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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2004年度 > X 共同利用研究 3. 平成16年度で終了した計画研究

京都大学霊長類研究所 年報 

Vol.35 2004年度の活動

X 共同利用研究

3 平成16年度で終了した計画研究

サル類疾患の生態学
  • 実施年度 平成14年度~16年度
  • 推進者:松林清明,景山節,上野吉一,後藤俊二, 鈴木樹理,S. スリカンタ

本計画課題では,サル類が罹患する多様な疾病を生物学的に把握して,疾患とサル類との関係を多面的に検討した.

獣医学的な観点から疾患の様態や病因を明らかにして健康の保持を目指すだけでなく,感染症・非感染症を幅広く捉え,サルを取り巻く健康条件の成立について掘り下げるとともに,応用面として診断や予防・治療に関する新しい知見を開拓し,飼育時の適切なコントロールに資することを目指した.

3年間で本課題に参加した共同利用研究員は,ウイルス学・病理学・生化学・寄生虫学・生理学・動物福祉学など多様な分野にわたり,狭い専門領域に留まることなく,疾患の持つ意味を総合的に捉えることができた.この計画研究を通じて,例えばウイルス病に関してはその細胞への感染機序からサルヘルペスB抗体の検出技術研究まで,基礎から応用に至る新しい知見を得ることができたし,ミクロスポリジアのような比較的なじみの薄い寄生微生物の侵淫状況を理解する機会も得られた.さらにストレス関連酵素および心理的幸福評価など,動物福祉に関するテーマをミクロ・マクロ両面から推進する場にもなった.

3年間の課題期間を終了するに当たって,これらの成績は平成17年1月22日に開催された共同利用研究会で紹介され,分野を超えた活発な議論が展開された.

本計画研究は以下のような共同利用研究として実施された.

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  • <平成14年度>
  • 手塚修文(名古屋大・人間情報学)「サルのストレス関与酵素系に関する基礎的研究」
  • 速水正憲,伊吹謙太郎,元原麻貴子,大倉定之(京都大・ウイルス研)「T細胞分化過程におけるレトロウイルス感染と分化異常の解析」
  • 佐藤浩,大沢一貴(長崎大・医)「HVP2抗原等を用いたレトロスペクティヴなマカク血清BV抗体調査」
  • 柳井徳磨(岐大・農)「サル類の疾病に関する病理学的研究」
  • <平成15年度>
  • 手塚修文(名古屋大・人間情報学)「サルのストレス関与酵素系に関する基礎的研究」
  • 速水正憲,伊吹謙太郎,元原麻貴子,大倉定之(京都大・ウイルス研)「T細胞分化過程におけるレトロウイルス感染と分化異常の解析」
  • 佐藤浩,大沢一貴(長崎大・医)「HVP2抗原等を用いたレトロスペクティヴなマカク血清BV抗体調査」
  • 柳井徳磨(岐大・農)「サル類の疾病に関する病理学的研究」
  • <平成16年度>
  • 古屋宏二(感染研・寄生虫)「サル類におけるミクロスポリジア感染の疫学的研究」
  • 森村成樹(林原生物科学研・類人猿)「霊長類における心理的幸福の評価と長期モニタリグ法の開発」
  • 石田貴文,セーチャン・バンナラ(東大・理)「霊長類の潜伏感染ウイルスの比較と動態」
  • 中垣和英,中村紳一郎(日本獣医畜産大・獣医)「様々な疾病におけるマカカ属サルの調節性cd4細胞集団の変化と機能」
  • 速水正憲,伊吹謙太郎,元原麻貴子,大倉定之(京都大・ウイルス研)「T細胞分化過程におけるレトロウイルス感染と分化異常の解析」
  • 佐藤浩,大沢一貴(長崎大・医)「HVP2抗原等を用いたマカク血清BV抗体調査と陰性コロニーの作出」

(文責:松林清明)

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