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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2004年度 > V 自己点検評価委員会報告

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.35 2004年度の活動

V 自己点検評価委員会報告

平成16年度の自己点検評価委員会は15年度と同じ委員でおこない,15年度当初に立てていた2ヶ年計画の後半部分について実行した.2ヶ年計画では,教員の研究とそれ以外の教育,社会貢献などを含めた総合的な活動を検討することを目的とした.15年度は研究活動に絞り,ISI社のデータベースを利用した論文引用数,citation indexを調べることとした.業績データベースができていたので各発表論文についてのデータ収集は比較的容易であった.取りまとめた結果は15年度末に報告した.16年度は研究以外の項目の点検評価をおこなうこととした.これらの項目についてはデータが年報あるいは協議員会議事録などに分散して記録されているもの,各教員個人が保存しているものなどまちまちであったので,まずデータベースの構築をおこなった.所内のネットワークに「教員活動データベース」を構築し,以下の項目について各教員に過去10年間のものについて入力を要請した.年報,協議員会議事録に載っているものについてはアルバイトを雇用することにより委員会で入力を進めた.

1) 学生の指導

2) 非常勤講師

3) 特許

4) 外部資金

5) 学位審査委員

6) 講演・公開講座講師

7) 学会・社会活動

8) 受賞歴

9) マスコミ・取材協力

10) 共同利用研究対応

11) 委員会

これらの項目について多くの教員が整理は不十分な状態であったと考えられるので,今回のデータベース化により整理・保存の体制が整ったことは有意義であった.

データベースに入力された各データを収集し,研究論文のデータと合わせ,各教員の活動について総合的な解析をおこなった.解析結果は2005年4月15日に報告した.各教員の活動内容は,研究に重点をおく,学生指導に重点をおく,学外活動に重点をおく,共同研究に重点を置く,など各教員でかなりの違いがみられた.またいずれの項目でも低い値を示す場合もあり問題であることが指摘された.重点の置き方は分野でまとまって明確な傾向を示す場合もあったが,分野内でも違いが大きいところがあった.これは各研究者の戦略,各分野の戦略が多様であることを示している.今回の委員会の解析では,どの重点の置き方が望ましいといった議論はおこなっていない.実際のデータを提示することにより各人が自らの方向性を検討し今後の参考にしてもらうことに主体をおいたからである.さらに,各教員が長所をアピールしていく必要性,「義務」としての仕事(委員会活動など)の分担,研究室・分野内での分担,研究所としての戦略の必要性,公に出来ない(データベース化できない)戦略をとる場合の不利益など,今後の検討項目を指摘した.また元データが無いと何も解析できない,あるいはデータは蓄積されてこそ意味があるとの観点からデータベースの項目の見直しと充実を提案した.

自己点検評価委員会:景山節(委員長),高井正成,マイケル・ハフマン,清水慶子,泉明宏(2004年12月まで),茂原信生所長

(文責:景山節)

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