目的・理念
研究所の設置目的:
霊長類に関する総合研究を行い,全国の大学の共同利用・共同研究等に供する。霊長類研究所の使命は、多様な学問的視点から霊長類を総合的に研究し、ひいては人間の本性の起源と進化を解明する。生態学、社会学、行動学、認知科学、神経科学、生理学、遺伝学、ゲノム科学、生物医学、形態学、古生物学などの多様な学問で、現生だけでなく絶滅して化石となった霊長類を研究対象にしている。
共同利用・共同研究の理念:
本研究所に蓄積されてきた霊長類に関する総合的研究の実績を基に、国内のみならず国際的な共同研究を進めることにより、我が国の霊長類学のさらなる発展を目的とする。
学内外の委員から構成される運営委員会のもと、ヒトを含む霊長類を様々な分野・観点から研究する国内・国外の霊長類学者の要望を反映した公募型共同利用・共同研究を実施するとともに、霊長類の観測拠点や所内飼育個体の提供を行うことで、研究者ネットワークの国際的・学際的拠点を形成する。
全国各地の大学、研究所、研究施設などの霊長類を対象とする研究者の受け皿となり、霊長類に関する様々な研究の推進拠点としての役割を果たす。
沿革
霊長類研究所は、霊長類に関する総合的研究をおこなう目的で、全国の研究者の共同利用研究所として、昭和42年6月1日、京都大学に附置・設立された。京都大学に14ある附置研究所のひとつであり、国内の27大学に74ある「共同利用・共同研究拠点」(86施設)のひとつである。以来45年にわたって人間を含めた霊長類の生物学的特性の研究で多くの研究成果をあげてきた。 2012年4月1日現在、本研究所には4つの研究部門(10分野)と2つの附属研究施設があり、教員数は46名(特定教員含む)、研究員24名、大学院生等37名、事務職員10名、技術職員8名、特定職員2名、非常勤職員99名である。総勢226名の陣容である。更に、海外での学術調査や外国人研究者の来訪も多く、活発な国際交流がおこなわれている。
簡単に沿革を示す。
沿革
昭和42年 6月 形態基礎、神経生理の各研究部門設置
昭和43年 4月 犬山市に仮研究棟が完成
昭和44年 4月 心理、社会、変異の各研究部門設置
幸島野外観察施設、サル類保健飼育管理施設設置
昭和45年 4月 生活史研究部門設置
昭和46年 4月 生理研究部門設置
昭和48年 4月 生化学研究部門設置
昭和50年 4月 系統研究部門設置(当初計画完了)
昭和58年 4月 幸島野外観察施設をニホンザル野外観察施設に改組
平成 5年 4月 大部門制に改組、思考言語分野設置
平成 7年 3月 類人猿行動実験棟(新棟)完成
平成11年 4月 サル類保健飼育管理施設設置を人類進化モデル研究センターに改組
平成18年10月
寄附研究部門として比較認知発達(ベネッセコーポレーション)研究部門を設置
平成19年 4月 リサーチリソースステーション(RRS)の設置
平成19年 8月 寄附研究部門として福祉長寿部門を設置
平成20年 3月 本棟の耐震工事竣工
平成20年 4月 京都大学野生動物研究センターの創立に伴い、ニホンザル野外観察施設、福祉長寿研究部門を同センターへ移行
平成21年 4月 国際共同先端研究センターを設置
平成22年 4月 寄附研究部門としてボノボ(林原)研究部門を設置
平成23年 9月
比較認知発達(ベネッセコーポレーション)研究部門及びボノボ(林原)研究部門終了
平成25年1月 チンパンジー(林原)研究部門を設置