京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2003年度 > IV 広報活動
京都大学霊長類研究所 年報
Vol.34 2003年度の活動
IV 広報活動
霊長類研究所では広報委員会が主体となって,オープンキャンパス(大学院ガイダンス),公開講座,市民公開などの催しを通じて研究所の活動を一般の方に紹介するよう努めている.また,研究所年報の作成,ホームページの公開などの広報活動もおこなっている.2003年度は,研究所を紹介するパンフレットを和英共通のものとする編集作業をおこなった.
(1)オープンキャンパス:大学院ガイダンス(第1回)
大学の学部学生(2,3,4年生)を対象として開催していた「春期セミナー」を,より大学院受験希望者向けの性格づけを強めるため,2003年度より「オープンキャンパス:大学院ガイダンス」と改名し,2004年2月25日(水)~26日(木)に開催した.オープンキャンパスでは,各分野・センター・施設の教官の講義と所内見学,各分科教官との懇談会がおこなわれた.全国から47名の参加があった.2月27日には,研究室の自主企画が実施され,合わせて20名の参加があった.
- <プログラム>
- 2月25日(水)
- 受付 講義レジメ配布
- 茂原信生(霊長類研究所 所長)「開会の挨拶」
- 大石高生(大学院世話役 副議長) 「大学院入試に関するガイダンス」
- 渡邊邦夫(ニホンザル野外観察施設・社会生態分科) 「現代社会と野生生物の保護問題」
- 國松豊(形態進化分野・系統進化分科) 「類人猿の形態と進化」
-
- 昼食
- 所内見学1
-
- 平井啓久(遺伝子情報分野・生物化学分科) 「類人猿の染色体分化」
- 川本芳(集団遺伝分野・進化遺伝分科) 「霊長類の集団遺伝学:ニホンザル研究の現状と展望」
- 大石高生・清水慶子(器官調節分野・分子生理分科) 「霊長類の脳と性」
- 三上章允(行動発現分野・高次脳機能分科) 「動きの視覚と形の視覚」
-
- 各分科の教官との懇談会1(希望者のみ)
- 懇親会
- 2月26日(木)
- 友永雅己(思考言語分野・思考言語分科) 「霊長類の知性の進化と発達」
- 正高信男(認知学習分野・認知学習分科) 「人間らしさとは何だろう?」
- マイケル・A・ハフマン(生態機構分野・社会生態分科) 「野生チンパンジーの行動生態学的研究」
-
- 昼食
- 所内見学2
-
- 大澤秀行(社会構造分野・社会生態分科) 「霊長類の社会進化」
- 鈴木樹理(人類進化モデル研究センター・実験動物科学分科) 「霊長類のストレスの研究」
- 高井正成(系統発生分野・系統進化分科) 「化石の研究がしたいんです」
- 質疑応答(講演者全員)
-
- 各分科の教官との懇談会2(希望者のみ)
- 2月27日(金)
- 研究所諸施設,一部研究室の見学(希望者のみ)
↑このページの先頭に戻る
(2)公開講座(第19回)
広く一般市民を対象にして霊長類学の成果を紹介するために,毎年8月後半に公開講座を開催している.年齢や職業もさまざまな受講者を相手に,研究所教官が霊長類学についての講演をおこなうとともに,自分の手を動かしながら霊長類についての理解を深めてもらうために実習の時間も設けている.今年度は8月21日(木)と22日(金)の2日間で,第1日目を講義日とし,犬山市国際観光センター「フロイデ」において実施し,2日目を実習日として霊長類研究所にておこなった.全国から76名の参加があった.
- 公開講座 「霊長類の進化」
-
- <プログラム>
- 講義 8月21日(木)会場:犬山国際観光センター「フロイデ」
- 「説明,所長挨拶」茂原信生
- 「霊長類の社会進化-パタスザル・ニホンザル・人類」 大澤秀行
- 昼食
-
- 「色覚情報処理と色覚の進化」 三上章允
- 「性を司るホルモンとフェロモン」 清水慶子
- 「ニホンザルをめぐる移入種問題」 川本芳
- 実習 8月22日(金) 会場:霊長類研究所
- 以下から2科目選択して実習を行った.
