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京都大学霊長類研究所 年報
Vol.37 2006年度の活動
IX NBRの活動
ニホンザルバイオリソースプロジェクト(NBR)について
本プロジェクトは,第一期として予定された5年間(2002年度~2006年度)の最終年度として,一応の区切りを付ける年となった.ゼロからスタートして母群収集や繁殖を進め,本格的な供給事業に向けての試験的供給として,期末までに第一回の供給試行を実施することができた.
第一回の供給試行については平成18年3月末に募集を開始し,供給検討委員会の審査,運営委員会の承認を経て供給先を決定し,同年12月に輸送を完了した.供給したサルは本プロジェクトの委託を受けている民間企業で繁殖したものである.この供給申請に際して義務付けている事前講習を2回開催し,のべ138名が受講した.
本プロジェクトの委託を受けている霊長類研究所は,繁殖規模を大幅に拡充するリサーチリソースステーション(RRS)の設置を概算要求していたが,後述するように18年度にその実現をみた.今後はその運営によって繁殖事業の一翼を実際に担うこととなる.
また,NBRの活動を広く紹介するために,18年度もシンポジウムを開催した.内容は以下のとおりである.
第5回 文部科学省RR2002企画シンポジウム
「ナショナルバイオリソースプロジェクト「ニホンザル」-将来へ向けて,5年間のあゆみ-」
日時:2007年2月2日(金)
場所:日本大学会館第2別館
主催:ナショナルバイオリソースプロジェクト「ニホンザル」バイオリソース運営委員会
(中核機関:自然科学研究機構 生理学研究所
代表者:伊佐正)
後援:京都大学霊長類研究所,情報システム・研究機構 国立遺伝学研究所,独立行政法人 理化学研究所バイオリソースセンター,日本霊長類学会,日本神経科学学会,日本生理学会,国立大学法人動物実験施設協議会,公私立大学実験動物施設協議会
<プログラム>
開会挨拶 「ニホンザル」バイオリソース運営委員会・委員長 伊佐正
来賓挨拶 文部科学省(ライフサイエンス課長)
NBR5年間の総括と将来展望
NBRの5年間と将来展望 「ニホンザル」バイオリソース運営委員会委員長 伊佐正
京都大学霊長類研究所RRS計画
京都大学霊長類研究所 景山節
質疑応答
第2部 ニホンザルについて
特性 山根到(日本大学総合科学研究所)
研究紹介 虫明元(東北大学)
質疑応答
動物実験を取り巻く環境
動物実験を巡る環境 青木貢一(動物との共生を考える連絡会)
動物実験の社会的理解に向けた取り組み 八神健一(筑波大学)
総合討論
これまでの第一期5年間の実績を踏まえ,19年度からの第2期ナショナルバイオリソース事業に応募した結果,採択が決定した.今後の5年間に事業を軌道に乗せ,ニホンザルの飼育下繁殖・供給を研究基盤として定着させることが求められる.
(文責:松林清明)
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