellar networks underlies motor tics following striatal disinhibition. Journal of Neuroscience Vol. 33(2), p697-708.

3) Ninomiya T, Sawamura H, Inoue K, Takada M (2012) Multisynaptic inputs from the medial temporal lobe to V4 in macaques. PLoS ONE 7(12):e52115.

4) Lu X, Miyachi S, Takada M (2012) Anatomical evidence for the involvement of medial cerebellar output from the interpositus nuclei in cognitive functions. Proc Natl Acad Sci USA, 109(46):18980-4.

5) Takahara D, Inoue K, Hirata Y, Miyachi S, Nambu A, Takada M, Hoshi E (2012) Multisynaptic projections from the ventrolateral prefrontal cortex to the dorsal premotor cortex in macaques - anatomical substrate for conditional visuomotor behavior. Eur J Neurosci, 36(10):3365-75.

6) Inoue K, Koketsu D, Kato S, Kobayashi K, Nambu A, Takada M (2012) Immunotoxin-mediated tract targeting in the primate brain: selective elimination of the cortico-subthalamic "hyperdirect" pathway. PLoS ONE 7(6):e39149.

7) Shimizu J, Fukuda T, Abe T, Ogihara M, Kubota J, Sasaki A, Azuma T, Sasaki K, Shimizu K, Oishi T, Umemura S, Furuhata H (2012) Ultrasound safety with midfrequency transcranial sonothrombolysis: preliminary study on normal macaca monkey brain. Ultrasound in Medicine & Biology 38(6):1040-50.

8) Ninomiya T, Sawamura H, Inoue K, Takada M (2012) Segregated pathways carrying top-down signals from frontal cortex to visual areas MT and V4 in macaques. J Neurosci 16;32(20):6851-6858.

9) McCairn KW, Iriki A, Isoda M (2012) High-frequency pallidal stimulation eliminates tic-related neuronal activity in a nonhuman primate model of Tourette syndrome. Neuroreport Vol. 23(4), p206-210.

総説

1) 高田昌彦(2012)大脳皮質?線条体の神経回路. Brain and Nerve「特集 線条体の基礎と臨床」,64:871-879.

2) 木村活生(2012)【パーキンソン病医学・医療の最前線】 (第 3 部)治療上の問題点 進行期パーキンソン病治療 脳深部刺激療法(DBS)の利点と欠点. Progress in Medicine, 32(6):1235-1240.

3) 木村活生, 山本 光利(2012)【Restless legs syndrome】 抗 Parkinson 病薬による restless legs syndrome の治療. 神経内科 76(1):67-74.

4) 木村活生, 山本 光利(2012)【類似する神経症候・徴候を正しく理解する-神経診断のピットフォール】 Apathyと anhedonia. Clinical Neuroscience 30(5):584-586.

学会発表

1) Takada M, Kobayashi K, Nambu A (2013) Immunotoxin-mediated tract targeting in the primate brain:selective elimination of the cortico-subthalamic “hyperdirect” pathway. 11th Triennial meeting of the International Basal Ganglia Society (2013/03/03-07, Eilat, Israel).

2) 大石高生, 佐藤明, 檜垣小百合, 近藤伸二, 小島俊男(2012)マカク中枢神経系の遺伝子発現の発達変化の解析. 第 59 回中部日本生理学会(2012/11/16, 岡崎).

3) Sawamura H, Ninomiya T , Inoue K , Takada M(2012)Architecture of multisynaptic inputs from the medial temporal lobe to V4 in macaques. 42th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2012/10/13-17, New Orleans, USA).

4) Ninomiya T, Nakagawa H, Ueno M, Nishimura Y, Oishi T, Ymashita T, Takada M(2012)Neural basis for functional compensation after spinal cord injury in macaques. 42th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2012/10/13-17, New Orleans, USA).

5) T. Kojima, N. Higo, A. Sato, T. Oishi, Y. Nishimura, T. Yamamoto, Y. Murata, K. Yoshino-Saito, H. Onoe, T. Isa (2012) Gene network analysis of genes differentially expressed between primary motor and prefrontal association cortices of macaque brain, 42th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2012/10/17, New Orleans, USA).

6) Y. Murata, N. Higo, T. Hayashi, Y. Nishimura, Y. Sugiyama, T. Oishi, H. Tsukada, T. Isa, H. Onoe (2012) The role of the ventral premotor area after primary motor cortex lesion in macaque monkeys: Involvement in functional compensation of grasping, 42th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2012/10/14, New Orleans, USA).

7) Bromberg-Martin ES, Matsumoto M, Hikosaka O (2012) Lateral habenula neurons encode risky rewards with distinct tonic and phasic motivational signals. 42th Annual Meeting of Society for Neuroscience (2012/10/14, New Orleans, USA).

8) 木村活生, 井上謙一, 奥田泰弘, 加藤成樹, 黒田呈子, 藤原真紀, 小林和人, 高田昌彦(2012)霊長類における改変型逆行性感染型レンチウィルスベクター使用による黒質ドーパミンニューロンへの選択的遺伝子発現. 第35 回日本神経科学大会(2012/09/20, 名古屋).

9) McCairn KW, Iriki A, Isoda M (2012) The cerebellum contributes to basal ganglia mediated motor tics. 第 35 回日本神経科学大会(2012/09/20, 名古屋).

10) 井上謙一, 纐纈大輔, 加藤成樹, 小林和人, 南部 篤, 高田昌彦(2012)イムノトキシン神経路標的法を用いたサル皮質-視床下核路の選択的除去. 第 35 回日本神経科学大会(2012/09/19, 名古屋).

11) 二宮太平, 中川 浩, 上野将紀, 西村幸男, 大石高生, 山下俊英, 高田昌彦 (2012)マカクザルにおける脊髄損傷後の機能回復に関与する神経回路再編成と機能分子発現. 第 35 回日本神経科学大会 (2012/09/19, 名古屋).

12) 杉山容子, 大石高生, 山下 晶子, 村田弓, 山本竜也, 伊佐 正, 肥後範行(2012)健常及び運動皮質損傷マカクサルにおける SPP1 の局在の違い.第 35 回日本神経科学大会(2012/09/19, 名古屋).

13) 大石高生, 佐藤明, 檜垣小百合, 近藤伸二, 小島俊男(2012)サル中枢神経系の遺伝子発現の発達の部位間比較. 第 35 回日本神経科学大会(2012/09/20, 名古屋).

14) Matsumoto M (2012) Midbrain dopamine neurons are divided into different functional groups. 10th International Catecholamine Symposium. (2012/09/10, Pacific Grove, USA).

15) Kimura K, Koyano S, Baba Y, Takahashi T, Suzuki Y, Kuroiwa Y (2012) Evaluation of the cerebral blood flow by 99 mTc-ECD SPECT using eZIS in hereditary spinocerebellar ataxias. 16th International Congress of Parkinson’s Disease and Movement Disorders(2012/06/17-21 , Dublin, Ireland).

講演

1) 木村活生(2012/12/15) やさしい脳の話「パーキンソン病の外科療法」,高松パーキンソン病市民公開講座, 高松神経内科クリニック, 高松市中央図書館会議室, 高松市.

2) 木村活生(2012/11/23)DBS どんな治療? パーキンソン病患者勉強会, 秋田県立脳血管研究センター神経内科, 秋田市 JA 会館, 秋田市.

3) 松本正幸(2012/11/20)Negative learning signals in the lateral habenula, Neurex Workshop “Habenula”, Strasbourg, France.

4) 井上謙一(2012/11/9)第9回ナショナルバイオリソースプログラム「ニホンザル」 公開シンポジウム, 神経路選択的な遺伝子導入による神経ネットワークの機能操作, 秋葉原 UDX, 東京.

5) 大石高生(2012/11/7) 変化する脳, くるる情報大学, 岐阜市.

6) 高田昌彦(2012/9/30)第 34 回日本生物学的精神医学会「遺伝子改変霊長類モデルを用いた精神神経疾患研究を目指して」,アルファシヌクレイン発現によるパーキンソン病サルモデルの開発, 神戸国際会議場, 神戸.

7) 高田昌彦(2012/09/19)第 35 回日本神経科学大会, ウイルスベクターを用いた遺伝子導入による神経回路の狙い撃ち作戦. 名古屋国際会議場, 名古屋.

8) 松本正幸, 高田昌彦(2012/9/18)中脳ドーパミンニューロンによる動機付け信号と認知信号の情報表現. 第35 回日本神経科学大会, 名古屋.

9) 大石高生(2012/7/17)サルを用いた脳脊髄損傷からの運動機能回復の研究:訓練開始遅延の影響, 青丹学園関西学研医療福祉学院, 奈良市.

10) 高田昌彦(2012/07/14)第 21 回サル疾病ワークショップ サル類の疾病と病理のための研究会, 共同利用施設でサル類を用いた医科学研究を行う利用者の立場から, ユーザーにやさしい共同利用施設のあり方. 麻布大学, 相模原.

 

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遺伝子情報分野

<研究概要>

A) ゲノム不毛遅滞(RCRO)の進化と意義
平井啓久、古賀章彦(ゲノム多様性)
チンパンジーの RCRO の生物学的意義に関わる論文を推敲した。テナガザルおよびヨザルの新しいアルファサテライトを発見し、染色体解析をおこなったうえで、その分化について推測し、論文をまとめた。

B) アジア霊長類と病原体の宿主寄生体関係史の探索
平井啓久、古賀章彦(ゲノム多様性)、岡本宗裕(人類センター)、安波道郎(長崎大学熱帯医学研究所)、早川敏之(人類センター)、松井 淳(非常勤研究員)
タイ(国立動物園協会)、マレーシア(野生動物保護局)、台湾(国立屏東科技大学野生動物保育所)を訪問し、調査研究内容のセミナーと共同研究に関わる話し合いをおこなった。インドネシアのカニクイザルとブタオザルの血液における SRV4 と SRV5 の検査をおこなった。またフィリピンから輸入されたカニクイザルを50頭検査した。

C) ニホンザル苦味受容体の多型解析
鈴木南美, 早川卓志、伯川美穂, 松井淳(人類進化モデル研究センター), 郷康広, 平井啓久, 今井啓雄
各地のニホンザルについて苦味受容体 TAS2R の遺伝子多型解析を行った。特に、紀伊半島の群についてはTAS2R38 の開始コドンの変異に注目し、この変異が生じた年代推定を行っている。

D) チンパンジー苦味受容体の多型解析
早川卓志, 菅原 亨(現 成育医療センター), 鵜殿俊史, 森村成樹(以上, 熊本サンクチュアリ), 友永雅己(思考言語), 大東肇(福井県立大学), 郷康広, 平井啓久, 今井啓雄
チンパンジー東西亜種間で苦味受容体の遺伝子型に想像以上の差があることを発見し、論文にまとめた。

E) コロブス類の味覚受容体と採食の関係
今井啓雄, 鈴木南美, 早川卓志, 伯川美穂, 辻大和(社会進化), Sarah Nira, Kanthi Arum Widayati , Bambang Suryobroto(以上ボゴール農科大学), Yin Lijie, Pan Wenshi(以上北京大学)
中国広西チワン族自治区崇左市で観察されている white-headed langur について、採食活動と味覚の関係を検討するために共同研究を進めている。また、インドネシアパンガンダラン地区の Java Lutung についても調査を開始した。これらについて、採食植物の調査とフンからの DNA 分析を行った。

F) 嗅覚受容体レパートリーと嗅球の形態
岸田拓士, 今井啓雄
嗅覚受容体レパートリーの一部に欠落があると思われる鯨類と霊長類について、嗅覚情報が投射する嗅球の形態を免疫染色等によって解析した。

G) チンパンジーの比較ゲノム・比較トランスクリプトーム解析
郷 康広、豊田 敦(遺伝所)、辰本将司(遺伝研)、藤山秋佐夫(遺伝研)、黒木陽子(理研)、平井啓久、友永雅己(思考言語)、松沢哲郎(思考言語)、西村 理(京大理・グローバル COE)、阿形清和(京大理・生物物理)
ヒトの進化を考える上で、最も近縁種であるチンパンジーのゲノム解析およびトランスクリプトーム解析は必須である。霊長類研究所のチンパンジー親子トリオの白血球細胞およびヒトのセルラインを用いて次世代シーケンサーによる発現定量化を行なった。また国立遺伝学研究所との共同研究により1組の親子トリオ(アキラ、アイ、アユム)の全ゲノム解析およびその他のチンパンジーのエキソーム解析を行った。

H) 霊長類における脳比較オミックス研究
郷 康広、井上謙一(統合脳)、大石高生(統合脳)、渡我部昭哉(基生研)、重信秀治(基生研)、山森哲雄(基生研)、那波宏之(新潟大脳研)、柿田明美(新潟大脳研)、高田昌彦(統合脳)、平井啓久
ヒトらしさを支える脳ゲノム基盤の解明を目指して、ヒト、チンパンジー、ゴリラ、テナガザル、マカクザルの死後脳より大脳新皮質を中心に複数領野から DNA および RNA を機能領野あるいは機能ニューロン単位で取得し、次世代シーケンサーによる網羅的トランスクリプトーム解析およびメチローム解析(ゲノムワイドメチル化解析)を行った。

I) マカクザルにおけるエキソーム解析
郷 康広、豊田 敦(遺伝所)、今井啓雄、山森哲雄(基生研)、伊佐 正(生理研)、平井啓久
マカクザルの実験動物化に向けた最初の試みとして、実験に供与される個体群の遺伝的バックグラウンドを把握する必要がある。ニホンザルおよびアカゲザル 100 個体を用いて、ヒト用にデザインされたエクソームキットを用いたエキソーム解析を行った。

<研究業績>

原著論文

1) Hirai H, Hirai Y, LoVerde PT (2012) Evolution of sex chromosomes ZW of Scistosoma mansoni inferred from chromosome paint and BAC mapping analyses. Parasitology International 61: 684-689.

