ENGLISH 京都大学
125周年
所長挨拶 概要 教員一覧 研究分野・施設 共同利用・共同研究 大型プロジェクト 教育,入試 広報,公開行事,年報 新着論文,出版 霊長類研究基金 リンク アクセス HANDBOOK FOR INTERNATIONAL RESEARCHERS Map of Inuyama
トピックス
お薦めの図書 質疑応答コーナー ボノボ チンパンジー「アイ」 行動解析用データセット 頭蓋骨画像データベース 霊長類学文献データベース サル類の飼育管理及び使用に関する指針 Study material catalogue/database 野生霊長類研究ガイドライン 霊長類ゲノムデータベース 写真アーカイヴ ビデオアーカイヴ

京都大学霊長類研究所
郵便番号484-8506
愛知県犬山市官林
TEL. 0568-63-0567(大代表)
FAX. 0568-63-0085

本ホーム・ページの内容の
無断転写を禁止します。
Copyright (c)
Primate Research Institute,
Kyoto University All rights reserved.


お問い合わせ

京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2004年度 - III 研究活動 集団遺伝分野

京都大学霊長類研究所 年報

年報 Vol.35 2004年度の活動

III 研究活動

集団遺伝分野

庄武孝義,川本芳,田中洋之

研究概要
A) ニホンザルの集団遺伝学的研究

川本芳,庄武孝義,川本咲江(技能補佐員)

和歌山県におけるタイワンザルとニホンザルの交雑状況について,現地調査ならびに遺伝子分析をおこなった.犬山で開催された第20回日本霊長類学会で分析結果を発表した.萩原光氏,相澤敬吾氏(房総のサル管理調査会)との共同利用研究で,房総半島で野生化したアカゲザルがニホンザルと交雑をはじめていることを遺伝子分析で証明し,論文公表した.赤座久明氏(富山県立雄峰高)との共同利用研究で,北アルプス後立山連峰稜線部に夏期のみ現れる群れを現地調査し,糞からの遺伝子分析により出自を判定した.また,関連する研究成果を第20回日本霊長類学会で発表した.2004年5月と2005年3月に開催した共同利用研究会においてニホンザルに関する研究成果を発表した.

B) マカカ属サルの系統関係

川本芳

インドネシアのボゴール農科大学の研究者と共同で,8月に西部ジャワ州のインド洋上にあるTinjil島繁殖コロニーのカニクイザル人為導入群の遺伝的特性を調査した.

C) マダガスカル産原猿類の遺伝学的研究

川本芳

市野進一郎氏(京大アジアアフリカ地域研)との共同利用研究で,ベレンティー保護区のワオキツネザル群のマイクロサテライト遺伝子変異を分析した.父子判定にもとづきオスの繁殖状況を解明した.

D) ヒヒ類の種分化に関する集団遺伝学的研究

庄武孝義

サウジアラビアのBisha(アシール山岳地帯東部が砂漠に移行する地域であり,この国のマントヒヒの生息地の最東部)にて,昨年度の予備調査につづき,今年度は捕獲調査を行った.試料を日本に持ち帰り,DNA抽出行い,ミトコンドリアDNAの塩基配列を決めつつある.

↑このページの先頭に戻る

E) 家畜化現象と家畜系統史の研究

川本芳,庄武孝義

3月にペルーを訪れ,アレキーパ県の山岳地帯でリャマ,アルパカの遺伝学的調査をおこなった.南米ラクダ科動物に関するこれまでの分析結果を論文にまとめ公表した.

F) 閉鎖集団として維持される実験用サル類の集団遺伝学的研究

田中洋之,森本真弓(人類進化モデル研究センター),釜中慶朗(人類進化モデル研究センター),松林清明(人類進化モデル研究センター),川本芳,庄武孝義

本研究は,閉鎖集団として当研究所で維持されているニホンザルおよびアカゲザルコロニーを対象にして,家系の解明と集団の遺伝的変異性および近交度の変化を明らかにすることを目的にすすめている.今年度は,ひきつづきニホンザル嵐山群についてマイクロサテライトDNAの多型分析を行い,また,定期検診で採集した血液試料からのDNA試料の調製を行った.

G) ハナバチの歴史生物地理学的研究

田中洋之

ボルネオ島及びスラウェシ島に生息するミツバチ属を対象に系統地理学的研究をすすめている.2004年度は,マレーシア・サバ州で行われた21世紀COE共同プロジェクト(代表:北山・生態研)のインバック渓谷調査に参加した.採集したミツバチの遺伝分析を行い,調査報告書としてサバ基金(マレーシア)へ提出した.また,ボルネオ島におけるミツバチの遺伝的多様性の成立について,これまで蓄積した知見を総括し,日本生態学会第52回大会で発表した.

↑このページの先頭に戻る

研究業績
論文
  1. Sawai, H., Kawamoto, Y., Takahata, N., Satta, Y. (2004) Evolutionary relationships of major histocompatibility complex class I genes in simian primates. Genetics 166: 1897-1907.
  2. Kawamoto, Y., Hongo, A., Toukura, Y., Kariya, Y., Torii, E., Inamura, T., Yamamoto, N. (2005) Genetic differentiation among Andean camelid poplations measured by blood protein markers. Report of the Society for Researches on Native Livestock 22: 41-51.
  3. Bertsch, A., Schweer, H., Titze, A., Tanaka, H. (2005) Male labial gland secretions and mitochondrial DNA markers support species status of Bombus cryptarum and B. magnus (Hymenoptera, Apidae). Insectes Sociaux 52(1): 45-54.
  4. Kawakita, A., Sota, T., Ito, M., Ascher, J.S., Tanaka, H., Kato, M., Roubik, D.W. (2004) Phylogeny, historical biogeography, and character evolution in bumble bees (Bombus: Apidae) based on simultaneous analysis of three nuclear gene sequences. Molecular Phylogenetics and Evolution 31: 799-804.
  5. 川本芳, 萩原光, 相澤敬吾 (2004) 房総半島におけるニホンザルとアカゲザルの交雑. 霊長類研究 20(2): 89-95.

