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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2011年度・目次

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.41 2010年度の活動

年報 Vol.41

Ⅰ. 巻頭言

平成22年度(2010年度)の京都大学霊長類研究所の年報をお届けします. この年報は, 当該年度の研究と教育ならびに社会貢献の活動報告です.

学校教育法施行規則等の一部を改正する省令が平成22年6月15日に公布され, 平成23年4月1日から施行されることとなりました. 大学等が公的な教育機関として, 社会に対する説明責任を果たすとともに, その教育の質を向上させる観点から, 公表すべき情報を法令上明確にし, 教育情報の一層の公表を促進することが, 今回の改正の趣旨です. 年報は, そうした趣旨に沿って, 年度活動を詳述公表した自己点検報告書といえるでしょう.

「全国共同利用研究所」という創立以来慣れ親しんできた制度と名称が無くなり, 平成22年度から「共同利用・共同研究拠点」という新たな制度が始まりました. しかし, 全国の霊長類研究者のための研究教育拠点としての意義と使命は不変です.

平成22年9月には, 第23回国際霊長類学会が京都で開催されました. 20年ぶり, 3回目の日本開催です. 56か国約1000人の参加がありました. これに照準を合わせて, 霊長類研究所が主宰する若手研究者の海外交流事業の総称である「HOPE事業」では, 多くの外国人研究者を日本に招へいしました. また日本学術振興会や京大教育研究振興財団の支援も得て, 若手研究者の海外への派遣も盛んにおこなわれました.

前年の平成21年度に国際共同先端研究センターを開設し, 平成22年度には教員3名が着任しました. 国際霊長類学・野生動物コースによる英語の入試を開始して3回実施し, 23年度当初に3名の外国人大学院生が加わりました. その結果, 修士1年生は, 日本人9名と外国人3名という比率です.

文部科学省の最先端研究基盤支援事業として, 「心の先端研究」の連携拠点を作る「WISH事業」が採択されました. 平成22-24年度の3年間で比較認知科学実験設備等を整備します. これは国内8研究機関の連携および日独米英伊仏6カ国の国際連携ですが, 京都大学が中核で, 霊長類研究所がその主体です. さらに平成23-29年度の7年間にわたる特別経費として「人間の進化の霊長類的起源に関する国際共同先端研究事業の戦略的推進」事業も採択されました. 国内外の研究拠点としての今後の役割の重大さを認識しています.

平成23年3月11日に, 東日本大震災が起こりました. マグニチュード9.0という大地震とそれに続く大津波によって, 死者・行方不明者は約2万人です. 福島の原発事故も予断を許しません. 被災された方々とその関係者の皆様に心からお見舞い申し上げます.

これは, われわれの世代が体験した未曽有の災害です. しかし, 6年前の第2次世界大戦の終了までに, わが国だけでも死者300余万人, 非戦闘員の市民の犠牲もおびただしいものがありました. 戦後の復興があったように, 震災後の復興があることを確信します.

人間は, 遠い過去の記憶を語り継ぎ, 遠い未来に希望を託し, 遠く離れた人々の苦しみに心を添わせることができます. 人間のもつ想像するちからが試されていると思います.

霊長類研究所の創立目的は, 人間を含めた霊長類の基礎的な研究を総合的に推進することです. それは, 「人間とは何か」という問いに対する答えを探す作業だともいえるでしょう. 当下一念, 目の前のしごとを誠実に進める. そうした日々の学問が, めぐりめぐって人々の心に希望の灯りをともすものとなるよう精進したいと思います. 霊長類学という基礎的な学問への皆様のご支援とご理解をよろしくお願いします.

所長 松沢哲郎

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会