2) Imai H, Suzuki N, Ishimaru Y, Sakurai T, Yin L, Pan W, Abe K, Misaka T, and Hirai H (2012) Functional diversity of bitter taste receptor TAS2R16 in primates. Biology Letters 8: 652-656.

3) Hayakawa T, Sugawara T, Go Y, Udono T, Hirai H, Imai H (2012) Eco-Geographical Diversification of Bitter Taste Receptor Genes (TAS2Rs) among Subspecies of Chimpanzees (Pan troglodytes). PLOS ONE 7: e43277.

4) Koga A, Hirai Y, Hara T, and Hirai H (2012) Repetitive sequence originating from the centromere constitute large-scale heterochromatin in the telomere region in the siamang, small ape. Heredity 109: 180-187.

5) Hara T, Hirai Y, Jahan I, Hirai H, Koga A (2012)Tandem repeat sequences evolutionarily related to SVA-type retrotransposons are expanded in the centromere region of the western hoolock gibbon, a small ape. Journal of Human Genetics 57: 760-765.

6) Hara T, Hirai Y, Baicharoen S, Hayakawa T, Hirai H, Koga A (2012) A novel composite retrotransposon derived from or generated independently of the SVA (SINE/VNTR/Alu) transposon has undergone proliferation in gibbon genomes. Genes & Genetic Systems 87 (3): 181-190.

7) Prakhongcheep O, Hirai Y, Hara T, Srikulnath K, Hirai H, Koga A (2013) Two Types of Alpha Satellite DNA in Distinct Chromosomal Locations in Azara's Owl Monkey. DNA Research 20.

8) Ishimaru Y, Abe M, Asakura T, Imai H, Abe K (2012) Expression analysis of taste signal transduction molecules in the fungiform and circumvallate papillae of the rhesus macaque, Macaca mulatta.PLOS ONE 7, e45426.

9) Miyagi R, Terai Y, Aibara M, Sugawara T, Imai H, Tachida H, Mzighani SI, Okitsu T, Wada A, Okada N (2012) Correlation between Nuptial Colors and Visual Sensitivities Tuned by Opsins Leads to Species Richness in Sympatric Lake Victoria Cichlid Fishes. Mol. Biol. Evol. 29: 3281-3296.

10) Tanimura A, Liu W, Yamada K, Kishida T, Toyohara H (2013) Animal cellulases with a focus on aquatic invertebrates. Fisheries Science 79, 1-13.

11) Takahashi J, Kishida T, Toyohara H (2013) Poly-analine protein Shelk2 from Crassostrea species of oysters. Recent Advances in Pearl Research (TERRAPUB, Tokyo), 167-181.


著書(分担執筆)

1) Imai H (2013) Bitter taste receptors of primates In Evolution and Senses: Opsins, Bitter Taste, Olfaction. Springer Briefs (Shichida Y, Yamashita T, Imai H, Kishida T) pp23-34.

2) Imai H (2012) Primate Genome Database In Monkeys, Apes, and Humans. Primatology in Japan. Springer Briefs (Huffman M, Nakagawa N, Go Y, Imai H, Tomonaga M) pp35-40 (2012).

3) 今井啓雄 (2012) ポストゲノム霊長類学 「新・霊長類学のすすめ」(京都大学霊長類研究所編)分担執筆, pp162-177 丸善出版 京大人気講義シリーズ.


学会発表

1) Suzuki N, Matsui A, Go Y, Ishimaru Y, Misaka T, Abe K, Hirai H, Imai H (2012) Identification of PTC “non-taster” Japanese macaques caused by TAS2R38 dysfunction. XVI International Symposium on Olfaction and Taste (2012/06/23-27, Stockholm, Sweden).

2) Imai H, Suzuki N, Ishimaru Y, Sakurai T, Lijie Yin, Wenshi Pan, Abe K, Misaka T, Hirai H (2012) Functional diversity of bitter taste receptor TAS2R16 in primates to natural ligands. XVI International Symposium on Olfaction and Taste (2012/06/23-27, Stockholm, Sweden).

3) Imai H (2012) Functional evolution of bitter taste receptors of Asian primates. The 3rd International Symposium On Southeast Asian Primates (2012/08/28, Churaloncon University, Thailand).

4) Hirai H (2012) “SRV in macaques: Japanese macaques, long-tailed macaques and rhesus macaques.” The 3rd International Symposium on Southeast Asian Primates. (2012/08/29, Thailand).

5) Hayakawa T, Sugawara T, Go Y, Udono T, Hirai H, Imai H (2012) Eco-Geographical Differences of the Sense of Bitter Taste in Chimpanzees. The 1st International Seminar on Biodiversity and Evolution (2012/09/26, Kyoto).

6) Imai H, Suzuki N, Ishimaru Y, Sakurai T, Lijie Yin, Wenshi Pan, Abe K, Misaka T, Hirai H (2012) Functional diversity of bitter taste receptors within and between primate species. 第 10 回国際シンポジウム「味覚嗅覚の分子神経機構」(2012/11/02-03, Fukuoka).

7) Hayakawa T, Sugawara T, Go Y, Udono T, Hirai H, Imai H (2012) Geography and evolution of bitter taste receptor genes in chimpanzees. 第 10 回国際シンポジウム「味覚嗅覚の分子神経機構」(2012/11/02-03, Fukuoka).

8) 郷 康広 (2012) 霊長類ゲノム・トランスクリプトーム・メチローム研究. 第 2 回 NGS 現場の会研究会 (2012/05/23, 大阪).

9) 郷 康広 (2012) オス・メス間ゲノムコンフリクティングとその生物学的意義の解明. 新学術領域研究「ゲノム・遺伝子相関」班会議 (2012/06/25, 京都).

10) 岸田拓士 (2012) OMP 遺伝子から推定した始新世の鯨類の嗅覚能力. 日本古生物学会 2012 年年会・総会 (2012/07/01, 名古屋).

11) 鈴木南美, 郷康広, 松井淳, 平井啓久, 颯田葉子, 今井啓雄 (2012) ニホンザル味盲多型はどのようにして集団中に拡がったか. 第 28 回日本霊長類学会大会(2012/07/07, 名古屋).

12) 早川卓志, 鈴木南美, 松井淳, 今井啓雄, 平井啓久, 郷康広 (2012) 霊長類味覚受容体レパートリーの進化史.第 28 回日本霊長類学会大会(2012/07/07, 名古屋).

13) 郷康広, 辰本将司, 豊田敦, 西村理, 友永雅己, 平井啓久, 松沢哲郎, 藤山秋佐夫, 阿形清和 (2012) チンパンジーパーソナルゲノム研究. 第 28 回日本霊長類学会大会(2012/07/07, 名古屋).

14) 平井啓久, 原暢, 平井百合子, 古賀章彦 (2012) テナガザルの染色体端部にある大規模ヘテロクロマチンの主成分. 第 28 回日本霊長類学会大会(2012/07/07, 名古屋).

15) 今井啓雄, 鈴木南美, 桜井敬展, 石丸喜朗, 阿部啓子, 三坂巧, Yin Lijie, Pan Wenshi, 平井啓久 (2012) 部位特異的変異体による霊長類苦味受容体 TAS2R16 の機能解析. 第 28 回日本霊長類学会大会(2012/07/08, 名古屋).

16) 岸田拓士, 今井啓雄 (2012) 鯨類のゲノムにおける ClassI 嗅覚受容体遺伝子クラスター領域. 日本進化学会第14 回大会(2012/0 8/21-22, 東京).

17) 早川卓志, 鈴木南美, 松井淳, 今井啓雄, 平井啓久, 郷康広 (2012) 真主齧類における苦味受容体の進化. 日本進化学会第 14 回東京大会 (2012/08/21-22, 東京).

18) 今井啓雄, 鈴木南美, 桜井敬展, 石丸喜朗, 阿部啓子, 三坂巧, Yin Lijie, Pan Wenshi, 平井啓久 (2012) アミノ酸変異による苦味受容体 TAS2R16 機能の多様化. 日本生物物理学会(2012/09/24, 名古屋)

19) 早川卓志, 菅原了, 郷康広, 鵜殿俊史, 平井啓久, 今井啓雄 (2012) チンパンジーの苦味感覚の地域差. 日本味と匂学会第 46 回大会 (2012/10/03, 大阪).

20) 権田彩, 松村秀一, 斉藤正一郎, 郷康広, 今井啓雄 (2012) コモンマーモセットにおける消化管での味覚受容体及び味覚情報伝達物質の発現. 日本味と匂学会第 46 回大会 (2012/10/03, 大阪).

21) 岸田拓士, 早野あづさ, 村山美穂, 疋田努 (2012) 同所的に生息する近縁種の嗅覚能力は似ているのか? バヌアツに同所的に生息する Laticauda 属ウミヘビ2種の嗅覚受容体遺伝子レパートリーの比較. 日本爬虫両棲類学会第 51 回大会 (2012/11/10-11, 豊田).

22) 郷 康広 (2012) 霊長類エキソーム解析. 新学術領域研究「ゲノム・遺伝子相関」若手の会 (2012/11/01, 米原).

23) 早川卓志 (2012) オランウータンにも苦味感覚の地域差があるか? 第 15 回 SAGA シンポジウム (2012/11/17, 札幌).

24) 権田彩, 松村秀一, 斉藤正一郎, 郷康広, 今井啓雄 (2012) マーモセット消化管における味覚情報伝達物質の発現解析. 第 2 回日本マーモセット研究会大会(2013/02/27, 東京).


講演

1) Kishida T (2012/09/26) International Seminar on Biodiversity and Evolution.“Olfaction in baleen whales.”Wildlife Research Center, Kyoto University, 京都.

2) 平井啓久 (2012/04/06) 京都大学品川セミナー「霊長類の野外調査とゲノム研究」 京都大学東京オフィス、東京.

3) 岸田拓士(2012/6/25)第 29 回東山動植物園ワークショップ「イルカやクジラのにおい認識」,名古屋.

4) 郷康広 (2012/07/18) 基礎生物学研究所所内セミナー「オス・メス間ゲノムコンフリクティングとその生物学的意義の解明」,岡崎.

5) 今井啓雄(2012/08/03)愛知大学, 心理学専攻・犬山研修 「味覚の種差・個体差と遺伝子」,各務原.

6) 郷康広(2012/08/23)第 14 回日本進化学会大会「ヒトとチンパンジーにおけるアリル特異的発現遺伝子の同定と遺伝子発現制御機構の進化」,東京.

7) 平井啓久 (2012/09/23) 東京公開講座「チンパンジーにあってヒトにないゲノム不毛地帯の進化と意義」 日本科学未来館, 東京.

8) 今井啓雄 (2012) 遺伝子変異によって生じた霊長類の味覚多様性. DNA多型学会第 21 回学術集会・公開シンポジウム「DNAが明かす生き物の謎」(2012/11/07, 京都).

9) 郷 康広(2012/11/09)ナショナルバイオリソース(NBR)公開シンポジウム「ニホンザルエキソーム解析、第 3 期のニホンザルバイオリソースプロジェクト-さらなる進展を目指して-」,東京.