↑このページの先頭に戻る

報告
  1. 平井啓久, 田中洋之, 早野あづさ (2004) インドネシアにおけるテナガザルの遺伝学的調査. 霊長類研究 20: 123-127.
  2. 川本芳 (2004) 霊長類の異種交雑にともなう遺伝的変化の研究. 平成13年度-平成15年度科学研究費補助金(基盤研究 (B)(2))研究成果報告書 : pp.107.

↑このページの先頭に戻る

学会発表
  1. Hirai, H., Wijayanto, H., Tanaka, H., Mootnick, A., Iskandriati, D., Perwitasari-F, D., Sajuthi, D. (2004) A chromosome landmark seoarating Sumatran and Bornean agile gibbons. XX Congress of the International Primatological Society (Aug. 2004, Torino, Italy) Folia Promatologica 75(Supplement ): 112-113.
  2. Mori, A., Yamane, A., Sugiura, H., Shotake, T., Boug, A., Iwamoto, T. (2005) Socio-ecological study on commensal hamadryas baboons in Saudi Arabia. 21c COE International Symposium, Recent Perspectives on Diversity and Evolution of Primates (Mar. 2005, Inuyama, Japan).
  3. Tanaka, H., Wijayant, H., Mootnick, A., Iskandriati, D., Perwitasari-Fallajallah, D., Sajuthi, D., Hirai, H. (2004) Molecular phylogenetic analyses of subspecific relationships in agile gibbons (Hylobates agilis) using mitochondrial and TSPY gene sequences. XX Congress of the International Primatological Society (Aug. 2004, Torino, Italy) Folia Plimatologica 75(Suppl. 1): 418.
  4. 平井啓久, Wijayanto, H., 田中洋之, Mootnick, A.R., 早野あづさ, Perwitasari-Farajallah, D., Iskandriati, D., Sajuthi, D. (2004) スマトラおよびボルネオアジルテナガザルを区別する顕著な染色体標識. 第76回日本遺伝学会大会 (2004年9月, 大阪).
  5. 赤座久明, 川本芳 (2004) 北アルプス立山連峰のニホンザルのミトコンドリア遺伝子変異. 第20回日本霊長類学会大会 (2004年7月, 犬山) 霊長類研究 20(Suppl): 40.
  6. 早石周平, 川本芳 (2004) 屋久島ニホンザルのmtDNA の地理的分布と植生帯との関係. 日本哺乳類学会2004年度大会 (2004年10月, 厚木).
  7. 早石周平, 川本芳 (2004) 屋久島ニホンザルのmtDNA分布と植生の分布変遷との関係. (2004年7月, 犬山) 霊長類研究 20(Suppl): 43-44.
  8. 早野あづさ, 田中洋之, Wijayanto, H., Perwitasari -Farajallah, D., Mootnick, A.R., 平井啓久 (2004) マイクロサテライト解析からみたアジルテナガザルおよびミューラーテナガザルの遺伝的組成. 第20会日本霊長類学会大会. (2004年7月, 犬山).
  9. 川本芳 (2004) ミトコンドリア遺伝子変異を利用したニホンザル個体群研究の展望. 京都大学霊長類研究所共同利用研究会:野生霊長類の保全生物学/第5回ニホンザル研究セミナー (2004年5月, 犬山).
  10. 川本芳, 川本咲江, 白井啓 (2004) 和歌山県におけるタイワンザルとニホンザルの交雑に関する遺伝学的研究. 第20回日本霊長類学会大会 (2004年7月, 犬山) 霊長類研究 20(Suppl): 39.
  11. 川本芳 (2005) 性特異遺伝子からみたニホンザルの種内分化. 京都大学霊長類研究所共同利用研究会:分子遺伝学による霊長類進化研究の現状と展望 (2005年3月, 犬山).
  12. 大沢秀行, 川本芳, 室山泰之, 後藤俊二, 白井啓, 荒木伸一, 岡野美佐夫, 森光由樹, 和秀雄, 中川尚史, 鳥居春己, 前川慎吾, 和歌山タイワンザルワーキンググループ (2004) 和歌山市周辺における交雑タイワンザル集団の現状と今後の予測. 第20回日本霊長類学会大会 (2004年7月, 犬山) 霊長類研究 20(supplement): 38-39.
  13. 須賀丈, 田中洋之, マリアティ, M. (2004) クロッカーレンジ公園(マレーシア、サバ州)に生息するボルネオミツバチの遺伝的多様性とその起源. 日本生態学会 (2004年8月, 釧路) 第51回日本生態学会大会講演要旨集 : 283.
  14. 田中洋之 (2005) TSPY遺伝子及びミトコンドリアDNAの系統分析によるアジルテナガザルの亜種間関係. 京都大学霊長類研究所共同利用研究会:分子遺伝学による霊長類進化研究の現状と展望 (2005年3月, 犬山).
  15. 田中洋之, 須賀丈 (2005) ボルネオ島に生息するミツバチ3種の遺伝的多様性とその成立について. 第52回日本生態学会大会 (2005年3月, 大阪) 第52回日本生態学会大会講演要旨集 : 305.

↑このページの先頭に戻る

講演
  1. 川本芳 (2004) 遺伝子からみた生物多様性. 第3回地球研フォーラム:もし生き物が減っていくと ?生物多様性をどう考える? (2004年7月, 京都).

↑このページの先頭に戻る

このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会