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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2004年度 > VII 21世紀COEとしての活動 

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.35 2004年度の活動

VII 21世紀COEとしての活動

平成16年度の21世紀COEではおもに以下のような研究活動をおこなった.

研究拠点体制の確立

霊長類研究所では,インドネシアのボゴール農科大学と交流協定を締結,そのもとに当地に生息する霊長類の多面的な研究,保護体制を展開した.とりわけスマトラ島のパダン近郊の森林に生息するアジルテナガザルの複数の群れについて,個体識別を行ない,餌などを媒介とせずに観察者が近距離より観察可能な状況を作り出すことに成功し,観測システムを造った.ここを研究拠点施設として充実をはかり,京都大学とボゴール農科大学の研究者の共同による長期的な研究体制を確立した.

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人材育成,国際化等にかかわる活動
  • 平成16年8月に屋久島フィールドワーク講座を開き,学部学生に野外で生息する生物多様性の実習を行なった.
  • 平成16年9月に東京の科学みらい館で,霊長類研究所東京公開講座を催した.
  • 平成17年3月に国際シンポジウム「アジアの霊長類研究の最近の進歩」を開催した.海外の著名な研究者16人を招聘し,約200名の参加者と活発な討論を行なった.

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研究拠点形成に係る具体的な成果
霊長類原猿類の真猿化への進化過程の復原

ミャンマーで広汎な発掘調査を行い,ポンダウンギアの化石を発見した.ポンダウンギアは霊長類のなかで真猿と原猿の中間に位置し,双方の形質を持つものであり,その特徴を他の原猿および真猿の化石と比較検討することによって,サルの真猿化の進化過程の復原を試みた.

霊長類の音声コミュニケーションの可塑性の研究

ニホンザルとテナガザルの音声の詳細な分析を実施した.ニホンザルについては屋久島と,愛知県大平山の集団で継続的観察を行い,いわゆるクーコールに方言が存在することを見出した.またその機能について検討を加えた.テナガザルについては,アジルテナガザルとミュラーテナガザルでのグレートコールの比較を試みた.その結果,それぞれに種固有と思われる特徴が見出された一方,単に遺伝的な差異によるとは思われない差異もあり,それらは個々の地域で世代間伝達のような形で継承されていっているものと推測された.

テナガザルの遺伝的進化についての研究

インドネシアのスマトラ島とカリマンタンに生息するテナガザルの遺伝組成に関しミトコンドリアDNAなどを指標として詳細な分析を試みた.その結果,スマトラ島に生息するアジルテナガザルは,マレー半島より移入しそののちカリマンタンへ移ったこと,またカリマンタンへの移入にあたっては,いったんポピュレーションが減少した後にその数を爆発的に増加された痕跡のあることが認められた.

屋久島および金華山島におけるニホンザルの保全

屋久島と金華山島に生息するニホンザルの複数の集団について,GPSを用いてその周年にわたる遊動の動態を記録し,彼らが採餌する食物との関連を分析した.その資料をもとに,どのように環境を保全することが彼らの生活を守るうえで最適な方策となるのか,また各環境下における最大許容ポピュレーションはどの程度であるのかの推測を行い,保全のための知見として活用することをめざした.

(文責:正高信男)

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