 

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附属施設

人類進化モデル研究センター

ニホンザル NBRP ならびに特別経費の協力を得て、土曜・日曜に獣医師が勤務する態勢を整え、年間を通じたサル類の獣医学的管理が可能となった。また、熊本サンクチュアリおよび日本モンキーセンターの獣医師との間で獣医の合同カンファレンスを開始し、それぞれ数回ずつ実施した。

ニホンザル血小板減少症については、検査部、ニホンザル NBRP、ウイルス研究所と連携して、研究を進めた。検査部を中心に伝播経路の解析を進め、長期間ウイルス血症を持続しているカニクイザルとニホンザルが本疾病の伝播に関与していたこと、1990 年代初めに入荷したカニクイザルが本ウイルスを持ち込んだことを明らかにした。ニホンザルについて、SRV-4 の全頭検査を実施するとともに感染個体の淘汰をすすめ、年度末には SRV 感染個体がゼロとなった。

検査部では、研究者の協力のもと SRV-5 の検査法を確立し、NBRP の出荷個体(約 70 頭)および NBRP の飼育・繁殖個体(約 200 頭)について、SRV 検査を実施した。また、BV、STLV に対する抗体検査の体制整備を行った。父親候補が 2 個体以上いる放飼場およびグループケージの繁殖ニホンザルについて、マイクロサテライト法による親子鑑定を実施し、父親を決定するとともに個体管理データベースにて閲覧できる体制を整えた。

検疫舎を二区画にわけるための壁を設置し、独立した運用を可能にした。マカク用グループケージ1棟が完成した。NBRP の援助で、RRS に剖検用の安全キャビネットを設置した。 人事面では、年間を通じて職員の大幅な異動があった。2012 年 4 月研究員の打越万喜子、6 月 25 日特定研究員の山中淳史を採用。非常勤職員には以下の異動があった。

2012 年 4 月より教務補佐員に鈴木紗織を採用。 サル飼育担当として 8 月本田梨恵子、後藤久美子(獣医補助)、12 月和泉津佳沙、2013 年 2 月加藤裕美、3 月荒川龍児を技能補佐員に採用。2012 年 4 月実験補助担当として榎元裕紀、6 月牧野瀨恵美子、11 月道家由美子、塩澤裕子を技術補佐員に採用。4 月ゴドジャリ静を研究支援推進員に採用。2013 年 1 月打越万喜子(非常勤研究員)特定研究員として思考言語分野に配置換え。2013 年 3 月吉田友教(特定助教)、松井 淳(非常勤研究員)、阿部政光、釜中慶朗、渡邉朗野(技術専門職員)、渡邉祥平(技術職員)、近藤ひろ子(研究支援推進員)、兼松璃々子、本田梨恵子(技能補佐員) 、榎元裕紀(技術補佐員)、鈴木紗織が退職した。また、頭脳循環プログラムで 1 年 3 ヶ月、長期海外出張していた宮部貴子助教が 3 月末に帰国した。


<研究概要>

A) テニア科条虫幼虫感染家畜個体の識別に有用な新しい技術開発とリスク評価への応用
岡本宗裕
ヒトを終宿主とするテニア科条虫には、有鉤条虫、無鉤条虫、タイワンテニアの3種が知られている。平成 24年度は、インドネシア・バリ島の流行地で調査を実施したところ、バリ島の Karangasem 地区では広範囲にわたり有鉤条虫に汚染されていることが確認できた。現地で実施した ELISA により、有鉤嚢虫に対する抗体を保有しているヒトおよびブタを確認した。このブタを剖検したところ、多数の有鉤嚢虫の寄生が確認できた。また、我々の開発した ELISA は特別な機器のない流行地でも十分有効であることが明らかとなった。

B) 難治性寄生虫病に関する遺伝子診断法の開発
岡本宗裕
平成 24 年度は、タイで疫学調査を実施した。現地で実施した ELISA により、有鉤嚢虫に対する抗体を保有しているヒトおよびブタを確認した。このブタを剖検したところ、多数の有鉤嚢虫の寄生が確認できた。ヒトに寄生している成虫およびブタに寄生している幼虫を採取した。これらの虫体について、ミトコンドリアと核の遺伝子をできるだけ網羅的に調べるとともに、LAMP 法がフィールドでの診断に利用できることを確認した。

C) レトロウイルス関連ニホンザル血小板減少症の発症機序と感染持続メカニズムの解明
岡本宗裕
近年、京都大学霊長類研究所おいて、ニホンザルのみが特異的に発症する血小板減少症が流行している。霊長類研究所において本疾患が最初に観察されたのは 2001 年のことで、以降現在まで 43 頭が発症した。発症個体は、血小板が激減し、高い確率で死に至る。2010 年の論文発表時点(霊長類研究、26, 69-71)では原因は全く不明であったが、その後原因究明を進めた結果、本疾病はサルレトロウイルス4型:SRV-4 と深い関連を持つことが明らかになった。特に、分子遺伝学的手法を用いて作製した感染性遺伝子クローンをニホンザルに接種したところ血小板減少症を発症した。このことにより発症メカニズムの解明に必要な発症モデルの作製が可能となった。

D) サル指向性 HIV-1 のカニクイザル感受性決定要因に関する研究
齊藤暁、東濃篤徳、鈴木紗織、牧野瀨恵美子、明里宏文
ヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)はカニクイザルなどの実験用マカク属サル類で増殖しないため、HIV-1 感染を再現できる実用的な霊長類モデルが長年求められていた。現在、我々は世界に先駆けて、マカクで増殖可能なサル指向性 HIV-1 クローン(HIV-1mt)の構築を進めているが、感染実験の過程で、HIV-1mt が効率よく増殖する個体(感受性個体)と、ほとんど増殖しない個体(抵抗性個体)が存在することを見いだした。また、その感受性の違いはサルの原産地に依存する傾向が認められた。この感受性の違いに何らかの遺伝的背景が関与しているとの作業仮説に基づき、TRIM5 遺伝子に着目して遺伝学的解析を行った。その結果、(1)本研究に用いた個体群には、野生型アリルTRIM5αだけでなく、変異型アリル TRIMCyp を持つ個体が高率に存在し、(2)それぞれの TRIM5 遺伝子型とHIV-1mt 増殖の関連性を検討したところ、in vitro, vivo ともに TRIM5α homozygote は HIV-1 抵抗性、TRIMCyp homozygote は HIV-1 感受性を示した。また(3)TRIMCyp 頻度には顕著な地域差が認められ、HIV-1mt 感受性における地域差は TRIM5 遺伝子型に起因することが明らかとなった。これら一連の結果は、TRIM5 遺伝子型が HIV-1mt感染への感受性に関する個体差を規定する主要な宿主因子であることを示すものである。また本 TRIMCyp 頻度における顕著な地理的多様性の存在は、カニクイザルが生息域を拡大していく過程で何らかの環境要因が選択圧として作用したことを示しており非常に興味深い。

E) GBV-B 感染新世界ザルの液性免疫解析
鈴木紗織、東濃篤徳、齊藤暁、牧野瀨恵美子、明里宏文
GB ウイルス B (GBV-B) は HCV と同じフラビウイルス科ヘパシウイルス属に属する。最近我々は、GBV-B 感染マーモセットにおいて慢性化に移行した後、血中ウイルス量や ALT 値の上昇、肝繊維化や多発性壊死等慢性 C 型肝炎に類似した病態を呈することを見出した。これら GBV-B 感染霊長類モデルを用いた解析により、ヘパチウイルスによる宿主免疫応答やその回避・慢性化機構の解明に向けた重要な知見をもたらすものと期待される。そこで本研究では、GBV-B 感染における液性免疫応答の経時的動態を明らかにするため、GBV-B 感染新世界ザルにおける抗ウイルス特異抗体の解析を行った。すなわち大腸菌から精製した E2, Core および NS3 抗原を用いて、ELISA法および WB 法によりそれぞれに特異的なシグナルを検出することが出来た。現在、感染初期でクリアランスされたタマリンおよび慢性移行したマーモセットにおける各抗体の解析を行うとともに、肝障害やウイルス量との相関関係について検討を進めている。

F) HCV/GBV-B キメラウイルスに関する研究
東濃篤徳、鈴木紗織、齊藤暁、牧野瀨恵美子、明里宏文
C 型肝炎ウイルス(HCV)の狭い宿主域は HCV 感染あるいは宿主免疫応答に関する研究のための動物モデル開発にとって大きな障害である。これまで HCV 感染実験にはチンパンジーが用いられてきたが、チンパンジーの感染実験使用は倫理的観点から我が国を始め諸外国でも認められていない。このことが HCV ワクチンの開発、C 型肝炎の病態解析を行うにあたり、大きな障壁となっている。この問題を克服する方法の 1 つとして GBV-B/新世界ザル-サロゲート感染モデルの使用が挙げられる。GBV-B は HCV に近似なウイルスであり、霊長類(新世界ザル)で複製可能なHCV/GBV-B キメラウイルスが開発出来ればワクチンの開発やC 型肝炎ウイルスに対する宿主免疫応答の解明につながるものと期待される。本研究では HCV をベースとし、E1/E2 および p6 を GBV-B 型に置換したHCV/GBV-B キメラウイルスを作製し、その感染実験を行った。その結果、ウイルス RNA は接種 2 週後から血中にて断続的に検出され、そのコピー数は低いながらも 3 年以上の長期に渡り検出され続けている。さらにウイルスRNA はタマリン血漿を超遠心したペレット中でも検出され、そのシークエンスが確認されたことから、タマリン血中におけるキメラウイルスの存在が示唆された。これらの結果は我々が作製した HCV/GBV-B キメラウイルスがサル生体内において持続感染可能であることを示唆する。今回の結果は HCV をベースとしたキメラウイルスの開 発において重要な知見である。

G) サル類のストレス定量および動物福祉のための基礎研究
鈴木樹理
飼育環境でのストレス反応を定量することとその軽減策の検討のために、マカクおよびチンパンジーの糞中コーチゾル測定を行った。長期ストレス定量に有効な毛髪中コーチゾル測定系を確立しその有効性を確認した。

H) 静脈麻酔薬プロポフォールの薬物動態・薬力学研究
宮部貴子、D. Eleveld、A. Absalom (University Medical Center Groningen)、平井啓久
オランダ、フローニンゲン大学医療センターにて、NONMEM ソフトウェアを用いて静脈麻酔薬プロポフォールの薬物動態・薬力学的研究をおこなっている。(頭脳循環プログラムで実施)

I) 霊長類におけるシアル酸受容体 Siglec-11、Siglec-16 の進化
早川敏之、安形高志(理化学研究所)、松井淳
シアル酸は、細胞膜表面の糖鎖の末端にある酸性単糖であり、細胞間認識機構や宿主?病原体相互作用においてリガンドとして働き、免疫などで重要な役割を果たしている。Siglec-11 と Siglec-16 は、シアル酸を認識し細胞内シグナル伝達をおこなう受容体である。Siglec-11 遺伝子はヒト系統特異的に Siglec-16 遺伝子による遺伝子変換を受け、ヒト特異的に脳での発現を獲得し、シアル酸認識能を変化させている。この Siglec-11 のヒト特異的な変化の特殊性を知るため、ヒトおよびヒト以外の霊長類の Siglec-11 と Siglec-16 のゲノム配列、発現、シアル酸認識能の解析をおこなっている。

J) 霊長類におけるシアル酸受容体 Siglec-13 の進化
早川敏之、Wang X(カリフォルニア大学サンディエゴ校)、Mitra N(カリフォルニア大学サンディエゴ校)、Varki A(カ
リフォルニア大学サンディエゴ校) Siglec-13 は、シアル酸を認識し細胞内シグナル伝達をおこなう受容体であり、その遺伝子座はヒト特異的に欠失している。この欠失の原因と欠失の進化的な意味を知るため、霊長類の Siglec-13 のゲノム配列、発現、シアル酸認識能の解析をおこなった。その結果、霊長類特異的なトランスポゾン Alu による組み換えによって、ヒト特異的に遺伝子座が欠失したことなどがわかった。

K) 霊長類におけるシアル酸転移酵素 ST8Sia-2 の進化と統合失調症
早川敏之、松井淳、佐藤ちひろ(名古屋大学)、北島健(名古屋大学)、颯田葉子(総合研究大学院大学)
ST8Sia-2 は脳内のポリシアル酸を合成する酵素である。そのプロモーター多型は統合失調症の発症リスクと関連しており、統合失調症の発症に関わっていると考えられる。統合失調症に関わるプロモーター多型の起源と役割、および統合失調症の発症メカニズムを知るため、ヒトと類人猿を対象に、ゲノム配列、発現、酵素機能の解析をおこなっている。

L) 霊長類マラリア原虫と宿主の共進化
早川敏之、Culleton R(長崎大学)、岡本宗裕、平井啓久
マラリア原虫は、霊長類やげっ歯類といった哺乳類や鳥類、爬虫類を宿主として感染し、マラリアを引き起こす。そのマラリア原虫と宿主の共進化の実態を知るため、マカク類およびテナガザルを宿主とするマラリア原虫を対象に、東南アジアをフィールドとして野外調査をおこなっている。

