トピックス お薦めの図書 質疑応答コーナー ボノボ チンパンジー「アイ」 行動解析用データセット 頭蓋骨画像データベース 霊長類学文献データベース サル類の飼育管理及び使用に関する指針 Study material catalogue/database 野生霊長類研究ガイドライン 霊長類ゲノムデータベース 写真アーカイヴ ビデオアーカイヴ 京都大学霊長類研究所 本ホーム・ページの内容の |
京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2003年度 > X 共同利用研究 1. 概要 京都大学霊長類研究所 年報Vol.34 2003年度の活動X 共同利用研究1. 概要平成15年度の共同利用研究の研究課題は以下の四つのカテゴリーで実施された.
共同利用研究は,昭和57年度に「計画研究」と「自由研究」の2つの研究課題で実施された.昭和62年度からは「資料提供」(平成14年度から「施設利用」と名称を変更)を,また平成6年度からは「所外供給」(平成14年度から「所外貸与」と名称を変更し,平成15年度で終了)を新設し,現在に至っている.それぞれの研究課題の概略は以下のとおりである. 「計画研究」は,本研究所推進者の企画に基づいて共同利用研究者を公募するもので,個々の「計画研究」は3年の期間内に終了し,成果をまとめ,公表を行う. 「自由研究」は,「計画研究」に該当しないプロジェクトで,応募者の自由な着想と計画に基づき,所内対応者の協力を得て,継続期間3年を目処に共同研究を実施する. 「施設利用」は,資料(体液,臓器,筋肉,毛皮,歯牙・骨格,排泄物等)を提供して行われる共同研究である. 「所外貸与」は,本研究所以外の研究機関で行うことがより適切な共同研究のために,生体のサルを所外に供給して行うものである.なお,この所外貸与は平成15年度をもって終了した. 平成15年度の計画課題,応募並びに採択状況,研究会の概略は以下のとおりである. (1)計画課題(実施予定年度:課題推進者,*は代表者) 1. チンパンジー乳幼児期の認知行動発達の比較研究
チンパンジーを含む類人猿の乳幼児期における認知・行動の発達を形態学的,生理学的研究と関連させ幅広い視点で研究する.特に,基礎的な知覚・認知や運動の発達,社会的認知,コミュニケーション,社会的知性などの発達を軸にチンパンジーを含む類人猿を特徴づける認知機能や行動の特性とその発達過程を他の霊長類種とも比較しつつ検討する. 2. 霊長類における色覚の特性とその系統比較の研究
霊長類はすぐれた視覚能力を持ち,視覚動物と言われる.本研究課題では,特に,色覚を取り上げ,遺伝子レベル,ニューロン・レベル,行動レベルでの特性の解明,脳内機構の解明,その系統比較に取り組む. 3. ニホンザルの生活史に関する研究
ニホンザルの生活史を,繁殖,社会関係,環境利用など多くの側面から追求しこれまで欠落していた部分を補いながら,今日的に再構成を試みる.不明な点の多い性成熟後のオスの生活史や,メスも含むコドモ期の発達や成体~老齢期における年齢変化を研究する. 4. サル類疾患の生態学
サル類が保有し,あるいは罹患する多様な疾病を生物学的に把握して,サル類の進化や個体生存への影響を検討する.感染症・非感染症を幅広く捉え,サルを取り巻く健康条件について掘り下げるとともに,応用面として診断や予防・治療に関する新しい知見を開拓し,飼育時の適切なコントロールに資する. 5. 野生霊長類の保全生物学
ニホンザルをはじめとする野生霊長類保全生物学の新たな展開をはかる.各地で継続されている野外調査に基づいた個体群管理策や獣害対策の検討を進めると共に,遺伝学や生化学,形態学,獣医学的な手法等を用いた個体群変異の評価,繁殖や健康状態の査定等,新たな方法論の確立をめざす.また移入種による遺伝的攪乱や絶滅危惧種保全のためのEx Situでの取り組み等,現代的な課題への理論的実践的な研究を行う. 6. 霊長類の発達加齢に関する多面的研究
発達および加齢の過程ではさまざまな身体的,行動的な変化が生じる. ヒトを含めた霊長類の発達と加齢を分子,細胞,器官,行動などの多様な視点から解析し,変化の本質の究明と,メカニズムの解明をはかる. (2) 応募並びに採択状況平成15年度のこれらの研究課題について,102件(137名)の応募があり,運営委員会共同利用研究専門委員会(諏訪 元,吉川泰弘,伊澤紘生)並びに共同利用研究実行委員会(相見 滿,室山泰之,友永雅己,清水慶子)との合同会議において採択原案を作成し,協議員会(平成15年2月12日)の審議・決定を経て,運営委員会(平成15年3月3日)で了承された. その結果,99件(134名)が採択された.各課題についての応募・採択状況は下記のとおりである.
このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会 |