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VII. 共同利用研究

1. 概 要

昭和57年以来,研究課題として「計画研究」並びに「自由研究」を併置し,昭和62年度には「資料提供」(平成14年度から「施設利用」と名称を変更)を設置した.さらに平成6年度から「所外供給」(平成14年度から「所外貸与」と名称を変更)を新たに設置し,これらに係る共同利用研究が実施されている.
「計画研究」とは,本研究所内推進者の企画に基づいて共同利用研究者を公募するもので,個々の「計画研究」は3~5年の期間内に終了し,まとめた成果を公表する.「自由研究」とは「計画研究」に該当しないプロジェクトで,応募者の自由な着想と計画に基づき所内対応者の協力を得て,継続期間3年を目処に研究が実施されている.「施設利用」とは,資料(体液,臓器,筋肉,毛皮,歯牙・骨格,排泄物等)のみを提供する共同研究として実施されている.「所外貸与」とは,本研究所以外の研究機関で行うことがより適切な研究のために,生体のサルを所外に供給するものである.
  
平成14年度の計画課題,応募並びに採択状況,研究会等の概略は以下のとおりである.

(1) 計画研究
(実施予定年度:課題推進者,下線は代表者)


1.霊長類におけるストレス反応のメカニズムとその応用
(平成12年度~14年度:鈴木樹理,大蔵聡,友永雅巳)

  
霊長類におけるストレス反応について,基礎的および応用的な研究を行う.物理的のみならず,霊長類に特有な心理的,社会的ストレスに対する生理学的変化や心理学的,行動学的変化の分析によってストレス反応定量系の確立を行う.またストレス反応時の神経・内分泌・免疫系の相互のかかわり合いを解明する.更に,既に確立された定量系を用いて,霊長類の飼育環境や実験環境の評価系の検討を行い,動物福祉への応用研究を進める.

2.チンパンジー乳幼児期の認知行動発達の比較研究
(平成13年度~15年度:松沢哲郎,友永雅己,小嶋祥三,濱田穣,田中正之)

  
チンパンジーを含む類人猿の乳幼児期における認知・行動の発達を形態学的,生理学的研究と関連させ幅広い視点で研究する.特に,基礎的な知覚・認知や運動の発達,社会的認知,コミュニケーション,社会的知性などの発達を軸にチンパンジーを含む類人猿を特徴づける認知機能や行動の特性とその発達過程を他の霊長類種とも比較しつつ検討する.

3.霊長類における色覚の特性とその系統比較の研究
(平成13年度~15年度:三上章允,上野吉一,脇田真清,竹中修,後藤俊二)

  
霊長類はすぐれた視覚能力を持ち,視覚動物と言われる.本研究課題では,特に,色覚を取り上げ,遺伝子レベル,ニューロン・レベル,行動レベルでの特性の解明,脳内機構の解明,その系統比較に取り組む.

4.ニホンザルの生活史に関する研究
(平成14年度~16年度:大澤秀行,森明雄,上原重男,杉浦秀樹)

 
 ニホンザルの生活史を,繁殖,社会関係,環境利用など多くの側面から追求しこれまで欠落していた部分を補いながら,今日的に再構成を試みる.不明な点の多い性成熟後のオスの生活史や,メスも含むコドモ期の発達や成体~老齢期における年齢変化を研究する.

5.サル類疾患の生態学
(平成14年度~16年度:松林清明,景山節,後藤俊二,鈴木樹理,マイク・ハフマン)

 
 サル類が保有し,あるいは罹患する多様な疾病を生物学的に把握して,サル類の進化や個体生存への影響を検討する.感染症・非感染症を幅広く捉え,サルを取り巻く健康条件について掘り下げるとともに,応用面として診断や予防・治療に関する新しい知見を開拓し,飼育時の適切なコントロールに資する.

(2) 応募および採択状況

平成14年度のこれらの研究課題について,103件(133名)の応募があり,運営委員会共同利用研究専門部会(杉山幸丸,吉川泰弘,茂原信生,松沢哲郎)並びに共同利用研究実行委員会(中村克樹,上野吉一,相見滿,室山泰之)との合同会議において採択原案を作成し,協議員会(平成14年2月13日)の審議・決定を経て,運営委員会(平成 14年3月4日)で了承された.
 その結果,99件(131名)が採択された.各課題についての応募・採択状況は下記のとおりである.


課題 応 募 採 択 採択
計画 1 4件 (8名) 4件 (8名)
計画 2 11件 (14名) 8件 (10名)
計画 3 5件 (6名) 4件 (5名)
計画 4 4件 (4名) 4件(内1件辞退) (4名)
計画 5 4件 (8名) 4件 (8名)
自由 58件 (72名) 45件(内1件辞退) (57名)
施設 12件 (14名) 12件(内1件辞退) (14名)
所外 (新規) 5件 (7名) 5件(内1件辞退) (7名)
所外 (継続) 14件 (19名)

(3) 研究会

平成14年度は,以下のとおり6件の研究会が採択・実施された.

1.第2回ニホンザル研究会:ニホンザル野外研究の現状と展望
  平成14年5月18日~5月19日
  杉浦秀樹,室山泰之

2.直立二足歩行の起源再考:ロコモーション研究を考える
  平成14年11月22日~11月23日
  石田英実,濱田穣,國松豊

3.霊長類の色覚情報処理と進化
  平成14年12月12日~12月13日
  三上章允,竹中修,上野吉一,後藤俊二,脇田真清

4.ヒトを含む霊長類における認知と行動の発達
  平成15年2月14日~2月15日
  松沢哲郎,友永雅巳,小嶋祥三,濱田穣,田中正之

5.第32回ホミニゼーション研究会「類人猿の進化と人類の成立 」
  平成15年3月13日~3月15日
  竹中修,三上章允,大澤秀行,相見満

6.ヒトを含む霊長類の聴覚と音声
  平成15 年3月20日~3月21日
  小嶋祥三,正高信男