M) アフリカ野生大型類人猿における IgA 抗体スクリーニングによる人獣共通感染症のサーベーランス
吉田友教、竹元博幸、坂巻哲也、鈴木樹理、岡本宗裕、古市剛史、明里宏文
野生の霊長類集団が生息する森林地域は、伐採や資源開発、戦争など近年の社会・経済的変化などによってヒトが踏み入る機会が格段に増加し、もはや野生霊長類にとっての聖域ではなくなりつつある。これに伴い、ヒトがその森林にとっては新規の病原微生物を持ち込むといった事態が生じている。事実近年に野生霊長類で報告される感染症のアウトブレークは、彼等と接触したヒトに由来する病原体によって引き起こされたと判断されるケースが大部分である。我々はこれまでに野生霊長類の保護を目的に、IgA 抗体スクリーニング方法を開発し、呼吸器感染症を引き起こす多数の異なる抗ウイルス抗体(インフルエンザ、Respiratory syncytial virus, Parainfluenza 等)の検出に成功してきた。そこで、今年度はさらにウェスタンブロット法により、抗ウイルス抗体の確定診断方法の確立を行った。その結果、野生霊長類における糞便からの抗体抽出液を用いたウェスタンブロット法により、Epstein Barr virusの抗体確定診断に成功した。さらに、Parainfluenza においても、同様に行った結果、少数のサンプルであるが確定診断が可能であることが明らかになった。よって、これらの方法は野生類人猿における人獣共通感染症を引き起こす病原体、特にウイルス感染歴をサーベーランスする方法として有効であると期待される。

N) SRV-4 持続感染ニホンザルにおける免疫系の役割の解明
佐藤英次、兼子明久、齊藤暁、山中淳史、鈴木樹理、吉田友教、吉川禄助(ウイルス研究所)、宮沢孝幸(ウイルス研究所)、渡邉朗野、牧野瀨恵美子、齊藤波子、塩澤裕子、安江美雪、明里宏文、岡本宗裕
ニホンザルに血小板減少症を引き起こすサルレトロウイルス 4 型(SRV-4)の非発症持続感染個体における免疫系 の役割を調べるため、免疫抑制実験を行った。まず SRV-4 proviral DNA 及び抗体陽性ニホンザルについて、細胞性免疫を担う CD8+ T 細胞を除去し、免疫抑制剤(dexamethasone; Dex)を投与した後、血球中の proviral DNA 量を測定したが、有意な変動は見られなかった。また、proviral DNA 陰性・抗体陽性個体から抗体産生を担う B 細胞を除去し、Dex を投与しても proviral DNA は陰性であった。さらに全頭の血漿中の SRV-4 RNA も陰性だったことから、SRV-4 陽性ニホンザルがストレス等を受けて免疫力が低下しても viremia や発症に至るとは限らないことが示唆された。

O) ニホンザルにおける SRV-4 の臓器特異性に関する研究
佐藤英次、鈴木樹理、渡邉朗野、兼子明久、吉田友教、吉川禄助(ウイルス研究所)、宮沢孝幸(ウイルス研究所)、岡本宗裕
SRV-4 の in vivo における動態を解析するため、ウイルスの臓器特異性を検討した。Proviral DNA 及び抗体陽性のニホンザルについて、消化器系、循環器系等約30種類の臓器からのゲノム DNA を PCR で調べたところ、proviral DNA は脾臓・各リンパ節に最も多い傾向を示したため、SRV-4 はこれらの臓器で良く増殖する可能性が高いことが示唆された。

P) 霊長類の嗅覚受容体遺伝子レパートリーの進化
松井淳、郷 康広、今井啓雄、平井啓久、豊田 敦、会津智幸、石崎比奈子(遺伝学研究所)、藤山秋佐夫(遺伝学研究所、国立情報学研究所)、新村芳人(東京医科歯科大学)
霊長類で最も古い時代に分岐した曲鼻猿類と直鼻猿類の二大分類群間では、曲鼻猿類のゲノム配列を用いた化学感覚受容体遺伝子の研究は依然として不十分であった。新たに霊長類 8 種のゲノムデータから網羅的に嗅覚受容体遺伝子を同定し、これまでに解析を行った 7 種の霊長類データとあわせたゲノム比較解析を行った。さらに、夜行性と昼行性、鼻の構造の変化(曲鼻猿類/直鼻猿類)の代表種となりうる 4 種の霊長類について、遺伝子領域に限ったゲノム配列であるエキソームデータを大規模シークエンサーによって解読し嗅覚受容体遺伝子を比較した。これらの解析の結果、曲鼻猿類のほうが直鼻猿類よりも多くの嗅覚受容体機能遺伝子を持つことが示唆され、嗅覚への依存度が高いことが示唆された。

Q) ニホンザル血小板減少症の原因ウィルス SRV の霊長類研究所での感染経路の確定
森本真弓、安江美雪、齋藤波子、杉本太郎、塩澤裕子、早川敏之、岡本宗裕
血小板減少症発症個体の移動履歴をもとに、発症個体と同室経験のある個体(ニホンザルおよびカニクイザル)のDNA サンプル、RNA サンプルを対象に SRV を増幅する PCR を行い、感染の有無を検討した。その結果、長期不顕性感染個体が伝播の要因となっていること、本研究所でのニホンザル血小板減少症は 1991 年に本研究所に導入された SRV 感染カニクイザルからニホンザルへの種をこえた感染が起源であることが明らかになった。これらの知見は、本研究所の防疫体制を強化する上で重要なものである。


<研究業績>

原著論文

1) Yamane K, Suzuki Y, Tachi E, Li T, Chen X, Nakao M, Nkouawa A, Yanagida T, Sako Y, Ito A, Sato H, Okamoto M (2012) Recent hybridization between Taenia asiatica and Taenia saginata. Parasitology International 61, 351-355.

2) Hailemariam Z, Nakao M, Menkir S, Lavikainen A, Yanagida T, Okamoto M, Ito A (2012) Molecular identification of unilocular hydatid cysts from domestic ungulates in Ethiopia: Implications for human infections. Parasitology International 61, 375-377.

3) Yanagida T, Mohammadzadeh T, Kamhawi S, Nakao M, Sadjjadi SM, Hijjawi N, Abdel-Hafez SK, Sako Y, Okamoto M, Ito A (2012) Genetic polymorphisms of Echinococcus granulosus sensu stricto in the Middle East. Parasitology International 61, 599-603.

4) Nkouawa A, Sako Y, Li T, Chen X, Nakao M, Yanagida T, Okamoto M, Giraudoux P, Raoul F, Nakaya K, Xiao N, Qiu J, Qiu D, Craig PS, Ito A (2012) A loop-mediated isothermal amplification method for a differential identification of Taenia tapeworms from human: Application to a field survey. Parasitology International 61, 723-725.

5) Li T, Ito A, Chen X, Long C, Okamoto M, Raoul F, Giraudoux P, Yanagida T, Nakao M, Sako Y, Xiao N, Craig PS (2012) Usefulness of pumpkin seeds combined with areca nut extract in community-based treatment of human taeniasis in northwest Sichuan Province, China. Acta Tropica 124, 152-157.

6) Nakao M, Lavikainen A, Iwaki T, Haukisalmi V, Konyaev S, Oku Y, Okamoto M, Ito A (2013) Molecular phylogeny of the genus Taenia (Cestoda: Taeniidae): Proposals for the resurrection of Hydatigera Lamarck, 1816 and the creation of a new genus Versteria. International Journal for Parasitology 43, 427-437.

7) Iijima S, Lee Y-J, Ode H, Arold ST, Kimura N, Yokoyama M, Sato H, Tanaka Y, Strebel K, Akari H (2012) A non-canonical mu-1A-binding motif in the N-terminus of HIV-1 Nef determines its activity to down-regulate MHC-I in T lymphocytes. Journal of Virology 86, 3944-51.

8) Ohtani H, Naruse TK, Iwasaki Y, Akari H, Ishida T, Matano T, Kimura A (2012) Lineage-specific evolution of T-cell immunoglobulin and mucin domain 1 gene in the primates. Immunogenetics 64, 669-678.

9) Omatsu T, Moi ML, Takasaki T, Nakamura S, Katakai Y, Tajima S, Ito M, Yoshida T, Saito A, Akari H, Kurane I (2012) Changes in hematological and serum biochemical parameters in common marmosets (Callithrix jacchus) after inoculation with dengue virus. Journal of Medical Primatology 41, 289-296.

10) Saito A, Kawamoto Y, Higashino A, Yoshida T, Ikoma T, Suzaki Y, Ami Y, Shioda T, Nakayama EE, Akari H (2012) Allele Frequency of Antiretroviral Host Factor TRIMCyp in Wild-caught Cynomolgus Macaques (Macaca fascicularis). Frontiers in Microbiology 3, 314.

11) Kooriyama T, Okamoto M, Yoshida T, Nishida T, Tsubota T, Saito A, Tomonaga M, Matsuzawa T, Akari H, Nishimura H, Miyabe-Nishiwaki T (2013) Epidemiological study of zoonoses derived from humans in captive chimpanzees. Primates 54, 89-98.

12) Nomaguchi M, Yokoyama M, Kono K, Nakayama EE, Shioda T, Saito A, Akari H, Yasutomi Y, Matano T, Sato H, Adachi A (2013) Gag-CA Q110D mutation elicits TRIM5-independent enhancement of HIV-1mt replication in macaque cells. Microbes and Infection 15, 56-65.

13) Nomaguchi M, Doi N, Fujiwara S, Saito A, Akari H, Nakayama EE, Shioda T, Yokoyama M, Sato H, Adachi A (2013) Systemic biological analysis of the mutations in two distinct HIV-1mt genomes occurred during replication in macaque cells. Microbes and Infection 15, 319-328.

14) Yoshida T, Omatsu T, Saito A, Katakai Y, Iwasaki Y, Kurosawa T, Hamano M, Higashino A, Nakamura S, Takasaki T, Yasutomi Y, Kurane I, Akari H (2013) Dynamics of cellular immune responses in the acute phase of dengue virus infection. Archives of Virology, 158, 1209-1220.

15) Saito A, Nomaguchi M, Kono K, Iwatani Y, Yokoyama M, Yasutomi Y, Sato H, Shioda T, Sugiura W, Matano T, Adachi A, Nakayama EE, Akari H (2013) TRIM5 genotypes in cynomolgus monkeys primarily influence inter-individual diversity in susceptibility to monkey-tropic human immunodeficiency virus type 1. Journal of General Virology, 94, 1318-1324.

16) Yamamoto H, Suzuki J, Matsuda A, Ishida T, Ami Y, Suzaki Y, Adachi I, Wakita T, Takeda N, Li T-C (2012) Hepatitis E virus outbreak in monkey facility, Japan. Emerging Infectious Diseases 18 (12): 2032-2034.

17) Sakai T, Matsui M, Mikami A, Malkova, L, Hamada Y, Tomonaga M, Suzuki J, Tanaka M, Miyabe-Nishiwaki T, Makishita H, Nakatsukasa M, Matsuzawa T (2013) Developmental patterns of chimpanzees cerebral tissues provide important clues for understanding the remarkable enlargement of the human brain. Proc. R. Soc. B 280: 20122398.

18) Morita D, Yamamoto Y, Suzuki J, Mori N, Igarashi T, Sugita M (2013) Molecular requirements for T cell recognition of N-myristoylated peptides derived from the simian immunodeficiency virus Nef protein. Journal of Virology 87(1): 482-488.

19) Hirata A, Tachikawa Y, Hashimoto K, Sakai H, Kaneko A, Suzuki J, Eguchi K, Shigematsu K, Nikami H, Yanai T (2013) Spontaneous T/NK-cell lymphoma associated with simian lymphocryptovirus in a Japanese macaque (Macaca fuscata). Journal of Comparative Pathology 148: 43-46.

20) Miyabe-Nishiwaki T, Masui K, Kaneko A, Nishiwaki K, Nishio R, Kanazawa H (2012) Evaluation of the predictive performance of a pharmacokinetic model for propofol in Japanese macaques (Macaca fsucata fsucata). J Vet Pharmacol Ther. 2012 May 8. [Epub ahead of print] 2013 Apr;36(2):169-73.

21) Okamoto M, Imai S, Miyanohara M, Saito W, Momoi Y, Abo T, Nomura Y, Ikawa T, Ogawa T, Miyabe-Nishiwaki T, Kaneko A, Watanabe A, Watanabe S, Hayashi M, Tomonaga M, Hanada N (2013) Streptococcus troglodytae sp. nov., from the Chimpanzee Oral Cavity. Int J Syst Evol Microbiol. 63(Pt 2):418-22.

22) Wang X, Mitra N, Secundino I, Banda K, Cruz P, Padler-Karavani V, Verhagen A, Reid C, Lari M, Rizzi E, Balsamo C, Corti G, De Bellis G, Longo L, NISC Comparative Sequencing Program, Beggs W, Caramelli D, Tishkoff SA, Hayakawa T, Green ED, Mullikin JC, Nizet V, Bui J, Varki A (2012) Specific inactivation of two immunomodulatory SIGLEC genes during human evolution. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 109: 9935-9940.

23) Hayakawa T, Tachibana S-I, Hikosaka K, Arisue N, Matsui A, Horii T, Tanabe K (2012) Age of the last common ancestor of extant Plasmodium parasite lineages. Gene 502: 36-39.

