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京都大学霊長類研究所 > 年報のページ > 2003年度 > I 巻頭言

京都大学霊長類研究所 年報

Vol.34 2003年度の活動

I 巻頭言

所長 茂原信生

「研究所の寿命は30年」といわれることがありますが,霊長類研究所はすでに創立37年を迎えています.その間,研究所はたえず新たな分野に挑戦することで,リフレッシュし,そして霊長類学を発展させてきました.しかし,昨年の研究業績に関する自己点検・評価では,いろいろな問題点が指摘されました.もちろん,年月だけの問題ではないのですが,霊長類研究所も37年の疲労が蓄積している面があります.これらを克服していくにはかなりのエネルギーが必要ですが,やっていかなくてはならないことです.そのためには,独立法人化というのはむしろいい機会なのかもしれません.

この一年は,中期目標,中期計画などの作成など独立法人化に向かっての準備の一年でした.しかし,本部と連動する必要があることでは思うように準備は進みませんでした.そして,今,大学の独立法人化は,表面的には大きな変化がないように動いています.しかし,この変革は私たちの予想以上に大きな変革であると思います(そんなことに今頃気がついてどうするという話かもしれませんが).また,その方向も予測がつかない面があります.しかし,どのようなシステムになるにせよ,着実に研究業績を上げ,その成果を目に見える形で公開していくことが重要なことです.

霊長類研究所は,今,2つの大きなプロジェクトに参加しています.21世紀COEの「多様性の統合のための拠点形成」と,ドイツの進化人類学研究所(マックス・プランク協会)とおこなっている日本学術振興会の重点研究国際協力事業(HOPE Project:Primate Origins of Human Evolutionのアナグラム;人間の進化の霊長類的起源)です.これらを利用して,いっそうの国際的な研究をすすめる素地ができています.これらのプロジェクトを生かすも殺すも,研究所がどのような成果をあげていくかにかかっています.この年報にもその成果の一部が掲載されていますが,今後,それらにふさわしい成果がもたらされているかどうかを年報を通して明らかにしていくつもりです.

独立法人化後は,年報には事務関係の事項も多く載せる必要があると考えています.研究活動には,事務職員,技術系職員等の協力が欠かせません.そのような面の活動も明らかにして,さらに,この年報を充実させるよう,努力を重ねるつもりです.みなさんのご意見,ご批判をお願いいたします.

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このページの問い合わせ先:京都大学霊長類研究所 自己点検評価委員会