-
- 骨学実習,担当:高井正成
- 心理学実習,担当:友永雅己・田中正之
- サルの野外行動観察実習,担当:大澤秀行
- 遺伝学実習,担当:田中洋之
-
- 実習1科目
- 昼休み
- 実習2科目
- 質疑応答
↑このページの先頭に戻る
(3)市民公開(第14回)
近隣の市民に研究所の内容を紹介し,研究所の活動に理解を得るため市民公開日を設けている.研究所周辺の方を主な対象にはしているが,現在では犬山市内および近隣市町村からの参加者も受け付けている.今年度は10月19日(日)に開催し,70名の参加者があった.
- <プログラム>
- 2003年10月19日(日)
- 総合案内 マイケル・ハフマン
- 挨拶 所長 茂原信生
- 講演「サルの特徴:人類のルーツをさぐる」 相見満
- 所内見学(サル放飼場,展示資料室など)
(4)東京公開講座(第2回)
2002年度より,霊長類学の成果を一般社会にいっそう広めるため,東京圏で一般市民向け公開講座を開催している.今年度は,9月27日(土)に,東京・台場の日本未来科学館において,京都大学霊長類研究所・東京公開講座「サルとヒト」を開催した.254名の参加があった.
- <プログラム>
- 2003年9月27日(土)
- (司会:高井正成)
- 挨拶 所長 茂原信生
- 室山泰之 「里のサルとつきあうには:野生動物の保全と管理」
- 上野吉一 「サルを知る-動物福祉への展開」
- 大石高生 「サルの脳を見てヒトの脳を考える」
- 松沢哲郎 「チンパンジーの子どもの発達」
- 質問・疑問
↑このページの先頭に戻る
(5)ホームページ
広報委員会は情報システム整備委員会と協力して研究所ホームページを開設し,インターネットを通じても研究・教育活動の紹介をおこなっている.年報や自己点検評価の結果などもホームページ上で公開している.
↑このページの先頭に戻る
(6)研究所見学者
2003年度の研究所見学者は以下の通りである.
- 5月12日(月)犬山市立城東小学校4年生81名,引率3名
- 5月29日(木)東京地方裁判所新任判事補等職員46名
- 6月3日(火)犬山市立犬山中学校5名
- 6月3日(火)名古屋市立高等学校理科担当教員40名
- 6月17日(火)犬山幼稚園PTA20名
- 7月10日(木)中部学院大学55名
- 8月19日(木)犬山市子ども大学児童11名,引率3名
- 10月25日(土)動物園の未来を考える会10名
- 11月7日(金)愛知県立一宮高等学校40名
- 11月29日(土)昭和女子大学人間社会学部心理学科25名
- 1月19日(月)日本機械学会会員15名
- 1月22日(木)中部学院大学学生5名,引率1名
- 3月15日(月)横浜国立大学大学院障害児教育専攻大学院生5名
↑このページの先頭に戻る
(7)霊長研フォーラム連載
地元に研究所の活動を広く知ってもらう一環として,犬山市の広報誌「広報いぬやま」に2002年10月1日より「霊長研フォーラム」として研究所紹介コラムの連載を開始した.2003年度の執筆陣は以下のとおりである.
- 2003年4月1日号 國松豊
- 2003年5月1日号 林基治
- 2003年6月1日号 大澤秀行
- 2003年7月1日号 景山節
- 2003年8月1日号 茂原信生
- 2003年9月1日号 三上章允
- 2003年10月1日号 平井啓久
- 2003年11月1日号 渡邊邦夫
- 2003年12月1日号 正高信男
- 2004年1月1日号 清水慶子
- 2004年2月1日号 濱田穣
- 2004年3月1日号 杉浦秀樹
- 広報委員会:田中正之,マイケル・ハフマン,杉浦秀樹,大石高生,高井正成,滝博(庶務掛長),宮田志保(研究支援推進員)
(文責:高井正成)
↑このページの先頭に戻る