24) Wang X, Mitra N, Cruz P, Deng L, NISC Comparative Sequencing Program, Varki N, Angata T, Green ED, Mullikin J, Hayakawa T, Varki A (2012) Evolution of Siglec-11 and Siglec-16 genes in Hominins. Mol. Biol. Evol. 29: 2073-2086.

25) Yoshida T, Omatsu T, Saito A, Katakai Y, Iwasaki Y, Iijima S, Kurosawa T, Hamano M, Nakamura S, Takasaki T, Yasutomi Y, Kurane I, Akari H (2012) CD16 positive natural killer cells play a limited role against primary dengue virus infection in tamarins. Archives of Virology. 157: p363-368.

26) Yoshikawa R, Sato E, Miyazawa T (2012) Presence of infectious RD-114 virus in a proportion of canine parvovirus isolates. J Vet Med Sci. 74: 347-50.

27) Saito A, Kawamoto Y, Higashino A, Yoshida T, Ikoma T, Suzaki Y, Ami Y, Shioda T, Nakayama EE, Akari H. Allele frequency of antiretroviral host factor TRIMCyp in wild-caught cynomolgus macaques (Macaca fascicularis). Frontiers in Microbiology, 3, 314.

28) Dong J, Zhu W, Saito A, Goto Y, Iwata H, Haga T. The E89K Mutation in the Matrix Protein of the Measles Virus Affects In Vitro Cell Death and Virus Replication Efficiency in Human PBMC. Open Virology Journal, 2012; 6: 68-72.

29) Atsunori Higashino, Ryuichi Sakate, Yosuke Kameoka, Ichiro Takahashi, Makoto Hirata, Reiko Tanuma, Tohru Masui, Yasuhiro Yasutomi and Naoki Osada 2012 Whole-genome sequencing and analysis of the Malaysian cynomolgus macaque (Macaca fascicularis) genome Genome Biology, 13, R58, 10.1186/gb-2012-13-7-r58.


著書(分担執筆)

1) Okamoto M, Ito A (2012) Taenia. In Molecular Detection of (Human Parasitic Pathogens, Section III Platyhelminthes: Cestoda, Chapter 27. pp297-307, CRC Press. 66

2) 早川敏之(2012)糖鎖からみた霊長類の多様性と進化「新・霊長類学のすすめ(京都大学霊長類研究所 編)」P.125-142 丸善出版.

3) 松井淳(2012)匂いを感知する遺伝子から、ヒトの嗅覚の特異性をさぐる「日本のサル学のあした?霊長類研究という「人間学」の可能性 (WAKUWAKU ときめきサイエンスシリーズ 3)」中川尚史,友永雅己,山極寿一編 pp. 16-21 京都通信社.


学会発表

1) 吉川禄助, 岡本宗裕, 宮沢孝幸 (2012) 血小板減少症を呈したニホンザルからのサルレトロウイルス5型の分離と感染性クローンの作成、第154回日本獣医学会学術集会(2012/09, 盛岡, 岩手).

2) 今川智敬, 山下真路, 柄武志, 大崎智弘, 南三郎, 岡本芳晴, 岡本宗裕, 迫康仁, 中谷和宏, 伊藤亮 (2012)ラットを用いた肝多包虫症病態モデルの作製?その1, 第154回日本獣医学会学術集会(2012/09, 盛岡, 岩手).

3) Okamoto M, Li T, Chen X, Anantaphruti MT, Waikagul J, Yanagida T, Nakao M, Sako Y, Ito A (2012) What is Taenia asiatica? International Symposium of Cestode Zoonoses Control (2012/10, Shanghai, China).

4) Raoul F, Giraudoux P, Li T, Yanagida T, Lon C, Chen X, Okamoto M, Nakao M, Sako Y, Ito A (2012) Taeniasis / cysticercosis in farmer communities of Western Sichuan, China: a spatial study. International Symposium of Cestode Zoonoses Control (2012/10, Shanghai, China).

5) Wandra T, Swastica K, Dharmawan NS, Sako Y, Okamoto M, Ito A (2012) Overview of the present situation of taeniasis/cysticercosis in Indonesia. International Symposium of Cestode Zoonoses Control (2012/10, Shanghai, China).

6) Swastica K, Wandra T, Sudarmaja M, Dharmawan NS, Laksemi DS, Diarthini LPE, Yanagida T, Sako Y, Okamoto M, Ito A (2012) Taeniasis/cysticercosis in Karagasem, Bali, Indonesia. International Symposium of Cestode Zoonoses Control (2012/10, Shanghai, China).

7) Dharmawan NS, Swastica K, Suardita IK, Kepeng IN, Sako Y, Okamoto M, Yanagida T, Wandra T, Ito A (2012) Pig cysticercosis in Karagasem, Bali, Indonesia. International Symposium of Cestode Zoonoses Control (2012/10, Shanghai, China).

8) Dekumyoy P, Kusolsuk T, Sa-nguankiat S, Chaisiri K, Homsuwan N, Yanagida T, Sako Y, Nakao M, Okamoto M, Ito A (2012) Taeniasis and Cysticercosis on the Thai-Myanmer border: an update. International Symposium of Cestode Zoonoses Control (2012/10, Shanghai, China).

9) Li, T, Ito A, Chen X, Lon C, Okamoto M, Raoul F, Giradoux P, Yanagida T, Nakao M, Sako Y, Xiao N, Craig P (2012) Usefulness of pumpkin seeds combined with areca nut extract in community-based treatment of human taeniasis in Northwest Sichuan Province, China. International Symposium of Cestode Zoonoses Control (2012/10, Shanghai, China).

10) Yamasaki H, Muto M, Morishima Y, Sugiyama H, Okamoto M (2012) Outbreak of Taenia asiatica infection in Japan. International Symposium of Cestode Zoonoses Control (2012/10, Shanghai, China).

11) 平井啓久, 岡本宗裕, 今井啓雄, 郷康広 (2013) ゲノムの網羅的種間比較と情感関連遺伝子の探索. 平成24年度京都大学霊長類研究所 共同利用研究会 行動特性を支配するゲノム基盤と脳機能の解明(2013/03, 犬山, 愛知).

12) 浅川満彦, 紀俊明, Chuluunbaarar G, Sumiya B, Davaajav, Davaasuren, 岡本宗裕, 柳田哲矢, 伊藤亮 (2013) モンゴル産イヌ科野生動物の消化管寄生性蠕虫検査(技術移転事例), 第82回日本寄生虫学会大会(2013/03, 東京).

13) Saito A, Kono K, Nomaguchi M, Yokoyama M, Yasutomi Y, Matano T, Sato H, Shioda T, Adachi A, Akari H, Nakayama EE (2012) Genetic Diversity of TRIM5 Gene and HIV-1 Susceptibility in Cynomolgus Macaque (Macaca fascicularis). Cold Spring Harbor meeting on Retroviruses (2012/05/21-26, New York).

14) 吉田友教, 宮部貴子, 郡山尚紀, 竹元博幸, 生駒智子, 渡邉朗野, 兼子明久, 渡邉祥平, 齊藤暁, 早川敏之, 鈴木樹理, 岡本宗裕, 松沢哲郎, 古市剛史, 明里宏文 (2012) 大型類人猿における人獣共通感染症の抗体スクリーニング方法の開発. 第59回日本実験動物学会総会(2012/05/24-26, 別府).

15) 吉田友教, 竹元博幸, 佐藤英次, 坂巻哲也, 宮部貴子, 生駒智子, 渡邉朗野, 兼子明久, 渡邉祥平, 早川敏之, 鈴木樹理, 岡本宗裕, 松沢哲郎, 明里宏文, 古市剛史 (2012) アフリカ野生大型類人猿におけるIgA抗体スクリーニングによる人獣共通感染症の実態調査. 第59回日本実験動物学会総会(2012/05/24-26, 別府).

16) 齊藤暁, 河野健, 中山英美, 日柳章彦, 保富康宏, 塩田達雄, 吉田友教, 東濃篤徳, 生駒智子, 川本芳, 鳥居隆三, 明里宏文 (2012) レトロウイルス感受性を規定するカニクイザルTRIM5遺伝子型の地理的多様性. 第59回日本実験動物学会総会(2012/05/24-26).

17) Higashino A, Mori K, Suzuki S, Iwasaki Y, Yoshida T, Saito A, Maki N, Akari H (2012) An animal model for chimeric virus of hepatitis C virus/GB virus B. 19th International Symposium on Hepatitis C Virus and Related Viruses (2012/10/05-09, Venice).

18) 鈴木紗織, 東濃篤徳, 森健一, 吉田友教, 齋藤暁, 明里宏文 (2012) GBV-B感染新世界ザルの液性免疫解析. 第60回日本ウイルス学会学術集会 (2012/11/13-15, 大阪).

19) 齊藤暁, 河野健, 中山英美, 塩田達雄, 川本芳, 鳥居隆三, 吉田友教, 東濃篤徳, 鈴木紗織, 保富康宏, 明里宏文 (2012) マカク属サルTRIM5遺伝子における種間および種内の多様性. 第60回日本ウイルス学会学術集会 (2012/11/13-15, 大阪).

20) 三浦未知, 田邊順子, 菅田謙治, Tiejun Z, 齊藤暁, 安永純一郎, 明里宏文, 松岡雅雄 (2012) サルT細胞白血病ウイルス1型のウイルス学的解析と病原性. 第60回日本ウイルス学会学術集会 (2012/11/13-15, 大阪).

21) モイ メイリン, 大松勉, 高崎友彦, 中村紳一郎, 網康至, 片貝祐子, 須崎百合子, 明里宏文, 倉根一郎 (2012) Role of antibodies in dengue protective immunity and infection during secondary infection of marmosets. 第60回日本ウイルス学会学術集会 (2012/11/13-15, 大阪).

22) 野村拓志, 山本浩之, 明里宏文, 俣野哲朗 (2012) SIV複製抑制マカクサルにおけるCTL逃避変異体の選択による複製抑制破綻機構の解析. 第60回日本ウイルス学会学術集会 (2012/11/13-15, 大阪).

23) Suzuki J, Akari H, Okamoto M, Yoshida T, Okabayashi S (2012) Thrombocytopenia caused by SRV-4 in Japanese macaques (Macaca fuscata). Satellite Symposium of the 5th Annual Meeting of the ASZWM(2012/10/14, Chiang Mai).

24) 早川敏之, Mitra N, Wang X, Varki N, Varki A (2012) ヒト系統におけるシアル酸受容体Siglec-11の進化. 第28回日本霊長類学会大会 (2012/07, 名古屋).

25) 早川敏之, 安形高志, Varki A (2012) シアル酸受容体Siglec-11/Siglec-16と遺伝子変換. 日本進化学会第14回大会 (2012/08, 東京).

26) Yoshida T (2012) Risk assessment and Surveillance of Zoonoses in wild bonobos. Symposium JSPS Asia Africa Science Platform Program (2012/12, Inuyama).

27) Yoshida T, Takemoto H , Sato E, Sakamaki T, Miyabe-Nishiwaki T, Ikoma T, Watanabe A, Kaneko A, Watanabe S, Hayakawa T, Suzuki J, Okamoto M, Matsuzawa T, Akari H, Furuichi T (2012) Epidemiological study of zoonotic pathogens by screening of IgA antibodies in wild great apes in Africa. International Primatological Society XXIV Congress (2012/08, Cancun, Mexico).

28) 吉田友教, 宮部貴子, 郡山尚紀, 竹元博幸, 生駒智子, 渡邉朗野, 兼子明久, 渡邊祥平, 齊藤暁, 早川敏之, 鈴木樹理, 岡本宗裕, 松沢哲郎, 古市剛史, 明里宏文 (2012) 大型類人猿における糞便サンプルを用いた人獣共通感染症の抗体スクリーニング方法の開発. 第28回日本霊長類学会 (2012/07, 名古屋).

29) Matsui A, Jahan I, Islam MD, Rahman ZMM, Hirai H. Molecular phylogeny and evolution of gibbons, The 3rd International Symposium of Southeast Asian Primates features: Diversity and Evolution of Asian Primates (2012/08/27-29, Bangkok, Thailand).

30) 松井淳, 郷康広, 新村芳人,哺乳類における霊長類の嗅覚受容体遺伝子レパートリーの進化, 第28回日本霊長類学会大会 (2012/07/07-08, 名古屋).

31) 松井淳, 郷康広, 豊田敦, 会津智幸, 石崎比奈子, 今井啓雄, 藤山秋佐夫, 平井啓久, 新村芳人 (2012) Exomeデータを利用した霊長目の嗅覚受容体遺伝子の比較解析, 第14回日本進化学会大会 (2012/08/21-22, 東京).

