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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2005年度 > XI 退職にあたって

京都大学霊長類研究所 年報 

Vol.36 2005年度の活動

XI 退職にあたって

茂原信生(系統発生分野)

-リサーチ・リソース・ステーションに明け暮れた3年-

霊長類研究所には11年あまり在職したことになります.

私立大学に20年以上在籍していましたから,最初はとまどうことがたくさんありました.「概算要求」などという公務員には一般的な言葉にも首をかしげたものです.同じように私学経験の長い故上原さんとは共通の基盤があり,いわゆる「しきたり」の違いについてよく話し合ったものです.もちろん私学では,教授ではありませんでしたし,とくに私がいたのは教授の力の強い医学部でしたから,大学の運営面に直接タッチすることはほとんどありませんでした.

これに対し,霊長類研究所は協議員会システムをとっていてかなり違いが大きかったのは事実です.いまだについて行けない部分,理解できない部分もあります.委員会が多いこと,ならびに事務的な手続きが煩雑であることをのぞけば,1人1人は非常に多くの研究の時間を持つことができるし,恵まれた研究環境と思います.しかし,残念なことに,この研究所の経験しかない方がその恵まれた環境を十分に理解していないようです.別に精神論を言うつもりもありませんが,もう一度自分たちの環境のよさを見直して欲しいと思います.

最後の3年間は,思いがけず所長をすることになりました.歴代の所長と比べると,なるべくしてなったわけではないので明確なビジョンを持っていたわけではありませんでした.小嶋前所長から託されたリサーチ・リソース・ステーションの実現が最も大きな課題でした.選ばれたときには「大変なことになった」と思いましたが,自分にできることをこつこつとやる以外に道はないと考えるようにしました.ともかく,いろいろなハプニングはありましたが,RRSの工事の着工にまでこぎ着けられたことは,多くの方々の絶え間ない努力の結果と思います.とくに,井山事務長や佐賀会計掛長のご協力があったればこそと思います.

国立大学の法人化そのものがかなり無理のある制度への変更であり,場当たり的であり将来を見通した政策とは思えません.これから大学は今よりももっと厳しい状況になっていくと思います.しかし,霊長類研究所には先達が築いてくださった高い評価があります.京都大学内でも,学外でも,日本で唯一の霊長類の基礎研究は,自分たちが思う以上に評価されています.しかし,厳しい状況の中でこのような評価がいつまで続くかは保証できるものではありません.高い評価があるうちに次のステップに挑戦し,基礎を築いていくことが必要です.RRSを足がかりにして,外国も含めた共同利用研究をめざして努力することが当面の課題となりましょう.

いわゆる「研究所の寿命30年説」を打ち破り,さらなる発展をめざして新しい分野への展開が進むことを期待しています.

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このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会