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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2006年度 > III 研究活動 多様性保全研究分野

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.37 2006年度の活動

III 研究活動

比較認知発達(ベネッセコーポレーション)研究部門

佐藤弥(助教授),林美里(助手)

高島友子(技術補佐員)

研究支援分野:思考言語分野・認知学習分野

<研究概要>
A)表情コミュニケーションについての実験心理学的研究

佐藤弥

表情や視線による対人コミュニケーションにおける情報処理過程を,反応記録・ビデオ録画・筋電図計測などにより検討した.定型発達者および発達障害者を対象とした.

B)表情コミュニケーションについての神経科学的研究

佐藤弥

表情や視線による対人コミュニケーション課題を遂行中の神経活動を,fMRI・深部脳波などを用いて計測した.


C)チンパンジーとヒトの比較認知発達研究

林美里

物の操作や道具使用を指標として用い,チンパンジーの認知発達を調べる研究をおこなった.積木やカップを用いた課題を,おもにチンパンジー乳児3個体を対象に実施した.同じ課題をヒト乳幼児にも実施して,直接比較をおこなった.ヒトの研究は竹下秀子(滋賀県立大学)氏との共同研究である.

<研究業績>
原著論文 

1) Sato, W., Yoshikawa, S. (2007) Enhanced experience of emotional arousal in response to dynamic facial expressions. Journal of Nonverbal Behavior 31: 119-135.

総説 

1) 佐藤弥 (2006) 鼻部皮膚温は情動の質的指標となるか?量的指標となるか? ベビーサイエンス 6: 9-11.

報告 

1) 魚野翔太, 佐藤弥, 道又爾, 吉川左紀子, 十一元三 (2007) 状態不安と恐怖表情が視線による注意シフトに与える影響. 電子情報通信学会技術研究報告HCS 2006-65: 37-42.

その他雑誌 

1) 赤木和重, 林美里 (2006) ちびっこチンパンジー第60回 他者を通して学ぶ. 科学 76(12): 1202-1203.

翻訳 

1) 佐藤弥, 十一元三 訳 (2007) 自閉症の原因に迫る. (Ramachandran, V.著, Broken mirrors) 28-36, 日経サイエンス 2007-2.

2) 佐藤弥 訳 (2007) 他人を映す脳の鏡. (Rizzolatti, G. 著, Mirrors in the brain) 18-26, 日経サイエンス 2007-2.

学会発表等 

1) Hayashi, M., Takeshita, H. (2007) Cognitive Development in Chimpanzees and Humans Assessed by Stacking-Block Tasks. 2007 Society for Research in Child Development Biennial Meeting (Mar. 2007, Boston, USA).

2) Hayashi, M. (2007) Cognitive development in object manipulation tasks by chimpanzees and humans. The Mind of the Chimpanzee (Mar. 2007, Chicago, USA).

3) Ogura, T., Hayashi, M., Matsuzawa, T. (2007) Problem Solving by Foresight in the Means-Ends Tasks in Chimpanzees (Pan troglodytes). 2007 Society for Research in Child Development Biennial Meeting (Mar. 2007, Boston, USA).

4) 赤木和重, 林美里 (2007) チンパンジーにおける社会的参照-他者が対象物に恐怖を示したときの反応から-. 日本発達心理学会第18回大会 (2007年3月, さいたま).

5) 魚野翔太, 佐藤弥, 道又爾, 吉川左紀子, 十一元三 (2007) 状態不安と恐怖表情が視線による注意シフトに与える影響. 電子情報通信学会 (2007年3月, 名古屋).

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