32) 齊藤暁, 河野健, 中山英美, 保富康宏, 塩田達雄, 吉田友教, 東濃篤徳, 川本芳, 鳥居隆三, 明里宏文 (2012) アジアに生息するマカク属サルで認められるTRIM5遺伝子の多様性, 第26回日本エイズ学会学術集会・総会 (2012/11, 神奈川).

33) 東濃篤徳, 坂手龍一, 亀岡洋祐, 高橋一朗, 平田 誠, 田沼玲子, 増井 徹, 保富康宏, 長田直樹 (2012) マレーシア産カニクイザルのゲノム解析, 日本霊長類学会大会 (2012/07/06-08, 椙山女学園大学).

34) 東濃篤徳, 森健一, 鈴木紗織, 岩崎優紀, 吉田友教, 齊藤暁, 槇昇, 明里宏文 (2012) タマリンを用いたHCV/GBV-Bキメラウイルス感染モデル. 日本ウイルス学会学術集会 (2012/11/13-15, グランキューブ大阪).

35) Uchikoshi M (2012) Efforts toward gibbon welfare improvement at PRI. The 1st International Gibbon Husbandry Conference (2012/06/05-06, Greensboro).

36) 打越万喜子 (2012) 第1回国際テナガザル飼育管理会議 参加報告. 第15回SAGAシンポジウム (2012/11/17, 札幌市立大学).

37) 渡邉朗野, 兼子明久, 宮部貴子, 鈴木樹理, 藤原玲奈, 磯和弘一 (2012) 慢性化膿性硬化症骨髄炎のニホンザルの1例. 第18回日本野生動物医学大会 (2012/08/24, 十和田).

38) 森本真弓 (2013) ニホンザル血小板減少症・感染経路の推定. 霊長類研究所附属人類進化モデル研究センターセミナー (2013/01/07, 犬山).

39) 兼子明久, 須田(橋本)直子, 渡邉朗野, 鈴木樹理 (2012) ニホンザルにおける難産の兆候と処置. 第18回日本野生動物医学大会 (2012/08/24, 十和田).

40) 橋本直子, 夏目尊好 (2012) 飼育下ニホンザルにおける正の強化トレーニングを用いた福祉向上の取り組み. 第15回SAGAシンポジウム (2012/11/17-18, 札幌).

41) 夏目尊好, 橋本直子, 松沢哲郎 (2012) ニホンザル飼育環境への植物導入の取り組み. 第15回SAGAシンポジウム (2012/11/17-18, 札幌).

42) 藤森唯, ゴドジャリ静, 渡邉祥平, 前田典彦, 松沢哲郎 (2012) エンリッチメントへの取り組みに見られるチンパンジーの加齢の影響. 第15回SAGAシンポジウム (2012/11/17-18, 札幌).


講演

1) 岡本宗裕 (2012/05) ニホンザル血小板減少症. 第 59 回日本実験動物学会, シンポジウム I, 別府, 大分.

2) 岡本宗裕 (2012/07) 共同利用・共同研究拠点としての京都大学霊長類研究所. 第 21 回サル疾病ワークショップ, 相模原、神奈川.

3) 岡本宗裕 (2012/07) 寄生虫って本当に怖いの? 愛知サマーセミナー2012, 名古屋, 愛知.

4) 岡本宗裕 (2012/12) 昆虫(ムシ)から寄生虫(ムシ)、そしてサルへ. ノバルティスファーマ株式会社・サイエンティフィックアフェアーズ(SCA), 東京.

5) 明里宏文 (2012/09/16) ヒト免疫不全ウイルスによる MHC-1 発現制御機構の分子構造学的解析. 第 21 回日本組織適合性学会大会シンポジウム, 東京.

6) 齊藤暁 (2013/01/19) 茨城県立並木中等教育学校 SSH 講座『サイエンス・トーク“エイズウイルスを探れ!”』,茨城県立並木中等教育学校.

 

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国際共同先端研究センター

<研究概要>

A) Comparative Wildlife Biology, Conservation, and the Evolution of Social Systems
Fred Bercovitch
1) A two week trip was taken to Uganda for purposes of supervising a Master’s student research project aimed at comparing captive and wild chimpanzees.
2) A one-month trip was taken to Zambia for purposes of conducting research, analyzing data, and writing manuscripts on the behavior and ecology of Thornicroft’s giraffe along with my colleague in Zambia.
3) Two trips were taken to the United States. One explored possible avenues of research that would involve collaboration with the San Diego Zoo, UCSD, and UCLA, while the other involved detailed library research at NYU and UCLA for a book that I am writing.

B) Behaviour, Ecology and Conservation of Forest Bats
David Hill
1) Enhanced methodology for surveying bat diversity in forest habitat Field tests of the Autobat acoustic lure were conducted in southern Thailand (collaboration with Mr Pipat Soisook and Dr Sara Bumrungsri, Prince of Songkla University); Imbak Canyon and Maliau Basin, Sabah and Perlis State Park, Malaysia (collaboration with Dr Shahrul Anuar, Universiti Sains Malaysia). Also in Yakushima and Shimukappu, Hokkaido.
2) Genetic analysis of the social system of Murina ussuriensis (With JSPS Post-Doctoral Fellow, Dr Jon Flanders) Tissue samples were collected from >80 bats in Yakushima and Hokkaido for DNA analysis to investigate patterns of dispersal and philiopatry. DNA analysis is completed and the paper is currently being written.

C) チンパンジーを対象にした比較認知研究
足立幾磨
チンパンジーを対象に, 社会的認知能力、とくに顔知覚様式・個体情報の視聴覚統合にかかわる比較発達研究をおこなった。また、言語の進化的起源を明らかにするため、感覚間一致について分析をおこなった。コンピューターを用いた認知課題の成績および、各種の視覚刺激提示時の注視行動の分析をおこなった。

D) 動物園のチンパンジーの知性の研究
足立幾磨
名古屋市の東山動物園のチンパンジー1群7個体を対象に、屋外運動場での社会行動を観察記録した。また、隣接する実験ブース「パンラボ」において、コンピュータ課題をもちい彼らの知性を分析した。

E) Parasites as a Selective Force in Primate Social Systems Evolution
Andrew MacIntosh
This research aims to investigate (1) social factors involved in parasite transmission and (2) potential fitness constraints imposed by chronic helminth infection on primate hosts. This research is supported by a JSPS grant-in-aid for young scientists (B) as of April 2012. My paper highlighting the role of social status and grooming networks in nematode parasite transmission was published, laying a foundation for continuation of this work. I also presented this work at the congress of the International Primatological Society in Cancun, Mexico. Concurrently, I began a manipulative field experiment involving parasite removal via anthelmintics from target individuals in the Koshima main troop of Japanese macaques. Preliminary results suggest mixed results concerning the efficacy of the initial medication used, but that even partial parasite removal may have benefits for treated macaques. Additionally, I initiated a project to expand this research from a single-host, multiple-parasite system with Japanese macaques to a multiple-host, multiple-parasite system with communities of Bornean primates and their intestinal parasites.

F) Complexity in Behavioral Organization: a bio-indication of individual quality
Andrew MacIntosh
This research uses advanced analyses of organizational properties in sequences of animal behavior to determine the impacts of individual variation, including experimentally altered physiological conditions (e.g. stress), and environment on deviations from patterns predicted by optimality theory. A JSPS Researcher Exchange grant allowed me to visit France between May and June to conduct analyses using dive sequences collected via bio-logging from two penguin species, which has led to the submission of two papers currently under review as well as a poster I presented at the congress of the International Primatological Society in Cancun, Mexico. This work has also led to the approval of our team’s application to the French Polar Institute (IPEV) to continue this work in Antarctica.

G) Cultural transmission of arbitrary conventions in Japanese macaques
Claire Watson
After learning to identify the 50 individuals in two groups housed in large enclosures at RRS, I built two receptacles for this study and collected baseline data on interaction of monkeys with receptacle and plastic tokens. A divider was built to allow me to train a demonstrator individual from each group without the rest of the group observing. I habituated the demonstrators to the divider and have successfully trained the required behavior in one model. Ethical approval was granted for this study. H) Chimpanzee social interaction and cognition Chris Martin I spent two months in Bossou, Guinea making daily observations of a group of chimpanzees in their wild habitat. While in Guinea, I also conducted field experiments with humans as part of an ongoing behavioral economics research project to compare strategic reasoning abilities across great ape species. At Primate Research Institute, I completed a social coordination experiment consisting of a shared numerical sequencing task for chimpanzees. I wrote submitted a paper on a separate game theory experiment with chimpanzees (currently under review). I began a project to examine the enrichment benefits and comprehension skills of chimpanzees engaging in videoconferencing activities with conspecifics.


<研究業績>

原著論文

1) Imura T, Adachi I, Hattori Y, Tomonaga M (2013) Perception of the motion trajectory of objects from moving cast shadows in infant Japanese macaques (Macaca fuscata), Dev Sci, 16(2): 227?233.

2) Dahl DC*, Rasch MJ, Tomonaga M, Adachi I* (2013) Developmental processes in face perception, Scientific Reports, 3: doi:10.1038/srep01044. *Corresponding Authors.

3) Berry PSM, Bercovitch FB (2012) Darkening coat colour reveals life history and life expectancy of male Thornicroft’s giraffes, J Zool 287: 157-160.

4) Bercovitch FB (2012) Giraffe cow reaction to the death of her newborn calf, Afr J Ecol [IN PRESS. DOI: 10.1111/aje.12016].

5) Bercovitch FB, Berry PSM (2012) Kinship, herd composition, and fission-fusion dynamics among wild giraffe. Afr J Ecol [IN PRESS, DOI: 10.1111/aje.12024].

6) Lee KE, Seddon JM, Johnston S, FitzGibbon S, Carrick F, Melzer A, Bercovitch F, Ellis WAH (2012) Genetic diversity in natural and introduced island populations of koalas in Australia, Austr J Zool [IN PRESS, DOI: 10/1071/ZO12075].

7) Ellis W, FitzGibbon S, Melzer A, Wilson R, Johnston S, Bercovitch F, Dique D, Carrick F (2012) Koala habitat use and population density: using field data to test the assumptions of ecological models, Austral Mammal [IN PRESS, DOI: 10.1071/AM12023].

8) Sueur C, MacIntosh AJJ, Jacobs AT, Watanabe K, Petit O (2013) Predicting leadership using nutrient requirements and dominance rank of group members, Behav Ecol Sociobiol 67: 457-470.

9) MacIntosh AJJ, Jacobs A, Garcia C, Shimizu K, Mouri K, Huffman MA, Hernandez AD (2012) Monkeys in the middle: parasite transmission through the social network of a wild primate, PLoSONE 7:e51144.

10) Pebsworth PA, MacIntosh AJJ, Morgan HR, Huffman MA (2012) Factors influencing the ranging behavior of chacma baboons (Papio hamadryas ursinus) living in a human-modified habitat, Int J Primatol 33:872-887.

11) Peng Z, Li BG, Qi XG, MacIntosh AJJ, Watanabe K (2012) A proximity-based social network of a group of Sichuan snub-nosed monkeys (Rhinopithecus roxellana), Int J Primatol 33:1081-1095.

12) MacIntosh AJJ, Huffman MA, Nishiwaki K, Miyabe-Nishiwaki T (2012) Urological screening of a wild group of Japanese macaques (Macaca fuscata yakui): investigating trends in nutrition and health, Int J Primatol 33: 460-478.


著書(分担執筆)

1) 足立幾磨 (2012) 霊長類はどうやって顔を見分けるのか 日本のサル学のあした 中川尚史, 友永雅己, 山際寿一(編) 京都通信社 p208-213.


書評

1) Bercovitch FB (2012) Review of Long-Term Field Studies of Primates (ed. by PM Kappeler and DP Watts). Primates 53: 413-416.

2) Bercovitch FB (2012) Review of Human Biogeography (by. AH Harcourt). Int. J. Primatol. 33: 1506-1510.


学会発表

1) MacIntosh AJJ, Cottin M, Pelletier L, Kato A, Ropert-Coudert Y (2012) Primates, penguins, and periodicity: maintaining complexity in the face of ecological challenge. The 24th Congress of the International Primatological Society (2012/08/12-17, Cancun, Mexico)

2) Martin, C, Biro D, Matsuzawa, T (2012) Coordinated problem solving by chimpanzees in a shared sequencing task. 24th international Primatological Society Congress (2012/08/22-26, Cancun, Mexico).

3) Martin, C, Biro, D, Matsuzawa, T (2012) Chimpanzee coordination in a shared sequencing task. 2012 research conference of the International Institute for Advanced Studies “The Evolution of the Human Mind (2012/12/05-09, Kyoto).

4) Adachi I, Dahl C (2012) Initial and life-long development in face perception ~comparative approaches onto face perception~, Face Perception and Recognition (2012/10/31-11/03, Okazaki, Japan).

5) MacIntosh AJJ, Jacobs A, Garcia C, Huffman MA, Hernandez AD (2012) Socially-mediated parasite transmission: the role of dominance in exposure and susceptibility. The 24th Congress of the International Primatological Society (2012/08/12-17, Cancun, Mexico)

6) 渡邉祥平, 前田典彦, 熊崎清則, 足立幾磨, 林美里, 友永雅己, 松沢哲郎 (2012) 新チンパンジー大型ケージの紹介. SAGA15 (2012/11/17-18, 札幌市立大学).

7) Watson CF, Caldwell CA (2012) Evidence for Visual Social Contagion of an Affiliative Behaviour in Monkeys. 1st JSPS International Network Workshop on Tropical Biodiversity Conservation, INPA (2012/10/23, Manaus, Brazil).

8) Watson CF, Buchanan-Smith HM, Caldwell CA (2012) Experimental Investigation into Transmission of Sapolsky’s Social Culture in Captive Monkeys. International Institute for Advanced Studies Research Conference 2012; Evolutionary Origins of Human Mind (2012/12/04, Kyoto).

9) 市野悦子, 足立幾磨, 松沢哲郎 (2012) チンパンジーの夜間の最近接距離個体(NN)調査:就眠場所の記録. SAGA15 (2012/11/17-18, 札幌市立大学).

10) 鈴木健太, 木村元大, 島田かなえ, 渡邉みなみ, 櫻庭陽子, 市野悦子, 足立幾磨, 近藤祐治, 山本光陽, 木村幸一 (2012) チンパンジーに対する認知的エンリッチメント:東山動植物園での 3 年間の活動. SAGA15 (2012/11/17-18, 札幌市立大学).

講演

1) Hill DA (2012/05/04) Using acoustic lures to survey bats in tropical rain forest. Prince of Songhkla University, Hat Yai Thailand.

2) Hill DA (2012/08/04) Surveying bats in woodlands. Kami Tomamu, Shimukappu, Hokkaido.

3) Bercovitch FB (2012/11/08) Behavioral Ecology of Baboons. Asia-Africa Science Program Training Workshop, PRI, Inuyama, Japan.

4) Adachi I (2012/12/03-06) Cross/Intra modal correspondences in Chimpanzees. IIAS Research Conference 2012, Evolutionary Origins of Human Mind, Kyoto, Japan.

5) MacIntosh AJJ (2013) Epidemiology of nematode parasite infection among wild Japanese macaques: heterogeneity in the external and internal environments, Symposium: “Ecological Roles of Primates in Forest Ecosystems”, KUPRI, Japan.




 

 

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白眉プロジェクト

<研究概要>

A) 表情コミュニケーションについての実験心理学的研究
佐藤弥, 河内山隆紀, 澤田玲子
表情や視線による対人コミュニケーションにおける情報処理過程を、反応記録・ビデオ録画・筋電図計測などにより検討した。定型発達者および発達障害者を対象とした。

B) 表情コミュニケーションについての神経科学的研究
佐藤弥, 河内山隆紀, 澤田玲子
表情や視線による対人コミュニケーション課題を遂行中の神経活動を、fMRI・深部脳波などを用いて計測した。


<研究業績>

原著論文

1) Sato W, Uono S, Toichi M (2013) Atypical recognition of dynamic changes in facial expressions in autism spectrum disorders. Research in Autism Spectrum Disorders, 7(7), 906-912.

2) Sato W, Kochiyama T, Uono S, Matsuda K, Usui K, Inoue Y, Toichi M (2013) Rapid and multiple-stage activation of the human amygdala for processing facial signals. Communicative and Integrative Biology, 6(4), e24562.

3) Sato W, Fujimura T, Kochiyama T, Suzuki N (2013) Relationships among facial mimicry, emotional experience, and emotion recognition. PLoS One, 8(-), e57889.

4) Uono S, Sato W, Toichi M (2013) Common and unique impairments in facial-expression recognition in pervasive developmental disorder-not otherwise specified and Asperger's disorder. Research in Autism Spectrum Disorders, 7(2), 361-368.

5) Sato W, Yoshikawa S (2013) Recognition memory for faces and scenes. Journal of General Psychology, 140(1), 1-15.

6) Kitada R, Okamoto Y, Sasaki AT, Kochiyama T, Miyahara M, Lederman SJ, Sadato N (2013) Early visual experience and the recognition of basic facial expressions: Involvement of the middle temporal and inferior frontal gyri during haptic identification by the early blind. Frontiers in Human Neuroscience, 7(-), 7.

7) Sato W, Toichi M, Uono S, Kochiyama T (2012) Impaired social brain network for processing dynamic facial expressions in autism spectrum disorders. BMC Neuroscience, 13(-), 99.

8) Shimada Y, Nishimoto H, Kochiyama T, Fujimoto I, Mano H, Masaki S, Murase K (2012) A technique to reduce motion artifact for externally triggered cine-MRI(EC-MRI) based on detecting the onset of the articulated word with spectral analysis. Magnetic Resonance in Medical Sciences, 11(4), 273-282.

9) Sasaki AT, Kochiyama T, Sugiura M, Tanabe HC, Sadato N (2012) Neural networks for action representation: A functional magnetic-resonance imaging and dynamic causal modeling study. Frontiers in Human Neuroscience, 6(-), 236.

10) Aizawa E, Sato Y, Kochiyama T, Saito N, Izumiyama M, Morishita J, Kanazawa M, Shima K, Mushiake H, Hongo M, Fukudo S (2012) Altered cognitive function of prefrontal cortex during errror feedback in patients with irritable bowel syndrome, based on fMRI and dynamic causal modeling. Gastroenterology, 143(5), 1188-1198.


報告

1) 佐藤弥 (2013) 白眉研究者の心理的な背景とウェルビーイング. 京都大学白眉センターだより, 5, 6-7.

2) 河内山隆紀, 田邊宏樹, 荻原直道 (2012) 計算論的解剖学を利用した化石脳頭蓋骨から脳実質の再構成. ネアンデルタールとサピエンスの交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究. 研究項目 C02 2010-2011 年度 研究報告書 旧人・新人の学習行動に関する脳機能マップの作成, 29-36.

3) 河内山隆紀, 田邊宏樹 (2012) 計算論的解剖学を利用した化石脳頭蓋骨から脳実質の再構成. Proceedings of the 5th Conference on the Replacement of Neanderthals by Modern Humans (RNMH) project, 88-89.


著書(分担執筆)

Kanazawa N, Izumiyama M, Inoue T, Kochiyama T, Inui T, Mushiake H (2012) Neural correlates of the rule-based perception and production of hand gestures. Sharma, R. (ed.), "Functional Magnetic Resonance Imaging - Advanced Neuroimaging Applications" pp. 101-120. InTech.

澤田玲子,佐藤 弥 (2013) 顔表情認知. 脳科学辞典編集委員会(編), 『脳科学辞典』http://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E9%A1%94%E8%A1%A8%E6%83%85%E8%AA%8D%E7%9F%A5. 脳科学辞典編集委員会.


学会発表

1) Kochiyama T, Sato W, Uono S (2013) MEG data analysis using Statistical Parametric Mapping (SPM) software; A practical application to dynamic facial expression recognition study. 京都大学こころの未来研究センター連携 MRI研究施設開設記念シンポジウム (2013/02/16, 京都).

2) Sato W, Toichi M, Uono S, Kochiyama T (2013) Impaired social brain network for processing dynamic facial expressions in autism spectrum disorders. 京都大学こころの未来研究センター連携MRI 研究施設開設記念シンポジウム (2013/02/16, 京都).

3) Sawada R, Sato W, Uono S, Kochiyama T, Toichi M (2013) Electrophysiological correlates of detecting emotional facial expressions. 京都大学こころの未来研究センター連携 MRI 研究施設開設記念シンポジウム (2013/02/16, 京都).

4) Kochiyama T, Tanabe HC, Ogihara N (2012) Reconstruction of the brain from skull fossil using computational anatomy. The First International Conference on Replacement of Neanderthals by Modern Humans (2012/11/23, Tokyo, Japan).

5) Kitada R, Okamoto Y, Sasaki AK, Kochiyama T, Miyahara M, Lederman SJ, Sadato N (2012) Early visual experience and the recognition of facial expressions: Involvement of the middle temporal and inferior frontal gyri in haptic identification by the early blind. NIPS International Symposium Face Perception and Recognition (2012/11/01, Okazaki, Japan).

6) Miyazaki M, Kadota H, Matsuzaki KS, Takeuchi S, Sekiguchi H, Kochiyama T (2012) Distinction between neural correlates for temporal order and simultaneity judgments. 42nd annual meeting of Society for Neuroscience (October 17, 2012, New Orleans, USA).

7) Sato W (2012) Rapid amygdala gamma oscillations in response to faces and emotional facial expressions. What does human intra-cerebral recording tell us about emotions? (2012/09/20, Geneva, Swiss).

8) Miyazaki M, Kadota H, Matsuzaki KS, Takeuchi S, Sekiguchi H, Kochiyama T (2012) Dissociating neural correlates for simultaneity and temporal-order judgments. 第 35 回日本神経科学大会 (2012/09/20, 名古屋).

9) Kochiyama T, Sato W, Uono S (2012) MEG data analysis using Statistical Parametric Mapping (SPM) software; A practical application to dynamic facial expression recognition study. 第 35 回日本神経科学大会 (2012/09/20, 名古屋).

10) Sasaki AT, Kochiyama T, Sugiura M, Tanabe HC, Sadato N (2012) Brain networks for automatic mimicry: An fMRI and DCM study. Social Interaction, Engagement and the Second-Person Perspective (2012/05/26, Cologne, Germany).

11) 島田育廣, 河内山隆紀, 西本博則, 藤本一郎, 正木信夫 (2012) 外部トリガ同期MRIにおける発話音声分析に基づくモーションアーチファクト補正技術の開発. 第 68 回日本放射線技術学会総会学術大会 (2012/04/15, 横浜).


講演

1) 厚見悠, 佐藤弥 (2013/03/17) 人付き合いの心理と数理. 科学・技術フェスタ, 京都

2) 河内山隆紀 (2012/07/05) SPM による脳機能画像解析 第 14 回日本ヒト脳機能マッピング学会, 札幌

3) 河内山隆紀 (2012/05/11) fMRI 脳機能画像解析講習会 高知工科大学総合研究所脳コミュニケーションセンター,高知

4) 河内山隆紀 (2013/01/04) fMRI による脳機能画像解析 大分大学精神神経医学講座勉強会,大分



 

 

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ヒト科3種比較研究プロジェクト

<研究概要>

A) 飼育チンパンジーを対象とした比較認知科学的研究
平田聡、山本真也
熊本サンクチュアリの計 61 個体のチンパンジーを対象に、タッチパネルモニターを用いた認知研究、非拘束型アイトラッカーを用いた視線パターンの記録、サーモグラフィーを用いた顔表面温度の測定、道具使用行動の実験・観察、個体間社会交渉の実験・観察などをおこなった。

B) 日本へのボノボ導入に向けた準備、資料収集、海外飼育ボノボ個体群の観察
平田聡
日本での飼育ボノボを対象にした認知研究を立ち上げる準備として、導入手続きの調査、海外でのボノボ飼育・実験研究の現場視察、飼育ボノボ個体にかんする情報収集をおこなった。

C) 野生ボノボの行動調査
山本真也
コンゴ民主共和国ワンバ村にて、野生ボノボの行動と生態を調査した。食物分配を含む個体間関係、過保護事例を含む母子発達、集団での協力・役割分担などを記録し、解析をおこなった。

<研究業績>

原著論文

1) Sakai T, Hirata S, Fuwa K, Sugama K, Kusunoki K, Makishima H, Eguchi T, Yamada S, Ogihara N, Takeshita H (2012) Fetal brain development in chimpanzees versus humans. Current Biology, 22(18), R791-792.

2) Schrauf C, Call J, Fuwa K, Hirata S (2012) Do chimpanzees use weight to select hammer tools? PLoS ONE 7(7): e41044.

3) Yamamoto S, Takimoto A (2012) Empathy and fairness: psychological mechanisms for eliciting and maintaining prosociality and cooperation in primates. Social Justice Research, 25(3), 233-255.

4) Hirata S, Matsuda G, Ueno A, Fukushima H, Fuwa K, Sugama K, Kusunoki K, Hiraki K, Tomonaga M, Hasegawa T (2013) Brain response to affective pictures in the chimpanzee. Scientific Reports, 3, 1342.

5) Yamamoto S, Humle T, Tanaka M (2013) Basis for cumulative cultural evolution in chimpanzees: social learning of a more efficient tool-use technique. PLoS ONE, 8(1): e55768. doi:10.1371/journal.pone.0055768.


著書(分担執筆)

1) Yamamoto S (2013) Invention and modification of new tool-use behavior. In E. G. Carayannis (ed.), Encyclopedia of Creativity, Invention, Innovation, and Entrepreneurship, New York / Heidelberg: Springer. pp.1131-1139.

2) 山本真也 (2012) ボノボとチンパンジーに協力社会の起源を探る. 中川尚史, 友永雅己, 山極壽一(編): WAKUWAKU ときめきサイエンスシリーズ 3「日本のサル学──若手研究者の最前線」. 京都通信社. pp. 186-191.

3) 山本真也 (2013) ヒトはなぜ助け合うのか. 五百部裕、小田亮(編): 心と行動の進化を探る~人間行動進化学入門~. 朝倉書店. pp. 36-68.


その他の執筆

1) Hirata S (2012) Understanding Social Intelligence in Chimpanzees. JSPS Quarterly, 40: 4.

2) 平田聡(2012)チンパンジーを通してヒトを知る.日本学士院ニュースレター, No. 9, pp. 7.

3) 平田聡, 鵜殿俊史, 友永雅己, 松沢哲郎(2012)ちびっこチンパンジーとその仲間たち(第128 回)―30 年ぶりの空-医学感染実験チンパンジーがゼロになった. 科学, 82(8): 866-867.

4) 平田聡, 森村成樹, 友永雅己, 松沢哲郎(2012)ちびっこチンパンジーとその仲間たち(第129 回)―新しい時代のチンパンジー研究-WISH大型ケージ熊本1号機の稼動. 科学, 82 (9): 962-963

5) 平田聡, 酒井朋子, 竹下秀子 (2012) ちびっこチンパンジーとその仲間たち(第 131 回)―ヒトの脳はいかにして巨大化したか-チンパンジー胎児の比較発達研究. 科学, 82 (11): 1212-1213.

6) 平田聡(2012)チンパンジーの情動研究. 発達, 132: 93-101.

7) 山本真也 (2012) ちびっこチンパンジーとその仲間たち(第 127 回)―果実を分け合うボノボ―. 科学 82(7): 722-723.

8) 山本真也 (2013) ちびっこチンパンジーとその仲間たち(第 136 回)―技を盗むチンパンジー―. 科学 83(4): 410-411.


学会発表

1) Hirata S (2012) Measurement of event-related potentials in an awake chimpanzee for investigating chimpanzee brain characteristics. IIAS Research Conference 2012 “Evolutionary Origins of Human Mind” (2012/12/04, Kyoto).

2) Yamamoto S (2012) Evolution of cooperation: perspectives from bonobos and chimpanzees. The 4th meeting of International Institute of Advanced Studies (2012/04/26, Kyoto).

3) Yamamoto S (2012) Plant food sharing in wild bonobos in Wamba. The 24th Congress of the International Primatological Society. Symposium “Food sharing in humans and non-human primates” (2012/08/13, Cancun).

4) Yamamoto S, Matsuzawa T (2012) Group cooperation in wild chimpanzees and bonobos. The 24th Congress of the International Primatological Society. Symposium “Bonobos: the newly discovered ape” (2012/08/15, Cancun).

5) Yamamoto S, Humle T, Tanaka M (2012) Flexible helping with understanding of conspecifics’ goals in chimpanzees. The 24th Congress of the International Primatological Society (2012/08/15, Cancun).

6) 平田聡 (2012) 比較認知科学からの検証:武器としてのコミュニケーション力. 第 66 回日本人類学会公開シンポジウム「猿の惑星から学ぶヒトとサル」(2012/11/04, 横浜).

7) 山本真也 (2012) ヒト以外の霊長類における向社会行動の心理メカニズム. 第 72 回日本動物心理学会大会 自由集会「向社会性の進化と発達」(2012/05, 西宮).

8) 山本真也 (2012) 利他行動における他者理解の比較認知科学的検討. 第 76 回日本心理学会大会 ワークショップ「認知的メタプロセスの進化と発達(3)~他者理解への道」(2012/09/12, 川崎).

9) 山本真也 (2012) チンパンジー・ボノボからみた利他性の進化. 第 76 回日本心理学会大会 大会企画シンポジウム「利他性の進化はなぜ問題なのか」(2012/09/13, 川崎).

10) 山本真也 (2012) 野生ボノボの非互恵的食物分配. 第 5 回日本人間行動進化学会大会 (2012/12/02, 東京).


講演

1) 山本真也 (2012/05/22) 要求に応えるチンパンジー、自発的に助けるヒト~進化の隣人にみる協力行動の進化的基盤~. 日本能率協会 企業人としての人間研究会, 東京.

2) 山本真也 (2012/09/14) 人はなぜ集団で働くことができるのか?~「人の本性」を科学的に考察することで「人と組織の本質」を探る. The 32nd International HRD Conference & Expo: HRD JAPAN 2012 JMA70 周年特別企画パネル討議,東京.

3) 山本真也 (2012/12/19) チンパンジーとボノボのこころを探る. 立教大学全学共通カリキュラム総合教育科目「行動の科学」ゲストスピーカー,東京と埼玉.

4) 山本真也 (2013/01/11) ヒト科 3 種比較からみる協力と文化のメカニズム・進化. 「脳と心のメカニズム」第13 回冬のワークショップ, 留寿都村, 北海道.

5) 山本真也 (2013/03/19) チンパンジーからみる教育と文化の起源. 九州大学大学院人間環境学研究院 学際シンポジウム「教えるということ:その起源を考える」,福岡市.

 

 

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長期野外研究プロジェクト

<研究概要>

A) 東南アジア熱帯林の霊長類の社会生態学的研究
松田一希, 半谷吾郎 (生態保全), 大谷洋介 (大学院生:生態保全)
2005 年より, マレーシアサバ州のスカウ村, アバイ村を拠点としたテングザルの長期観察プロジェクトを行っている。本プロジェクトでは, テングザルの社会生態, 採食生態, 行動生態の観点から研究を進めている。また, テングザルと同所的に生息している他の昼行性霊長類(オランウータン, テナガザル, カニクイザル, ブタオザル, シルバーラングール)や地上性哺乳類(ヒゲイノシシ, サンバー,マメジカなど)の基礎的な生態・社会の研究も同時に行っている。特にテングザルとブタオザルについては, GPS 内蔵の発信機の装着を行い, 移動パタンと食物資源量の関係性をさぐる研究を新たに開始した。 食物資源量の変動を調べる目的で, スカウ村とアバイ村近郊の河畔林に設置している植生調査区で, 毎月一回の植物フェノロジー調査を行った。また, テングザルを含む霊長類 6 種の個体群動態を明らかにするために, ボートによる霊長類センサスを継続して行っている。

B) カリンズ森林保護区に棲息する野生霊長類の研究
伊左治美奈, 松田一希, 橋本千絵 (生態保全), 江島俊(大学院生:生態保全), 古市剛史(社会進化), 岡本宗裕(人類進化モデル研究センター)
ウガンダ共和国カリンズ森林保護区に生息する野生チンパンジー2集団を対象に, 集団間の出会いの交渉, 社会行動の違い, 採食行動についての長期的データを収集した。果実量についても月 1 回データをとった。人獣共通感染症の研究を進めるために, 糞試料による寄生虫の調査を行ったほか, 感染の履歴を調べるための糞・尿試料を収集した。さらに, エコツーリズムの影響を調べるために, 観光客に対するチンパンジーの行動のデータを収集した。

C) ボノボの社会構造・集団間関係と地理的行動変異の研究
坂巻哲也, 古市剛史(社会進化)
コンゴ民主共和国, ルオー学術保護区, ワンバ地区のボノボ調査を継続した。個体識別された隣接する 2 集団を日々追跡し, 社会関係, 活動時間配分, 採食, 集団間交渉, 個体の移籍などの長期的データを収集した。2012 年 4 月に認可されたルオー学術保護区と隣接するイヨンジ・コミュニティ・ボノボ保護区においても, 2 集団の人づけを継続し, ワンバ地区のボノボと比較した行動変異の研究を行なった。同時に遺伝学的および人獣共通感染症解析のための試料を収集した。


<研究業績 >

原著論文

1) Grueter CC, Matsuda I, Zhang P, Zinner D (2012) Multilevel societies in primates and other mammals: Introduction to the special issue. International Journal of Primatology 33:993-1001.

2) Kawamoto Y, Takemoto H, Higuchi S, Sakamaki T, Hart JA, Hart TB, Tokuyama N, Reinartz GE, Guislain P, Dupain J, Cobden AK, Mulavwa MN, Yangozene K, Darroze S, Devos C, Furuichi T (2013) Genetic structure of wild bonobo populations: Diversity of mitochondrial DNA and geographical distribution. PLoS ONE 8: e59660.

3) Matsuda I, Zhang P, Swedell L, Mori U, Tuuga A, Bernard H, Sueur C (2012) Comparisons of Inter-individual Relationships among Non-human Primates Living in Multi-level Social Systems. International Journal of Primatology 33:1038-1053.

4) Matsuda I, Higashi S, Otani Y, Tuuga A, Bernard H, Corlett RT (in press) A short note on seed dispersal by colobines: The case of the proboscis monkey. Integrative Zoology.

5) Nakamura M, Corp N, Fujimoto M, Fujita S, Hanamura S, Hayaki H, Hosaka K, Huffman MA, Inaba A, Inoue E, Itoh N, Kutsukake N, Kiyono-Fuse M, Kooriyama T, Marchant LF, Matsumoto-Oda A, Matsusaka T, McGrew WC, Mitani JC, Nishie H, Norikoshi K, Sakamaki T, Shimada M, Turner LA, Wakibara JV, Zamma K (2013) Ranging behavior of Mahale chimpanzees: a 16 year study. Primates 54: 171-182.

6) Otani Y, Tuuga A, Bernard H, Matsuda I (2012) Opportunistic predation and predation-related events on long-tailed macaque and proboscis monkey in Kinabatangan, Sabah, Malaysia. Journal of Tropical Biology and Conservation. 9: 214-218.

7) Sakamaki T, Kasalevo P, Bokamba MB, Bongoli L (2012) Iyondji Community Bonobo Reserve: a recently established reserve in the Democratic Republic of Congo. Pan Africa News 19: 16-19.

8) Zamma K, Sakamaki T, Kitopeni RS (2012) A wild chimpanzee birth at Mahale. Pan Africa News 19: 3-5.

著書(分担執筆)

1) 松田一希 (2012) 個性的なテングザルを追って, 人類社会の進化の謎に迫る.中川尚史, 友永雅己, 山極寿一編, 日本のサル学のあした. 京都通信社 pp 92-97.

2) 松田一希 (2013) ボルネオ・サル紀行-妻と一緒に, テングザル研究. 村上貴裕, 佐藤宏明編, パワーエコロジー. 海游舎 pp 43-76.

学会発表

1) Furuichi T, Sakamaki T, Mulavwa MN. (2012) Swamp forest: an indispensable resource for wild bonobos. International Primatological Society the 24nd Congress (2012/08, Cancun).

2) 古市剛史, 坂巻哲也, Mulavwa MN (2012) ルオー学術保護区のボノボによる湿地林の利用. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07, 名古屋市).

3) Hashimoto C, Sakamaki T, Mulavwa MN, Furuichi T. (2012) Hourly, daily, and monthly changes in the size and composition of parties of chimpanzees at Kalinzu and bonobos at Wamba. International Primatological Society the 24nd Congress (2012/08, Cancun).

4) Matsuda I, Zhang P, Swedell L, Mori U, Tuuga A, Bernard H, Sueur C (2012) Comparisons of Inter-individual Relationships among Non-human Primates Living in Multi-level Social Systems. International Primatological Society the 24nd Congress (2012/08, Cancun).

5) Matsuda I, Tuuga A, Bernard H, Kuze N, Kanamori T, Hanya G (2012) Diversity of flooded forests and the challenges and benefits of living in them. International Primatological Society the 24nd Congress (2012/08, Cancun) *企画シンポジウム「Primates in Flooded Habitats: Ecology and conservatation」企画者:A Barnett, I Matsuda

6) 松田一希, Zhang P, Swedell L, 森梅代, Tuuga A, Bernard H, Sueur C (2012) 重層社会を形成するオナガザル科 4 種の個体間関係の比較. 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07, 名古屋).

7) Sakamaki T (2012) How do immigrant females form social bonds with resident females among wild bonobos at Wamba, DRC. International Primatological Society the 24nd Congress (2012/08, Cancun).

8) 坂巻哲也 (2013) 野生ボノボのロコモーション. 第 118 回日本解剖学会全国学術大会 (2013/03/28, 高松市).

9) 竹元博幸, 樋口翔子, 川本芳, 坂巻哲也, 古市剛史 (2012) ボノボ野生個体群の広域的な遺伝子構造:ミトコンドリア DNA タイプの多様性と分布(予報). 第 28 回日本霊長類学会大会 (2012/07, 名古屋市).


講演

1) 松田一希 (2012/11) 反芻するサル??ボルネオ島にテングザルを追う?.動物行動学会公開シンポジウム, 奈良.

 

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